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しおりを挟む「ありがと…」
「どういたしまして
てか、まだ眠そうじゃん
大丈夫?」
「全然大丈夫」
「そう?
ほら、目の前見てみ、観覧車が見える」
恭弥は駐車場から見える観覧車を指差した。
その他にもジェットコースターのてっぺんが駐車場から見える。
そこは昔、菫の父が菫と蒴と恭弥の3人を連れてきた場所だった。
ふと、行きたくなって恭弥にリクエストしたところ快く連れてきてくれた。
「うわ、超懐かしい
あん時、菫全部の乗り物怖がってたよね」
「だって小さかったから…」
その言葉と共に昔、絶叫マシンに乗りたかったはずの蒴がそれを諦めて、ずっと手を繋いで菫の側にいてくれたことを思い出した。父がそれを見て複雑そうな顔をしていたことも思い出してしまい、つい笑ってしまう。
「何笑ってんの?」
「ん?なんでもなーい
早く行こ
今は絶叫だって怖くないからジェットコースターも乗ろ!」
「まじで?
怖がっちゃうんじゃないの?
俺が手握っててあげようか?」
「そんな心配いらないもん」
菫がいじけて頰を膨らませると、半歩先歩いていた恭弥は菫の方に手を伸ばす。
「行くよ」
「うんっ」
遊園地に入ると、あっという間に時間は過ぎすでにあたりはオレンジ色に染まり始めていた。
あまり広い遊園地でもないため、2人は一通りのアトラクションを楽しみ、程よい疲れを感じながら駐車場に置いてある車に乗り込む。
「遊園地すごい楽しかった!
ありがとう、恭弥くん」
「どういたしまして
俺も楽しかったよ
遊園地とかめちゃくちゃ久しぶりだった」
「本当?女の人とよく来てそう~」
「何、嫉妬でもしてんの?
すーちゃんはかわいいねえ」
「嫉妬なんかしてない」
恭弥は揶揄うように菫を見た後、車のエンジンを入れる。
「で、菫は腹減ってる?
減ってるならこのまま飯食いに行く?」
「うん!そうするー!」
菫は意気揚々と片腕を上げた。
行きたい場所がないかと恭弥が尋ねたため、菫はお気に入りの焼肉店名を恭弥に告げる。
目的地についたものの、駐車場は満車となっておりすでに入れなくなっていた。
そこで適当に食料を買い、家で飲み食いをしようということになった。
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