女子高生が、納屋から発掘したR32に乗る話

エクシモ爺

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夏は休み

21秒と私たちの国

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 R33型のGT-Rは、R32と違って、専用CMがあるのも特徴なんだよね。
 そして、そのコピーは、R32のGT-Rとのタイム差を表した『マイナス21秒ロマン』というもので、当時、何故かGT-RのTVCMを邪道だと言って批判する向きがあったんだけど、別に、告知はしておくに越した事はないよね。

 このCMのに関しても、拘りがあって、ディープパープルの中でもスピードキングという、日本人には馴染みの薄い曲を使っているんだけど、イメージが車に一番合っているからっていう理由で、選んだのであって、安易にハイウェイスターなどを選ばなかったというのは、当時の記事で語られていたよ。
 そして、何故、タイム計測をしたニュルブルクリンクで撮影しないのかという理由に対しては、CMを作成した時期は、ドイツは冬場で、コースが凍結していたため……という事らしいよ。

 そして、後期型のCMも現代を先取りしていて秀逸だよね。『私たちの国には、GT-Rがあることを誇りたい』って、当時は、海外の人なんて、ほんの一部しかGT-Rを知らなかったから、このコピー見て『はぁ?』って思った人が、多かったみたいだけど、今や日本からGT-Rが盗まれてまで、持ち出されるほど人気になってるんだもん。それを思うと凄いよね。
 更に、この後期型のCMの冒頭には、当時、R33のGT-Rを認めずに、R32至高説を唱える人に向けたコピーが出てくるんだよ。
 スーパームーンみたいな、大きな満月をバックに走って来るGT-Rの後ろの満月の中に『最新のGT-Rが、最高のGT-Rだ』ってね。

 実際、R33型のGT-Rは、速くなっていて、確実に進化が分かるっていうものだったそうだよ。
 ウチの兄貴はR32、33、34のGT-Rを何台も乗り継いだけど、今の自分が乗るなら文句なくR33だって言ってた。
 R32はクラシックカーとして、R34はタイムを狙う道具としてだったら使うけど、毎日乗るならR33が一番なんだって。

 でもって、それでも、新車の販売台数はR32の半分以下の16,000台程度だったらしいよ。
 私もさ、個人的な見た目で言うと、GT-RはR33が一番好きなんだよね。標準車のクーペだと、妙にボテッとしてひょろ長い感じがするんだけど、GT-Rだと、適度な肉付きに見えて、バランスが良いんだよね。

 ちなみに、R33のGT-Rは標準車と、アクティブLSD等の付いたVスペック、更にレース参戦を意識して、ファインチューンと不要な装備を取り外したVスペックN1仕様の3グレードが設定されたんだって。

 それで、R33の時代になると、グループAカテゴリーが消滅して、2000cc以下、ノンターボの4ドアで戦うJTCCカテゴリーに取って代わられるため、R33の戦いの場は、主に海外に移るんだよね。

 それで、ここで1つ忘れ去られがちなんだけど、JTCCのごく初期に、R33の4ドアセダンで出場していたチームが、たった1チームだけあって、R33の4ドアGTSのレースマシンが存在したんだよ。

 「ええっ! マジか?」

 うん、ただ、結局、メーカーワークスで参戦していなかったこともあって、表彰台に上がることなく姿を消していったんだけど、当時を知る兄貴の友達の1人は、いつか表彰台に上がる事を夢見て、日曜日の夜のテレビ番組を見ながら応援してたんだって。
 そして、エンジンに関しては、残念ながらRBエンジンではなく、シルビアなどと同じSR20DE型の4気筒エンジンだったそうだよ。

 「そうか、でも後に出場したトヨタのチェイサーも、6気筒の1JZ型じゃなくて4気筒の3S型積んでたもんな~」

 国内のレースでは、R32時代から出場していた改造範囲が狭いN1レースなどには引き続き出場してたけど、目玉は、フランスのルマンで行われる24時間耐久レースにチャレンジしたことかな。
 結局、排気量の足らなさや、各種部品の耐久性など、2年間のチャレンジで課題点が多量に見つかったけど、最高位は総合10位で、日本車では最高位だったそうだよ。
 
 そして、この頃、GT-Rには、ルマン出場を記念したLMリミテッドという特別仕様車が登場したんだよ。
 真っ青な『チャンピオンブルー』という特別色を身に纏ったR33GT-Rが存在するんだよ。

 そして、GT-R登場時に、標準車も若干変更が加わって、運転席エアバッグの標準化や、2ドアのフロントグリルのボディ同色化、リアスポイラーの大型化などが行われたんだ。きっと悠梨のR33は、この時期のものだろうね。

 更に、R33登場から2年5ヶ月後にビッグマイナーチェンジが行われるんだけど、ここでの改良は結構大きいんだよね。
 ライト周りやテールデザインの変更と、助手席エアバッグの標準化、更には、ターボ車のタービンの羽根が、セラミックから樹脂製に変更になるんだよ。
 そして、この間の海で優子が言ってたけど、不評だった4ドア車のリアバッテリーが廃止、4ドア車の2500ccツインカムに5速MT車が追加と、ようやく初期の人たちの不満が解消されたんだよね。

 そしてこの後期型では、牧瀬里穂がCMキャラになったんだ。R33登場の年に、ホンダの2代目トゥディのCMキャラで『愛と冒険のお買い物』って感じのホンワカしていたキャラで出てたんだけど、こっちではBorn to be wildのロックバージョンをバックに、花束で男の人をぶん殴るワイルドキャラで変貌を遂げたんだよ。

 ちなみにこの時のキャッチコピーは、当初『男だったら、乗ってみな!』だったんだけど、クレームにより『キメたかったら、乗ってみな!』になり、また更にクレームにより『好きだったら、乗ってみな!』と、2回も変わることになって、そのたびにセリフの撮り直しになったんだって。

 その後GT-Rがマイナーチェンジされ、'98年初頭には、スカイライン40周年を記念して、4ドアセダンをGT-R化した『オーテックバージョン40thアニバーサリー』が登場したんだよ。
 これに関しては、今までの物と違ってセダンの別グレードから派生したもので無いので、型式も『BCNR33改』と、純粋にGT-Rベースとなっていて、リアシートもGT-R用の2名掛けなので、乗員人数も4人になるんだよ。

 そして、このR33GT-Rに関しては、イギリスに輸出されてたんだよ。Vスペックのみがイギリスに輸出され、日本では650万円ほどだったGT-Rが1000万円で販売されたんだって、しかも、100台限定で輸出して、1000万円もするのに数日で完売したんだって。

 さて、そろそろ展示車見ようよ。
 私さ、喉乾いちゃったんだよね……。


──────────────────────────────────────
 ■あとがき■

 ★、♥評価、多数のブックマーク頂き、大変感謝です。
 毎回、創作の励みになりますので、今後も、よろしくお願いします。

 次回は
 遂に、R33編も展示車へと移ります。
 いつになったらこのミュージアム編は終わるのか?

 お楽しみに。
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