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第21話 案内少女フレイア
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アクエリアン・ノーツの街中で爆発騒ぎを起こしたので、一等地の宿は断られてしまい町はずれの安宿屋に一泊することにした。田舎町の情報の速さは想像以上である。
宿泊先は食事も何も出ない素泊まりの宿で面白いことは何もなかった。
見事に期待外れ。
一泊して簡易食などを補充したあとでアクエリアン・ノーツを出発した。今も荷車に揺られながら忘れられた街道を走り古代霊廟にむけて進んでいる。
古代霊廟はこの国に多く存在していて魔物のたまり場になっている。
まるで、魔物の遊園地みたいだ。
やがて、なだらかな丘陵地帯に差し掛かり、忘れられた街道は小高い丘にある見晴らし台に到着した。そこから見る眺めは絶景で、密林の先に一際聳え立つ霊廟と石碑群が見えている。
誰が何のために作ったかわからない謎の施設。
とても綺麗で写真が撮りたくなる。
丘の展望台には休憩用の石机があり、その上になんとなく立っていると、双子も登ってきて私の隣に並び立った。なんとなく私がポーズをとると双子が私に向かって同様のポーズを決め、私の足元には座り込むマーメイド。
何となく愉快な気分になり、そのまま荷車に駆け込んで先を急いだ。森に入るまでは特にトラブルの発生しない穏やかな旅になった。
問題は森に入ってから起きた。
「さっきから同じ道を走ってないかしら?」
「姫様、わかりません!」
「ムー」
「あなた達に聞いたのが間違いだったわ。ちょっと調べてみる」
モザイカに質問すると森自体が迷宮になっていることが判明した。
看過のスキルを使うか案内人が必要と説明される。
「ここに来る前に聞くべきなのに、私ってどうして思い浮かばないのかしら」
残念なことに私たちの中で看過スキルを持っている者などいなかった。
せっかく霊廟まで目と鼻の先に来たのというのにアクエリアン・ノーツに戻って案内役を探さないといけない。
町での印象がよくないので、ついて来てくれる人が現れる気がしない。
運がいいことに森を出るのは簡単だった。牛モドキ荷車を来た道にUターンさせれば出口が見えてきた。どうやら森に立ち入らせたくない、そんな意思を感じてしまう。
今回は運がよかったけれど、抜け出せなかったらと思うと背筋が寒くなる。
アクエリアン・ノーツに戻ると組合を探したが、出張所さえ存在しなかった。あるのは取次所という名の酒場である。
とりあえず、店に入ってマスターに相談してみた。
「すみません。忘れられた街道を走り古代霊廟に行きたいのですが案内してくれる人はいますか?」
「ん、古代霊廟?」
「はい。森を抜けられなくて困ってます」
「ああ、あの森か。残念ながら2人いる看過スキルもちのスカウトは出払ってるな」
「そうですか……」
「ちょっと待ってろ、確認してやる」
強面のマスターは見かけによらず良い人のようだ。
「おい! この中に看過スキル持ちで古代霊廟に行けるやつはいねえか!!」
うわ、声が大きくてびっくりしたよ……。
「私でよければついてくよ。案内料はいくらなのさ?」
「案内役が現れたぜ。交渉はお前たちでやりな。もめたときは俺に言ってこい仲裁してやる」
「有難うございます。マスターさん」
名乗りを上げた少女は私とそう変わらない年齢だった。ショートカットの髪に身動きのしやすそうな探検衣装を着ている。組合員かもしれない。
そういえば交渉などやったことがない。
こまった。
「あの、はじめまして、カーラと申します。案内料の相場がわからないのですが」
「そうだね、お貴族様っぽいから吹っ掛けたいところだけどマスターいるからね」
「おい、あんまり吹っ掛けるなよ。揉め事はごめんだぜ」
「ああ、わかってるさ」
少女は考えている。
「一般的なのは霊廟の宝箱の優先権かな? 一品でいいので優先的に選ばせてよ」
「なんだかよくわからないけど、それで手をうつわ」
「よろしくね。私はフレイア、出発するときに呼んでよ」
「私はいつからでもいいので」
「じゃあ、一刻後にここで待ち合わせということで、じゃあね」
「はい、お願いします」
少女は足早に店を出た。それを見送ったあとでマスターが話し出す。
「嬢ちゃん、取引内容としては妥当だぜ」
「ありがとうございました。助かりました」
私は適当に飲み物を買って店を出た。いい人でよかった。
待ち合わせ場所でフレイアと合流して私たちは古代霊廟を目指すことになった。森までの道中は特に問題なく進み、目前に森が迫ってきた。
「フレイアさん、このまま突っ込んでいいの?」
「うん!そのまま入っちゃって。それから、名前は呼び捨てでいいよ」
「はい」
森に入ってすぐフレイアは荷車から降りて走り出した。
「ここだね。ちょっとそこで待っててくれない」
「何かあるのかしら?」
「隠し通路。まあ、ここでは道だけど」
見ていると森や下草がフレイアを避けるように移動する。そこには密林に続く道が現れた。
驚くほど幻想的なスキルだ。
「時々立ち止まるから、スピードは遅めでお願い」
「はいっ!」
スキリアが元気に返事する。
そのあとは順調に森の中を進み、たまに看過スキルを使って隠し通路を探していた。魔獣を見かけることはあったけど、なぜか近づいてこなかった。
終点は突然訪れ、森が開けて草に覆われた古代霊廟が見えてくる。
それは思ったより遥かに巨大な構築物だった。
宿泊先は食事も何も出ない素泊まりの宿で面白いことは何もなかった。
見事に期待外れ。
一泊して簡易食などを補充したあとでアクエリアン・ノーツを出発した。今も荷車に揺られながら忘れられた街道を走り古代霊廟にむけて進んでいる。
古代霊廟はこの国に多く存在していて魔物のたまり場になっている。
まるで、魔物の遊園地みたいだ。
やがて、なだらかな丘陵地帯に差し掛かり、忘れられた街道は小高い丘にある見晴らし台に到着した。そこから見る眺めは絶景で、密林の先に一際聳え立つ霊廟と石碑群が見えている。
誰が何のために作ったかわからない謎の施設。
とても綺麗で写真が撮りたくなる。
丘の展望台には休憩用の石机があり、その上になんとなく立っていると、双子も登ってきて私の隣に並び立った。なんとなく私がポーズをとると双子が私に向かって同様のポーズを決め、私の足元には座り込むマーメイド。
何となく愉快な気分になり、そのまま荷車に駆け込んで先を急いだ。森に入るまでは特にトラブルの発生しない穏やかな旅になった。
問題は森に入ってから起きた。
「さっきから同じ道を走ってないかしら?」
「姫様、わかりません!」
「ムー」
「あなた達に聞いたのが間違いだったわ。ちょっと調べてみる」
モザイカに質問すると森自体が迷宮になっていることが判明した。
看過のスキルを使うか案内人が必要と説明される。
「ここに来る前に聞くべきなのに、私ってどうして思い浮かばないのかしら」
残念なことに私たちの中で看過スキルを持っている者などいなかった。
せっかく霊廟まで目と鼻の先に来たのというのにアクエリアン・ノーツに戻って案内役を探さないといけない。
町での印象がよくないので、ついて来てくれる人が現れる気がしない。
運がいいことに森を出るのは簡単だった。牛モドキ荷車を来た道にUターンさせれば出口が見えてきた。どうやら森に立ち入らせたくない、そんな意思を感じてしまう。
今回は運がよかったけれど、抜け出せなかったらと思うと背筋が寒くなる。
アクエリアン・ノーツに戻ると組合を探したが、出張所さえ存在しなかった。あるのは取次所という名の酒場である。
とりあえず、店に入ってマスターに相談してみた。
「すみません。忘れられた街道を走り古代霊廟に行きたいのですが案内してくれる人はいますか?」
「ん、古代霊廟?」
「はい。森を抜けられなくて困ってます」
「ああ、あの森か。残念ながら2人いる看過スキルもちのスカウトは出払ってるな」
「そうですか……」
「ちょっと待ってろ、確認してやる」
強面のマスターは見かけによらず良い人のようだ。
「おい! この中に看過スキル持ちで古代霊廟に行けるやつはいねえか!!」
うわ、声が大きくてびっくりしたよ……。
「私でよければついてくよ。案内料はいくらなのさ?」
「案内役が現れたぜ。交渉はお前たちでやりな。もめたときは俺に言ってこい仲裁してやる」
「有難うございます。マスターさん」
名乗りを上げた少女は私とそう変わらない年齢だった。ショートカットの髪に身動きのしやすそうな探検衣装を着ている。組合員かもしれない。
そういえば交渉などやったことがない。
こまった。
「あの、はじめまして、カーラと申します。案内料の相場がわからないのですが」
「そうだね、お貴族様っぽいから吹っ掛けたいところだけどマスターいるからね」
「おい、あんまり吹っ掛けるなよ。揉め事はごめんだぜ」
「ああ、わかってるさ」
少女は考えている。
「一般的なのは霊廟の宝箱の優先権かな? 一品でいいので優先的に選ばせてよ」
「なんだかよくわからないけど、それで手をうつわ」
「よろしくね。私はフレイア、出発するときに呼んでよ」
「私はいつからでもいいので」
「じゃあ、一刻後にここで待ち合わせということで、じゃあね」
「はい、お願いします」
少女は足早に店を出た。それを見送ったあとでマスターが話し出す。
「嬢ちゃん、取引内容としては妥当だぜ」
「ありがとうございました。助かりました」
私は適当に飲み物を買って店を出た。いい人でよかった。
待ち合わせ場所でフレイアと合流して私たちは古代霊廟を目指すことになった。森までの道中は特に問題なく進み、目前に森が迫ってきた。
「フレイアさん、このまま突っ込んでいいの?」
「うん!そのまま入っちゃって。それから、名前は呼び捨てでいいよ」
「はい」
森に入ってすぐフレイアは荷車から降りて走り出した。
「ここだね。ちょっとそこで待っててくれない」
「何かあるのかしら?」
「隠し通路。まあ、ここでは道だけど」
見ていると森や下草がフレイアを避けるように移動する。そこには密林に続く道が現れた。
驚くほど幻想的なスキルだ。
「時々立ち止まるから、スピードは遅めでお願い」
「はいっ!」
スキリアが元気に返事する。
そのあとは順調に森の中を進み、たまに看過スキルを使って隠し通路を探していた。魔獣を見かけることはあったけど、なぜか近づいてこなかった。
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