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第1章 青年と少年
青年と少年 9
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まぁ、実際は真面目な捜索などする訳もなく、町の人に合わせて色々なところを見て回っていた。
昨日見た彼の工房と同様に、魔術の後はくっきりと残されていて、またもや罠の匂いを放っていた。余りにも酷すぎるので、笑うしかないのではと思えてくる。
「先生、やっぱり強行突破っすよね」
「やはりそれしか無いか……。気乗りはしないが、仕方が無いな。確かに、滞在を一週間で設定していたから、そろそろ動かないと不味い。昨日言った通りに、明日動くことにしよう」
「ですよね。わー!楽しみだなぁ」
誰を罠に嵌めようとしているのだろうか、普通に考えれば僕達だが、あくまでも僕達は研究所に所属する存在。
しかも、今回は秘密裏に依頼された仕事であって、外部に漏れているはずがないのだ。
この近隣の魔術師は殆どいないから、間違いなく僕らが目当てなのに、そうとも言いきれない歯痒さがある。
「先生、クライスト、何を考えているんすかね」
「まぁ、だいたい察しはつくが……。それよりもセオ、気をつけてくれ。彼女が攫われたということは、観光客も狙われるということだ。警戒を怠れば、おそらく即座に捕まるぞ」
「そっすね。気をつけるっす。……先生は、ないっすね。見た目的に。僕と十歳しか変わらないのになんでそんな眉間にシワが」
「お前らのせいだよこの阿呆!俺はこの前、医者に胃薬の飲みすぎでそろそろ胃がぶっ壊れるから魔術治療に切り替えろなんて言われたんだぞ」
「すんません!」
先生に苦労をかけているのは確かなので、ここは素直に謝っておくに限る。
能天気に笑えば、先生は隠す気もなく溜め息を吐いた。……今度、何か贈るなり何なり、とにかくお礼をしなくてはならないなと、本気で考えることにしよう。
流石に、申し訳ない気持ちになってきた。
昨日見た彼の工房と同様に、魔術の後はくっきりと残されていて、またもや罠の匂いを放っていた。余りにも酷すぎるので、笑うしかないのではと思えてくる。
「先生、やっぱり強行突破っすよね」
「やはりそれしか無いか……。気乗りはしないが、仕方が無いな。確かに、滞在を一週間で設定していたから、そろそろ動かないと不味い。昨日言った通りに、明日動くことにしよう」
「ですよね。わー!楽しみだなぁ」
誰を罠に嵌めようとしているのだろうか、普通に考えれば僕達だが、あくまでも僕達は研究所に所属する存在。
しかも、今回は秘密裏に依頼された仕事であって、外部に漏れているはずがないのだ。
この近隣の魔術師は殆どいないから、間違いなく僕らが目当てなのに、そうとも言いきれない歯痒さがある。
「先生、クライスト、何を考えているんすかね」
「まぁ、だいたい察しはつくが……。それよりもセオ、気をつけてくれ。彼女が攫われたということは、観光客も狙われるということだ。警戒を怠れば、おそらく即座に捕まるぞ」
「そっすね。気をつけるっす。……先生は、ないっすね。見た目的に。僕と十歳しか変わらないのになんでそんな眉間にシワが」
「お前らのせいだよこの阿呆!俺はこの前、医者に胃薬の飲みすぎでそろそろ胃がぶっ壊れるから魔術治療に切り替えろなんて言われたんだぞ」
「すんません!」
先生に苦労をかけているのは確かなので、ここは素直に謝っておくに限る。
能天気に笑えば、先生は隠す気もなく溜め息を吐いた。……今度、何か贈るなり何なり、とにかくお礼をしなくてはならないなと、本気で考えることにしよう。
流石に、申し訳ない気持ちになってきた。
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