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第2章 少年と友人
少年と友人 13
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「本当に安心したんだよ。どんな事をしていたか、想像してなかったからさ。まさか、教授連中に魔術でもかけてたらまずいなって。まぁ、ウィルにしろアレッサンドロさんにしろ頭は良かったからね。ぶっ飛んではいたけれど常識はあったみたいだから」
惨状的にはかなりマシだったらしい。アレッサンドロさんがその試験で見せた魔術は何だっただろうか。とんでもないものだったのは確かだけれども。そんなに被害が広がりそうなものでも無かったと思う。
……話に夢中で訊いて無かったけれど、今とは違う点が前の話で一つあった。
「あの、一ついいですか?」
「ああ、勿論だとも。何か気が付いた様だけれど」
「あの……昔って、時間停止及び加速に関する魔術はそこまで難易度が高いものだったんですか?確かに今でも長時間の使用は身体への影響を考えると不可能に近いですが、ちょっと逃げるくらいなら寧ろ便利だったのでは」
そう僕が言えば、スタッフォードさんは嬉しそうに微笑んだ。どうやらあっていたらしい。
と、言うことはだ。アレッサンドロさんがこの昇格試験で披露し、一躍天才魔術師の名を世に知らしめた理由となった魔術は……
「そう、時間操作の魔術さ。そりゃあもう画期的な術式でね。試験監督の教授連中の方が建物でも壊してしまいそうな勢いだったよ。面白いだろう?例えば、呪術科のグレゴワール教授なんて驚きのあまりに第2ホールのステンドガラスを粉々にしかけたという噂だからね」
粉々にされなくて良かった!此処は内情を一般には知られていない(知られてはいけない)学校、及び研究機関なので、工事の業者を入れるのも一苦労なのだ。何度それでウィル先生に怒鳴られたか最早もう憶えていない。まぁ、その場合はグレゴワール教授の責任だから何の問題もないのかもしれないけれど。
「本当に画期的だったんだよ。僕も本当に驚いた。だって、今までそんな事できるとも思ってもいなかったんだからね。その計画を入学前から立てていたっていうんだからさらに驚きだよ。二人でずっと考えていたんだってさ」
何となく、想像できるかもしれない。ウィル先生は度々研究室で寝泊まりする。それは大方僕達の課題が提出された日だったりするのだけれど、時々研究の為ということもある。その時はラピスちゃんしか自由な出入りは許されないから、細かい事は知らないけれどその当時はずっとそんな様な生活を続けていたに違いない。
先生は時々自分の健康やらを気にしないところがあるから。
「その時知ったのは、ウィルの目元にいつもの様にあった隈の原因かな?そんな事やってたんだなって。あと、ちょっと勇気づけられた」
「勇気、ですか」
「うん。勇気。だって、僕らでも何かを成せるって教えてくれたんだからね。何せ、当時の僕は割と卑屈だったから」
さて、話を戻そうか。と、スタッフォードさんはそれはそれは楽しそうに微笑んだ。
惨状的にはかなりマシだったらしい。アレッサンドロさんがその試験で見せた魔術は何だっただろうか。とんでもないものだったのは確かだけれども。そんなに被害が広がりそうなものでも無かったと思う。
……話に夢中で訊いて無かったけれど、今とは違う点が前の話で一つあった。
「あの、一ついいですか?」
「ああ、勿論だとも。何か気が付いた様だけれど」
「あの……昔って、時間停止及び加速に関する魔術はそこまで難易度が高いものだったんですか?確かに今でも長時間の使用は身体への影響を考えると不可能に近いですが、ちょっと逃げるくらいなら寧ろ便利だったのでは」
そう僕が言えば、スタッフォードさんは嬉しそうに微笑んだ。どうやらあっていたらしい。
と、言うことはだ。アレッサンドロさんがこの昇格試験で披露し、一躍天才魔術師の名を世に知らしめた理由となった魔術は……
「そう、時間操作の魔術さ。そりゃあもう画期的な術式でね。試験監督の教授連中の方が建物でも壊してしまいそうな勢いだったよ。面白いだろう?例えば、呪術科のグレゴワール教授なんて驚きのあまりに第2ホールのステンドガラスを粉々にしかけたという噂だからね」
粉々にされなくて良かった!此処は内情を一般には知られていない(知られてはいけない)学校、及び研究機関なので、工事の業者を入れるのも一苦労なのだ。何度それでウィル先生に怒鳴られたか最早もう憶えていない。まぁ、その場合はグレゴワール教授の責任だから何の問題もないのかもしれないけれど。
「本当に画期的だったんだよ。僕も本当に驚いた。だって、今までそんな事できるとも思ってもいなかったんだからね。その計画を入学前から立てていたっていうんだからさらに驚きだよ。二人でずっと考えていたんだってさ」
何となく、想像できるかもしれない。ウィル先生は度々研究室で寝泊まりする。それは大方僕達の課題が提出された日だったりするのだけれど、時々研究の為ということもある。その時はラピスちゃんしか自由な出入りは許されないから、細かい事は知らないけれどその当時はずっとそんな様な生活を続けていたに違いない。
先生は時々自分の健康やらを気にしないところがあるから。
「その時知ったのは、ウィルの目元にいつもの様にあった隈の原因かな?そんな事やってたんだなって。あと、ちょっと勇気づけられた」
「勇気、ですか」
「うん。勇気。だって、僕らでも何かを成せるって教えてくれたんだからね。何せ、当時の僕は割と卑屈だったから」
さて、話を戻そうか。と、スタッフォードさんはそれはそれは楽しそうに微笑んだ。
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