魔術師達と彼方

本和 奏

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第2章 少年と友人

少年と友人 15

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 きっと、あれこそが魔法だった。たった十数年しか生きていない自分でも、それを理解するほどには素晴らしい時間だった。不可能を可能にするのが魔法だ。なら、これは間違いなく魔法だったに違いない。
 「やったぞ、ウィルフレッド!お前の目論見通りだ。今日は取り敢えず食事を豪華にしよう」
「お前が作るの?ボクが作るの?それとも惣菜でも買って帰るか」
「俺が作ろう。とは言っても、残念ながらこちらの料理は余りよく分かっていないから地元の料理イタリアンにさせてくれ」
 静寂を終わらせたのもこの二人だったが、始めたのは今晩の夕飯の話とはどういうつもりだろう。幸せそうだし、まあこれでいいのかもしれなけれど。
 第一冠の魔術師が誕生しただなんて、今日から一年はこの話題で持ちきりに違いない。この二人は無事に家にたどり着けるのだろうか。いや、うまく人の波をかいくぐって行きそうな気はするけれども。
「あ、ローラン!お前も来る?時間とか都合さえ良ければアレクがご馳走するけど」
 突然話を振られたので反応に遅れた。確かに今日は特に用事はなかった。家に連絡さえ入れれば問題は無いだろう。
 でも、家族で祝わなくていいのだろうか。ずっと二人でがんばってきていたんだろう。だったら、家族で祝いたいものでは無いのだろうか。
「祝い事はとにかく盛り上がるのが重要だろ。とは言え、アレクの友達を今から呼ぶのは時間的に厳しいしさ。だから」
 是非来て欲しいな。なんて、ウィルに言われてしまったら断ることは出来ないだろう!
「まぁ、アイツらが来たら招くだけだしな。あの魔女は来る気がするんだが……」
「ああ、リリーさんか。彼女ったら大食漢だもんなぁ。かなりの量を用意しなきゃ食べ尽くされそうな気がするけど」
 張り切らないとな、とアレッサンドロさんは笑っていた。混ぜてもられたことが嬉しかった。友達の家でのパーティに参加するなんて、人生で体験することは出来ないと悲観していた時期もあったというのに。
「ありがとうございます。僕もなにかお手伝いしましょうか?」
「んー。じゃあ、食材を買うのを手伝ってよ。沢山買うと思うから、荷物を持つのを手伝って欲しいかな」
 友達との買い物も初めてだ。今日は色々と体験した日だ。何らかの記念にしてもいいかもしれない。
 ウィルといると楽しい。今まで体験したことのない、未知のものを教えてくれる。友達ってこういうものなのだろうか。周りのことはよく分からないけれど、僕らの関係はきっとこれで正解なのだろう。
「さて、混乱に便乗してここを出よう。大丈夫。案外紛れることは出来るものだよ」
 ウィルの顔は悪戯を思いついた子供のようで凄く楽しそうだった。
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