魔術師達と彼方

本和 奏

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第2章 少年と友人

少年と友人 16(完)

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 「何を話しているんだ。ローラン」
 後ろを振り向けば、眉間にシワを寄せたいつも通りのウィル先生がいた。後ろにはほんの少し焦っているような顔をしたラピスちゃんがいる。ローランさんは面白そうにくつくつと笑っていた。
「いや、ウィルが昔どうだったのか聞かれたから、ちょっとね。嗚呼。大事なところは言ってないよ、大丈夫」
「そうか。……ほら、セオ。もう時間も遅い。使用人の皆様方に迷惑をかけるのは止めたまえ。早く帰るように」
 てっきり、先生が来たら話の重要な部分が聴けるのだと思っていたから少し驚いてしまった。そもそもウィル先生に相談してから話していることでもないので当然といえば当然の話ではあるのだけれど。
「はーい。あれ、ラピスちゃんは帰らないんですか?」
 いくら内弟子とはいえ彼女も生徒の一人である。そりゃあその辺のガラの悪い奴らだったり変態だったりするような人達よりも数十倍強いのは身に染みて分かっているのだが、まだ若い、ハイスクールぐらいの女の子が暗い道を歩くのはあまりにも不自然だから早く帰った方が良いのではないかと思ったのだけれど。
「ええ。そろそろ帰りますよ。師匠を送ってからですが」
 完全にウィル先生の護衛じゃないか。そう思ったが、口には出さなかった。案外、内弟子という立場にはそう言った意味も含まれている可能性が捨てきれないからだ。
「よし。じゃあお開きにしようか。また会おうね、セオフィラス君」
 一足先にスタッフォードさんは部屋を出ていった。ウィル先生曰く、彼も忙しい身なのだとか。明日も仕事だとの話だ。明日は土曜日だから、休みの人も多そうなものだけれど。
「寄り道せず、執事さんに連絡するんだぞ。校門まで来てくれるんだろう?」
「あっ。はい、そうですね。ここ出たら電話しますよ」
 ウィル先生と連れ立って歩くのは一週間ぶりだ。隣を歩くウィル先生の背は中々高い。イギリス人はいうほど平均身長が高い地域では無いので(身長が高いのはオランダ辺だ。というか北欧にしろドイツにしろあの辺はとにかく大きい)子供の頃から高い方だったのだろうか。そのへんを聞くのを忘れてしまったなと、今更少しだけ後悔する。
 「さて、俺はここから帰るから、別れるが。いくらここが俺の学部の敷地内だからって油断はするな。周囲に気を張っておけ」
「了解です!では先生、また月曜日に」
「月曜日だな。……先の話は、準備が整えば話すから。それまで待っていたまえ」
 「……えっ?」
 いきなりの言葉に驚いて固まってしまった僕をそのままに、ウィル先生はラピスちゃんと共に学校の門を潜って行った。
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