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extra セリカ ー王太子夫妻観察日記ー ⑥
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幸せな結婚を夢見つつ、毎日が楽しくて楽しくてしょうがない花の年頃のセリカ16歳です。
ちなみに、もうすぐ17歳になります。
花のセブンティーンです。
念願かなって、私は今回のアクアラング国への訪問に随行することができたのですっ!!
フィーリアス様に泣いてお願いした甲斐がありました。
エステラ様もマノン様も、随行者が私に選ばれたのを一緒に喜んでくださりました。本当に素敵なお二人です。
行きの馬車では、フィーリアス様とアクアラング国の美容品やら何やらの話で盛り上がりました。楽しみにしているフィーリアス様の様子を見て、ジルヴェール様もにこにこと楽しんでいらっしゃいました。
初めて外国の地に赴く私も、侍女としての立場があるにも関わらずかなりはしゃいでしまっております。
……仕方がありませんよね。女子なら誰しも憧れるアクアラング国ですからっ……
アクアラング国のメーア陛下は、それはそれはお美しい人でした。ただ、非常にエロい…じゃなく、爆乳…じゃなく、豊満な体つきを強調したドレスを着ていらっしゃって、女の私でも目のやり場に少々困る感じでありました。
そのまま、フィーリアス様は別の所へ案内され、侍女である私も懇親会の準備ということで軽くマッサージを受けました。
これがアクアラング式のマッサージなのですね……流石すぎます……
私はマッサージを受けながら、色々とその手法や効果について思いを馳せます。マッサージはやはり、まずは自分で体験するのが1番です。
その後、アクアラング国の民族衣装に身を包んだのですが、軽くて涼しくてかなり楽でした。フィーリアス様も同じような衣装を身に纏っておられるのを想像しワクワクしました。
途中合流したラクス様と一緒に、会場へ案内されます。
「ジルヴェール様とご一緒ではなかったのですか?」
「あぁ。私も別室に案内されもてなしを受けて、こうした衣装に着替えさせられたのだ」
ラクス様も非常に端正なお顔をされておりますし、その片腕から覗く逞しい二の腕が素敵です。
ジルヴェール様も恐らく同じような衣装でしょうから、これは本当随行できて良かったです。
暫く待っていると、フィーリアス様とジルヴェール様のお二人が登場されました。
っですがっ!! その衣装がっ!!!!
……まさか、あのように布地の巻き方を変えるだけであそこまで衣装の雰囲気が変わるなんて……
アクアラング国の底力を見せつけられた思いです。
とにかく眼福すぎるお二人の姿に、気が付けばついつい拝んでおりました。
隣のラクス様に若干ギョッとした顔をされました。ですが、とにかく今はお二人の姿を隅々まで記憶に留めておかねばいけませんっ!
その懇親会後、何故かフィーリアス様とジルヴェール様の行方が分からなくなりました。
アクアラング国の方に聞いても、何も教えてくれません。
私の侍女としての仕事は……
翌朝ラクス様の元へ訪れた私は、ラクス様も同じような状況であることを知りました。
焦った様子のラクス様は、何とメーア陛下に直接お伺いすると仰られ、謁見の申し込みをされたのです。
「あのっ! ジルヴェール様とフィーリアス様はどうされているのでしょうか?」
謁見がすぐに許されたラクス様は、女王であるメーア陛下に挨拶もそこそこに問い詰めておられます。
主人を思う忠義心が熱くて胸がドキドキします。
ジルヴェール様の身を案じて必死になられるラクス様……尊い、尊いです……
「あぁ。心配するな。2人とも妾のもてなしでゆっくりしておる。ソルム国では大変だったようだからな。妾からの労いだ」
私はソルム国で色々とあった詳細を知りませんが、ラクス様は少し納得されつつも詳細を知ってそうな口ぶりのメーア陛下に怪訝そうにされております。
「この間フラム陛下が来られたのだ。妾はそこで色々と聞いておる」
ラクス様は納得されたようですが、なんとなく遠い目をされております。
……フラム陛下って、イグニス国の陛下ですよね? でもソルム国??
まぁ、一介の侍女である私が余計な詮索をしてはいけません。
「セリカとか言ったな」
急にメーア陛下自身に直接声をかけられて、私は恐縮してしまいました。
「あぁ。そのように固くならなくても良い。其方、マッサージを得意としているのだろう? どうだ、アクアラングの技術を学びたくないか?」
「ーーー学ばせていただけるのですかっ!?」
私は考えられない程の申し出に、ついつい女王陛下相手に直接口を聞いてしまいました。
「あぁ。ここで学び、その腕をフィーリアスの為に使ってやれ」
なんとありがたいお言葉でしょうっ!!
神様っ! メーア陛下様っ!! ありがとうございますーーーーっ!!!!
私はついつい踊り出したくなる自分を、必死に抑えました。やはり泣いて訴えて随行者に加えていただいた甲斐がありました。
「ラクス。其方もここで学べ」
「……ですが、私は男ですが……」
「妾の専属は男のマッサージ師だぞ」
なんとっ! アクアラング国では男性のマッサージ師がいるのですね。確かに力の強い男性の方が向いている部分もあります。
「それに、ジルヴェールは女に触れられるのを嫌がっててな。其方しかジルヴェールのマッサージをする者はいないだろう」
ジルヴェール様って、女性嫌いでしたっけ? 私ははて、と考え込みました。
ラクス様は、何かを察したような、切ない顔をされていらっしゃいました。
……まぁ、所詮一介の侍女ですから、これ以上詮索するのは止めましょう。
とにかく、ジルヴェール様には無闇に近づかないようにする、と心にメモしておきます。
何かあってからでは遅いですからね。
ん?
待ってください。
……ラクス様がジルヴェール様のマッサージをするんですか!!!?????
それって!
それってそれって!!!!!!!
もう、尊すぎではないですかーーーーーーーーー!!!!!!!
絶対に、これは絶対に。この事をマノン様が知ったら、そのまま気を失われるでしょう!!!
それぐらいすごいインパクトですっ!!
もはや尊いというか、それを超えているというかっ!!!!
あぁ、エステラ様とマノン様にすぐさま報告したいです……っ!!!!!!
私は、本当に本当にこの旅に随行して、心の底から良かったと感激しました。
それから、私のスパルタマッサージレッスンが開始されました。
アクアラング国の技術はとても優れたものばかりでした。また、美容品もウェントゥス国ではないものが多くて、私は本当に勉強になりました。
こうして、あっという間の3日間のレッスンは終わって、私は何とかその技術を習得することができたのです。
そして、久々にフィーリアス様とジルヴェール様にお会いすることができたのです。
お二人ともお元気そうで、私は少しほっとしました。
帰りの馬車の中では、フィーリアス様とジルヴェール様とラクス様と私で、アクアラング国での話題で盛り上がりました。
フィーリアス様とジルヴェール様がどうお過ごしになられたか、詳しいことはお伺いしていないのですが、とても楽しかったようです。フィーリアス様の表情がより輝いておられ、更にお美しくなられたようです。
「そういえば、セリカはどう過ごしていたの?」
「はい。私は、メーア陛下のご好意で、アクアラング国式マッサージのレッスンを受けておりました」
「えっ!! セリカ、それ仕事の延長じゃない!? せっかくの訪問なのにそんなずっと勉強なんて……偉いねセリカ……」
何故かフィーリアス様が悲痛そうなお顔をされています。
「いえ、私はフィーリアス様にもっと喜んでいただきたいですから」
「……セリカっ! ありがとう!!」
フィーリアス様がにっこり笑ってくれます。その笑顔だけで私は十分満足なのです。
「僕もマッサージマスターしたから、これからフィーにいつでもできるよ」
にっこり笑いながら、とんでもない爆弾をジルヴェール様が落とされました。
……またしてもジルヴェール様が私の貴重な仕事を~……
「あぁ、でもセリカもマッサージをマスターしてくれたようで助かったよ。これからもよろしくね」
ニコニコとジルヴェール様が仰ってくれたので、私の心は喜びでいっぱいになりました。
良かったっ! ジルヴェール様からお墨付きを頂いたので、私の仕事は当分安泰のようです!
「ジルヴェール様、私も実はマッサージレッスンを受けていまして、ジルヴェール様へのマッサージは私ができますよ」
「え、ラクスそんなことしてたの?」
ジルヴェール様は予想外だったのか、少し驚かれているようでした。
「ラクス様がジルにできるなら、良かったね。ジルは、男性じゃないとダメだもんね」
「……フィー……その言い方はちょっと……」
「……フィーリアス様……」
フィーリアス様の天然爆弾発言に、ジルヴェール様とラクス様のお2人は顔を少し引き攣らせております。
相変わらずの純粋無垢さが、可愛いらしいですフィーリアス様っ!!
「…じゃあ、ラクスにも僕がするよ。あのほぐしは鍛錬の後とかにすると、すごく筋肉にいいだろうし」
「うわ~、いいねいいね、仲良しだね」
フィーリアス様はにこにこと喜んでおられます。そのフィーリアス様が非常に愛らしいです。
「いえ、ジルヴェール様にそのような……!」
「ラクスは小さい頃からずっと仕えてくれる侍従だけど、僕にとって昔からずっと一緒にいる、家族であり仲間であり友達でもあるからね」
「……ありがとうございます、ジルヴェール様」
……本当に、尊いです……尊いしかありません……
にこにこと、フィーリアス様はそのお2人の様子を見ていらっしゃいます。
「仲良しっていいね、セリカ」
フィーリアス様が私の耳元に、大事な宝物を分け合うかのような眼差しで囁かれました。
……私がいる場所で、このようなプライベートなお話をしてくださるということは、ジルヴェール様はかなり私にも気を許してくださっていると言う事です。
それに、フィーリアス様もまるで私を仲の良い友人であるかのように接してくださいます。
このような場所に一緒にいられるとは、本当に私はなんて幸せなのでしょうか。
そして、こうした素敵な方々の一員に、私のようなものも入れてくださる……
本当に、素敵な縁で素敵な方々にお仕えすることができて、心から嬉しく思いました。
改めて、心底この王太子夫妻にお仕えしよう、と私は決心したのでした。
帰りに少し寄り道して、生まれて初めてアクアリュームなるものにも行くことができました。
本当に、こんなに幸せでいいのでしょうか……
ーーーもうすぐ17歳になる私ですが、こんな素晴らしい職場で働けることができて、毎日が楽しくて楽しくてしょうがありません。
ちなみに、もうすぐ17歳になります。
花のセブンティーンです。
念願かなって、私は今回のアクアラング国への訪問に随行することができたのですっ!!
フィーリアス様に泣いてお願いした甲斐がありました。
エステラ様もマノン様も、随行者が私に選ばれたのを一緒に喜んでくださりました。本当に素敵なお二人です。
行きの馬車では、フィーリアス様とアクアラング国の美容品やら何やらの話で盛り上がりました。楽しみにしているフィーリアス様の様子を見て、ジルヴェール様もにこにこと楽しんでいらっしゃいました。
初めて外国の地に赴く私も、侍女としての立場があるにも関わらずかなりはしゃいでしまっております。
……仕方がありませんよね。女子なら誰しも憧れるアクアラング国ですからっ……
アクアラング国のメーア陛下は、それはそれはお美しい人でした。ただ、非常にエロい…じゃなく、爆乳…じゃなく、豊満な体つきを強調したドレスを着ていらっしゃって、女の私でも目のやり場に少々困る感じでありました。
そのまま、フィーリアス様は別の所へ案内され、侍女である私も懇親会の準備ということで軽くマッサージを受けました。
これがアクアラング式のマッサージなのですね……流石すぎます……
私はマッサージを受けながら、色々とその手法や効果について思いを馳せます。マッサージはやはり、まずは自分で体験するのが1番です。
その後、アクアラング国の民族衣装に身を包んだのですが、軽くて涼しくてかなり楽でした。フィーリアス様も同じような衣装を身に纏っておられるのを想像しワクワクしました。
途中合流したラクス様と一緒に、会場へ案内されます。
「ジルヴェール様とご一緒ではなかったのですか?」
「あぁ。私も別室に案内されもてなしを受けて、こうした衣装に着替えさせられたのだ」
ラクス様も非常に端正なお顔をされておりますし、その片腕から覗く逞しい二の腕が素敵です。
ジルヴェール様も恐らく同じような衣装でしょうから、これは本当随行できて良かったです。
暫く待っていると、フィーリアス様とジルヴェール様のお二人が登場されました。
っですがっ!! その衣装がっ!!!!
……まさか、あのように布地の巻き方を変えるだけであそこまで衣装の雰囲気が変わるなんて……
アクアラング国の底力を見せつけられた思いです。
とにかく眼福すぎるお二人の姿に、気が付けばついつい拝んでおりました。
隣のラクス様に若干ギョッとした顔をされました。ですが、とにかく今はお二人の姿を隅々まで記憶に留めておかねばいけませんっ!
その懇親会後、何故かフィーリアス様とジルヴェール様の行方が分からなくなりました。
アクアラング国の方に聞いても、何も教えてくれません。
私の侍女としての仕事は……
翌朝ラクス様の元へ訪れた私は、ラクス様も同じような状況であることを知りました。
焦った様子のラクス様は、何とメーア陛下に直接お伺いすると仰られ、謁見の申し込みをされたのです。
「あのっ! ジルヴェール様とフィーリアス様はどうされているのでしょうか?」
謁見がすぐに許されたラクス様は、女王であるメーア陛下に挨拶もそこそこに問い詰めておられます。
主人を思う忠義心が熱くて胸がドキドキします。
ジルヴェール様の身を案じて必死になられるラクス様……尊い、尊いです……
「あぁ。心配するな。2人とも妾のもてなしでゆっくりしておる。ソルム国では大変だったようだからな。妾からの労いだ」
私はソルム国で色々とあった詳細を知りませんが、ラクス様は少し納得されつつも詳細を知ってそうな口ぶりのメーア陛下に怪訝そうにされております。
「この間フラム陛下が来られたのだ。妾はそこで色々と聞いておる」
ラクス様は納得されたようですが、なんとなく遠い目をされております。
……フラム陛下って、イグニス国の陛下ですよね? でもソルム国??
まぁ、一介の侍女である私が余計な詮索をしてはいけません。
「セリカとか言ったな」
急にメーア陛下自身に直接声をかけられて、私は恐縮してしまいました。
「あぁ。そのように固くならなくても良い。其方、マッサージを得意としているのだろう? どうだ、アクアラングの技術を学びたくないか?」
「ーーー学ばせていただけるのですかっ!?」
私は考えられない程の申し出に、ついつい女王陛下相手に直接口を聞いてしまいました。
「あぁ。ここで学び、その腕をフィーリアスの為に使ってやれ」
なんとありがたいお言葉でしょうっ!!
神様っ! メーア陛下様っ!! ありがとうございますーーーーっ!!!!
私はついつい踊り出したくなる自分を、必死に抑えました。やはり泣いて訴えて随行者に加えていただいた甲斐がありました。
「ラクス。其方もここで学べ」
「……ですが、私は男ですが……」
「妾の専属は男のマッサージ師だぞ」
なんとっ! アクアラング国では男性のマッサージ師がいるのですね。確かに力の強い男性の方が向いている部分もあります。
「それに、ジルヴェールは女に触れられるのを嫌がっててな。其方しかジルヴェールのマッサージをする者はいないだろう」
ジルヴェール様って、女性嫌いでしたっけ? 私ははて、と考え込みました。
ラクス様は、何かを察したような、切ない顔をされていらっしゃいました。
……まぁ、所詮一介の侍女ですから、これ以上詮索するのは止めましょう。
とにかく、ジルヴェール様には無闇に近づかないようにする、と心にメモしておきます。
何かあってからでは遅いですからね。
ん?
待ってください。
……ラクス様がジルヴェール様のマッサージをするんですか!!!?????
それって!
それってそれって!!!!!!!
もう、尊すぎではないですかーーーーーーーーー!!!!!!!
絶対に、これは絶対に。この事をマノン様が知ったら、そのまま気を失われるでしょう!!!
それぐらいすごいインパクトですっ!!
もはや尊いというか、それを超えているというかっ!!!!
あぁ、エステラ様とマノン様にすぐさま報告したいです……っ!!!!!!
私は、本当に本当にこの旅に随行して、心の底から良かったと感激しました。
それから、私のスパルタマッサージレッスンが開始されました。
アクアラング国の技術はとても優れたものばかりでした。また、美容品もウェントゥス国ではないものが多くて、私は本当に勉強になりました。
こうして、あっという間の3日間のレッスンは終わって、私は何とかその技術を習得することができたのです。
そして、久々にフィーリアス様とジルヴェール様にお会いすることができたのです。
お二人ともお元気そうで、私は少しほっとしました。
帰りの馬車の中では、フィーリアス様とジルヴェール様とラクス様と私で、アクアラング国での話題で盛り上がりました。
フィーリアス様とジルヴェール様がどうお過ごしになられたか、詳しいことはお伺いしていないのですが、とても楽しかったようです。フィーリアス様の表情がより輝いておられ、更にお美しくなられたようです。
「そういえば、セリカはどう過ごしていたの?」
「はい。私は、メーア陛下のご好意で、アクアラング国式マッサージのレッスンを受けておりました」
「えっ!! セリカ、それ仕事の延長じゃない!? せっかくの訪問なのにそんなずっと勉強なんて……偉いねセリカ……」
何故かフィーリアス様が悲痛そうなお顔をされています。
「いえ、私はフィーリアス様にもっと喜んでいただきたいですから」
「……セリカっ! ありがとう!!」
フィーリアス様がにっこり笑ってくれます。その笑顔だけで私は十分満足なのです。
「僕もマッサージマスターしたから、これからフィーにいつでもできるよ」
にっこり笑いながら、とんでもない爆弾をジルヴェール様が落とされました。
……またしてもジルヴェール様が私の貴重な仕事を~……
「あぁ、でもセリカもマッサージをマスターしてくれたようで助かったよ。これからもよろしくね」
ニコニコとジルヴェール様が仰ってくれたので、私の心は喜びでいっぱいになりました。
良かったっ! ジルヴェール様からお墨付きを頂いたので、私の仕事は当分安泰のようです!
「ジルヴェール様、私も実はマッサージレッスンを受けていまして、ジルヴェール様へのマッサージは私ができますよ」
「え、ラクスそんなことしてたの?」
ジルヴェール様は予想外だったのか、少し驚かれているようでした。
「ラクス様がジルにできるなら、良かったね。ジルは、男性じゃないとダメだもんね」
「……フィー……その言い方はちょっと……」
「……フィーリアス様……」
フィーリアス様の天然爆弾発言に、ジルヴェール様とラクス様のお2人は顔を少し引き攣らせております。
相変わらずの純粋無垢さが、可愛いらしいですフィーリアス様っ!!
「…じゃあ、ラクスにも僕がするよ。あのほぐしは鍛錬の後とかにすると、すごく筋肉にいいだろうし」
「うわ~、いいねいいね、仲良しだね」
フィーリアス様はにこにこと喜んでおられます。そのフィーリアス様が非常に愛らしいです。
「いえ、ジルヴェール様にそのような……!」
「ラクスは小さい頃からずっと仕えてくれる侍従だけど、僕にとって昔からずっと一緒にいる、家族であり仲間であり友達でもあるからね」
「……ありがとうございます、ジルヴェール様」
……本当に、尊いです……尊いしかありません……
にこにこと、フィーリアス様はそのお2人の様子を見ていらっしゃいます。
「仲良しっていいね、セリカ」
フィーリアス様が私の耳元に、大事な宝物を分け合うかのような眼差しで囁かれました。
……私がいる場所で、このようなプライベートなお話をしてくださるということは、ジルヴェール様はかなり私にも気を許してくださっていると言う事です。
それに、フィーリアス様もまるで私を仲の良い友人であるかのように接してくださいます。
このような場所に一緒にいられるとは、本当に私はなんて幸せなのでしょうか。
そして、こうした素敵な方々の一員に、私のようなものも入れてくださる……
本当に、素敵な縁で素敵な方々にお仕えすることができて、心から嬉しく思いました。
改めて、心底この王太子夫妻にお仕えしよう、と私は決心したのでした。
帰りに少し寄り道して、生まれて初めてアクアリュームなるものにも行くことができました。
本当に、こんなに幸せでいいのでしょうか……
ーーーもうすぐ17歳になる私ですが、こんな素晴らしい職場で働けることができて、毎日が楽しくて楽しくてしょうがありません。
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