転生したら石でした!

むねじゅ

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第14話 森と石

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そうこうして、セシルと森の中を歩きつづけた。
この世界には腕時計とか携帯電話などという概念がないため、時間経過には太陽の位置で判断するようだ。
少し太陽が傾きかけた頃

セシル 「少し暗くなってきたな、ずいぶん歩いたけどそろそろ寝床でもつくるか!」

俺は同意の意味を込めて光った。

セシル 「丁度いいところに岩陰があるな!そこで焚き火をしながら夜を明かそうぜ。」

俺はもといた世界では、家族でキャンプぐらいの知識しかない、セシルの戦士ならではの野営スキルがどんなものか楽しみだった。

セシル 「ここにこれをおいて、さっき集めた枯れ木を置いて・・・。」

セシルはテキパキと自分が休む準備をつづけている。そんなセシルを見て感心してしまい、おもわず光った。

セシル 「おっ!石も気に入ったか?あとで肉焼いてやるからな!あっおまえ食えないんだったな(笑)」

俺たちはそんな会話をしながら野営を楽しんだ。まぁ他人から見ればセシルの独り言に見えるかもしれないが、幸い誰もいない。

セシル 「あたい、いつも一人だからさ。話相手がいるってけっこういいもんだな!夜とかもよーたまに一人だと怖いこととかあるんだぜ。おまえに感謝だな。」

俺はセシルに一緒にいれてうれしいと言われている気がして、恥ずかしうれしかった。
それにセシルの事をもっと知りたいと思った、その気持ちが通じたのか

セシル
「まぁ、おいおいあたいの事はおまえには話していこうと思うんだ。きっとなんで戦士になったんだとか思ってると思うし。それはさ、自分の辛い過去のせいでもあるんだ。この間のアリシアとマリーの様にあたいの村にも盗賊がやってきてね。村が皆殺しにあったのさ、あたいはまだ小さくていつもかくれんぼで使うところに隠れたから村でたった一人生き残ってしまったのさ、あたいにも家族がいた両親に妹さ。悔しくてね。自分が何もできなかったこと、ひとりで隠れていたこととかさ。後悔いっぱいで泣いていたところに、村長が雇った戦士が皆殺しにあった後にやってきて、あたいを助けてくれたのさ。その戦士も申し訳なかったと思ったんだね。あたいの面倒を見てくれたんだ。物好きだよな・・・まぁあたいが泣きながら家族のかたきを取りたいってすがりついたから、不憫ふびんに思ったのかもしれないね。
その戦士のおかげで、今こうして女戦士ができるのよ!」

俺はもといた世界ではありえないような事がここでは日常茶飯事にちじょうさはんじだということをあらためて思い知らされた。
この世界は人間の命が軽いがゆえに、必死に一生懸命に生きることが大事なんだと骨身にみた。
俺は少し哀愁あいしゅうの意味を込めて光った。

セシル 
「だからかなー。アリシアとマリーが助かって本当によかったと思うし、妹が生きていたらこんな感じかなーって思っちまったよ。二人に早く帰ってくるとかいったけど、あたいが二人に会いたいのかもな(笑)」

俺も早く会いたいの意味を込めて光った。

セシル 「そうか!おまえも会いたいか!」

俺はセシルと意思の疎通そつうがスムーズにいくことがうれしかった。
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