転生したら石でした!

むねじゅ

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第32話 実験と石

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アレキサンド 「では早速さっそく、毒がないか試薬しやくを使って調べて見ましょう。これは簡単かんたんにわかりますよ。」

俺は数滴すうてきのヒヤッとする薬をかけられた。すると液体えきたいは何の変化へんかしめさなかった。

アレキサンド 「あー毒はないですねー。」

スピネル 「セシル、ようへいくんよかったのー。」

爺さんはうんうんとうなづいている。

セシル「よかったね!ようへい!毒ないってさ!」

俺は良かったの意味を込めて光った。

アレキサンド 「うわっ!光った!すみません。まだれてなくて光る石は何度なんども見た事があるのですが、自分の意思いしで光るというのは初めてで・・・こうやってやり取りをしているんですねぇ。本当にすごいなー。」

息子さんは光っている俺をかかげてうらがどうなっているのかを見ていた。

アレキサンド 「なにか仕掛しかけなどないかな?と思いまして・・・」

息子さんは俺に付いた薬品やくひんぬのぬぐいながら、つぎの性質せいしつを調べる機械きかいの前に来た。

アレキサンド 「ようへいさんしばらくこのはこの中に入ってもらいます。少し時間がかかるのですが、10分ほど我慢がまんしてもらえますか?」

俺はYESの意味を込めて光った。
息子さんはやさしく笑っていた、俺とのコミュニケーションに慣れてきたようだ。
しかし、セシルは俺がよくわからない箱に入れられるのを見て心配そうにのぞんでいる。
セシルにも大丈夫の意味を込めて光った。
セシルはその合図あいずがわかったのか安心した顔になった。

アレキサンド 「ようへいさんふためますね。リラックスしてくだい。」

そして、蓋を閉められた。なんだか薄暗うすぐらい中にいる。俺は元の世界での身体検査しんたいけんさを思い出した。CTスキャンだったけなー?つつのような機械に入れられ体の輪切わぎ状写真じょうしゃしんる機械だ。今もたぶんそんなような機械に入れられたような気がする。音もなんだか似ているような気がするし。
なんだかんだ考えていると意外いがいと早く10分はぎて行った。

アレキサンド 「はい!もういいですよー!開けますね!」

俺は機械の中から取り出され、セシルにわたされた。セシルは胸の谷間に俺をぐいっと入れて微笑ほほえんでいる。こんな少しの間はなれただけなのにさみしかったのかな?と思ってしまった。俺の自意識過剰じいしきかじょうかもしれないが・・・

息子さんは写真のようなものを見ながらうなっている。あーやっぱり!俺が病院で見たのと似てるー!この世界にも同じような機械があるんだ!と感動していた。
写真は俺が輪切りになった写真だった。
爺さんと二人であーだこーだと議論ぎろんをしている。俺とセシルにはちんぷんかんぷんだった。

アレキサンド 「そうですねー。中に空洞くうどうもありませんし、たぶん同じ性質のものでできています。そして、成分せいぶん結果けっかですが私が調べたことのあるどの石ともちがいます。それは父上も同じ意見いけんのようですね。」

スピネル 「そうじゃのー。わしもわからんなー。すまんのー。アレキサンドなら最新さいしん技術ぎじゅつ情報じょうほうを持っているから、もしかしたらわかるかもと思ったんじゃがのー。」

アレキサンド 「父上もうわけありません。まだまだ未熟みじゅくだという証拠しょうこですね・・・」

セシル 「がっかりしないで、だって。ようへいは世界一めずしくて素晴すばらしい石なんだから!だれにもわからないかもしれないしさ!」

アレキサンド 「セシルさんの言うとおりかもしれません。唯一無二ゆいつむになのかもしれないですね・・・」

爺さんもうなっている。研究所でわからないとなると、このなぞくのは不可能ふかのうに近いのかもしれない・・・

スピネル 「そうじゃ!あれじゃ!禁忌きんきの書じゃ!あの書物しょもつになら、今まで見た事のない石などのことなども書いてあるかもしらん、わしもかりしころぬすんだことがあるのじゃが、内容ないようわすれてしもうた・・・」

アレキサンド 「父上!あの書物を読んだ事があるのですか!あの書物を見ただけでばっせられるのでは?本当に父上はいのちしらずですね・・・」

スピネル 「そうじゃ!アレキサンド!陛下へいかにあの書物を見せてもらえないかたのんでくれないか?」

アレキサンド 「無理むりですよー!私がばっせられてしまいます!!!」

スピネル 「あっ!いいことを思いついたんじゃ!でかいルビーを王宮おうきゅうに買い取ってもらいたいんじゃ!それを口実こうじつにどうにかならんかのー。」

アレキサンド 
「えっ!でかいルビーですか?そういえばつい最近さいきん、陛下が結婚記念日けっこんきねんび王妃様おうひさまおくりものがしたいと私に相談そうだんに来られた。しかも王妃様は大の宝石好きだから頼むと言われていたんでした!やばい!研究にぼっとうしすぎて忘れるところだった!!!ありがとう父上!思い出させてくれて、処罰しょばつけるところでした・・・そうだ!王妃様の誕生石たんじょうせき丁度ちょうどルビーだから、そのでかいルビーで宝飾品ほうしょくひんを作られたらどうか?と進言しんげんいたしましょう!そうしましたら、父上から買い取ってもらってそのおれいに何とか書物を見せてもらうというのはどうでしょう?」

スピネル 「ちがうんじゃ!ルビーはわしのものじゃないんじゃ!」

アレキサンド 「えっ?だれのものなのですか?」

俺はそう言われたので、ルビーのかたまりを研究室のいているテーブルへ、ドンッ!と出した。

アレキサンド 「えっ?何の音?なんかひっくり返ったかな?」

息子はあたりを見回みまわすとびっくりした。テーブルの上にルビーのでっかい塊があるではないか!!!

スピネル 「それはのーようへいくんのものなんじゃ!わしに買い取ってもらいたいと言ってきたんじゃが、わしの資金しきんりなくてのー王宮で買い取ってもらいたいんじゃー。」

アレキサンド 「そうなんですか・・・なんですか!この素晴すばらしい色!透明度とうめいど!大きさ!何をとってもこれより素晴らしいルビーは見た事ありません!!!」

息子はそう言ってルビーにり色々観察かんさつしながら調査内容ちょうさないよう手帳てちょうしるしている。本物かどうかの検査けんさもしはじめた。

アレキサンド 「これなら本物のルビーだし間違まちがいなく世界一の大きさですし、陛下も納得なっとくされるかもしれません!かならず買い取ってくれると思いますよ!ようへいさん!ものすごい価値かちのある石なので金額きんがくもすごいものになると思います!!!」

俺はやったー!の意味を込めて光った。
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