転生したら石でした!

むねじゅ

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第41話 王様と禁書

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王様クリスはスピネルに禁書きんしょを貸す前に先に熟読じゅくどくしておこうと思った。
城のなかにある、広い図書室の中から禁書を取り出した。

王様クリス 「そうだ!これだった!前に読んだのは100年前か?それとももっと前か?」

自問自答じもんじとうしながら、読み始めた。
うーむ。石の事、石の事・・・あっこのあたりだ。
何々?うむ。これではない?これでもない?これでもない?どこだ!!!
探しながら読み進める、そうすると急に危ない内容の箇所かしょ辿たどりついた。
人間錬金術れんきんじゅつ ホムンクルス?とな。
何々、通常の生産方法では完璧な人間は生産できない。大概たいがいが出来たとしても肉人形になり、やがて腐る。培養液ばいようえきから出したとたんに腐敗ふはいの進行が始まるので注意が必要。しかし、一つだけ不可能を可能にする方法がある。それが○○の石だ。なぜだ!○○のところが古くて読めない。なんと書いてあるのだ!と王様はイライラした。
しかし、内容を把握はあくするために先を読み進める。生産した肉体に○○の石を入れるとたましいを持った完璧な人間ができる。と書いてあった。
この○○の石は魂になるというのか!!!すごいものだ。この世の摂理せつりはんしている。だから禁書に記載きさいされているんだな・・・
余も摂理に反しておるから、どうのこうのと言えるわけがないがの。

この時、王様はセシルの石を思い出していた。もしかして・・・あの時、石は余に語りかけてきた。
もしかすると、この○○石とはセシル嬢の持っていた石か?生きている石のようだったような?
そうだ!王宮研究所にも錬金術で人間を作る研究をしているものがおった。話を聞いてみよう・・・
あの男、少し気味が悪いのだ。あまり会いたくはないが、しかたない、会ってみるか・・・
研究の成果もかなりだしているようだし、色々とくわしいだろう・・・

翌朝、王様は研究所のはなれにある錬金術研究室を訪ねた。そこは暗くじめっとしていて気味が悪い。何だか分からない悲鳴まで聞こえる・・・
だから、嫌なのだ。ここは・・・王様は勢い良くドアを開けた。すると変な臭いが流れてきた。耐えられない!でも我慢するしかないと王様は自分に言い聞かせた。

マッド 「陛下!こちらにいらっしゃるのはいつぶりでございましょう!お元気そうでなによりです。今研究中でして、お目汚めよごししてしまうものばかりで、申し訳ありません。」

と答えた、この男は人間錬金術を研究している男である。この男、王宮研究所随一ずいいちの嫌われ者である。たしかに優秀なのだが、容姿は猫背で、顔は形容の仕様がないし、研究のためなら残酷ざんこくであろうが、ひどかろうが平気でなんでもするので、皆に不気味がられているのである。
特にアレキサンドとは気が合わないらしい・・・アレキサンドの正統な正義感とは違い、マッドは正反対の正義感を持ち合わせているからだ。マッドは研究命すぎるのだ・・・

王様は部屋を見回すと男女数体の大きな瓶詰びんづめが並んでいた。本当に不気味だ・・・

マッド 「陛下!見てください!この実験体は今までで一番美しい容姿になったのでございます!ひひひっ!」

実験体が良く出来たのでめてもらいたいのだろう。不気味な笑い方が不気味さに拍車はくしゃをかけている。

王様クリス「マッド!余は質問があってここに来た!余の質問に簡潔かんけつに答えよ!」

マッド 「はっ!承知しょうちいたしました!どのようなご質問でしょうか?」

王様は昨日読んだ禁書の内容をかいつまんで話し、○○の石を知っているか?と聞いた。

マッド 「私めもその石が欲しいのでございます!!!!この完璧な実験体もこの液の中でしか生きられません!しかも魂がないのです!あーこのかわいい実験体たちと生活を共にしたい!そのためにもその石が欲しいのです!!!陛下!どうか!おめぐみをー!!!!」

王様クリス 「マッド、石を見た事があるか?名前はなんと言うのだ?!」

マッド 「申し訳ございません!!!私めは石を見たことがありませんし、名前もわからないのです・・・・」

王様クリス「そうか。わからないのか・・・邪魔じゃましたな!」

王様は早く出たい一心できびすを返しドアへ足早に向かった。

マッド 「陛下!お役に立てず申し訳ございません!!!石の事がわかりましたら、お願いでございますー教えてくださいませー!!!!陛下ー!!!」

マッドは泣きながら絶叫している。それほど石が欲しいのだ・・・
やはり、あの男でさえわからないのか・・・自分の記憶を辿たどるしかないと決意する王様であった・・・

王様は気分転換に風呂に入った。さっきの研究室の臭いが抜けないのだ。
王様は500歳とは思えない肉体をしていた、筋肉はもちろん肌のつや、髪のつや、全てにおいて完璧だった。
大理石で造られた若い男の裸体彫刻のようだった。
風呂に入りながら、石について考えた。余はいつあの石を見た覚えがあるのか?なぜなつかしさを感じるのか?色々考えているうちに疑問だらけになってしまい混乱した。
覚えていないのだからしょうがない、思い出すまで辛抱強しんぼうづよく待つしかないと思う王様であった。

王様クリス 「この禁書をスピネルに貸さねば。アレキサンドに渡してもらうとするか・・・」

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