戦人学園

ゆうむ

文字の大きさ
31 / 43

運命の日・・・1

しおりを挟む
 昼食時のピークを迎え、混雑する店内、店の外に肉の焼ける匂いと香ばしいタレの香りが流れ出している。

 その香りにつられ、さらに人が集まりだす。

 この周囲の店でも、先日のおすそ分け(分配)の大量の肉を消費していた。

「さてみんな、これくらいにしておきましょうか」

 目の前の机に箸を置き、真新しい濡れタオルで口元及び顔を拭くメル。

 見た目はかっぱつそうな美少女のメル、店のタオルで顔を拭くなど、行動がどうにも中年のおっさんくさい気がするが……彼女とこちら? の為、気にしないでおこう。

「あぁ、私はもう腹いっぱいだ」

「うむ、私もだ」

 新鮮なお肉を食べ放題の昼食、少し行儀が悪いが巨人族のクリスと、巨大な毛玉であるモー君達男子2人が座敷に横たわりながら返事をする。

「では、これからどこにいくんだメル、確か行きたい所があるといってたが」

「ーーはぁ? クリス、アンタ何を言ってるのよ、私は前菜はこのくらいにしておきましょうといっただけよ」

「うん、これから、ここからがメインディッシュ、女の戦いの開始」

「そうよ、それにまだその後のデザートも食べないとね」

 メルの言葉に女子2人が援護攻撃(口撃)を放つ。

 彼女達が前菜と言い放ったもの、それは直径50cmほどの白い大皿に、まさに言葉の通り山と詰まれた肉であった(箸休めのあの極ウマタレがかかった野菜は別に有り)

 しかも空になった大皿が肉の変わりに、軽く山積みとなっていたのだが、それは彼女達の名誉のため伏せておくことにしよう。

 その後、メインのお肉(15cmの厚さ×25cmほどのステーキ)を1人あたり5枚完食し、この店人気のデザートである、2Lのバケツサイズのアイスを飲み込むように腹に収めた彼女達。

 あきれた様子のクリス達であったが、慣れているのかその視線を軽くスルーしつつ会計に走る。

 この女子達の細い身体のどこに、あれほどの量が入るのか、あきらかに食べた量が彼女達の体積と体重を軽く凌駕しているのだが。

 確かに痩せの大食いとは言うのだが、それも限度がある、この世界の人々の身体の構造はどうなっているのであろう、それはまさに人体の神秘としか言いようがなかった。




 割引クーポンで会計を済ませた彼女達、おやつまでの腹ごなしにと、散歩がてら学園前までやってきていた。

「--って、なんで学園に入っちゃ駄目なのよ、だから私は特殊科の生徒なんだって、ほら学生証」

「誰だろうが駄目だ、誰も通すなと学園長の指示を受けている、ほら帰るんだ」

「ちぇ、折角あの子の見舞いにいこうと思ってたのにーーーーッ!!」

 普段なら生徒の安全の為学園の門を守っている、アイアンゴーレムであるガードしかいないその門は固く閉ざされていた。

 そこにはおそらく非常勤らしく、彼女達が見たこともない数人の武装した教官が立っていた。

 学園の生徒であるにもかかわらず誰一人として通さない方針のようだ。

 その中に、いつもにこやかな教官を見つけ声をかけたのだが、あっさりと追い返されてしまう。

 メルは10分ほど粘ったのだが、彼ら教官が折れることはなかった、仕方なく文句を言いながら彼女達が踵を返した。

 ----その時、学園内から爆発音と凄まじい地響きが。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす

蒼月よる
ファンタジー
七日後、この港に神罰が落ちる。 追放された元観測士イオナだけが、その事実を知っていた。 しかも災害は自然現象ではない——誰かが、意図的に引き起こそうとしている。 港の上層部はすでに手を打っていた。「下層区画を緩衝被害区として切り捨てる」秘密契約。被害を最小限に見せかけ、体制を守る冷徹な計画だ。 イオナは元護送隊長ガルム、荷運び組合長メラとともに動き出す。 犯人を暴き、証拠を公開し、住民を逃がし、工廠を止める——すべてを七日で。 被害を「選ぶ」管理か、全員を「残す」運用か。 追放観測士の、七日間の港湾カウントダウン・サスペンス。 この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。 ・世界観・設定の管理補助 ・プロット段階の壁打ち ・作者による執筆後の校正

道化たちの末路

希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と側室母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。

ペットになった

ノーウェザー
ファンタジー
ペットになってしまった『クロ』。 言葉も常識も通用しない世界。 それでも、特に不便は感じない。 あの場所に戻るくらいなら、別にどんな場所でも良かったから。 「クロ」 笑いながらオレの名前を呼ぶこの人がいる限り、オレは・・・ーーーー・・・。 ※視点コロコロ ※更新ノロノロ

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

処理中です...