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運命の日・・・2
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ーー数日前。
あの実戦の後、メル達が帰宅した次の日の早朝のこと。
治療室の最奥、ベッドに寝かされた正体不明の彼。
様々なモニター用コードや点滴の管が彼の体より伸びている。
その室内には、入れ代わり立ち代わり、忙しそうに動き回るQ先生と回復したアテネ。
「学園長、コレで処置ハ完了シマシた、刺青、ヤき……イエ例のアレの処置も終ワりまシタ、しカシそノ人造肌に傷が浮かビ上がっテくるノデすが……」
「……そうですか、それはありませんね、みなさんご苦労様でした、それで彼の意識はまだ回復しないのですか」
モニター前で、自慢のトレードマークの白い顎鬚を指で触りながら、何か別のことを考えているような表情の学園長。
不意に奥の扉が開いた。
「あっ、学園長、仮の機械式手足はとりあえずは問題ないようです、それと他のQ先生達が、わかっている身体データを基に最高の一品を製作するとのことです、ですが今現在は材料待ちといっておりました」
「わかりました、まずは彼の目が覚めるのを待つしかないでしょう、問題は気が付いた時に失った体を見てパニックを起こさないよう注意してください。私は今から軍の上層部とあの大臣達に、口頭での報告と報告書を提出に行かなければなりません」
「ーー!!大臣達というと、教頭も一緒に連れて行くのですか」
そのアテネの言葉に何も答えず、苦虫をつぶしたような表情になる学園長。
しかし口頭での報告をするのなら普通、報告書は必要ないと思うのだが、やはりどこの世界でもお役所というのは無意味なことが好きなようだ。
学園長が去った後、残されたアテネは眠り続ける彼の元へ。
ベッドの周りには、先ほどまで動き回っていたQ先生達は誰もいない、彼から伸びるセンサーコードと点滴の管、そして心電図を測る機械だけである。
静かな室内、時折聞こえる機械の音と心地よいリズムの心電図の音、彼の左目には真新しい眼帯がかけられていた。
白い半そでのシャツを着せられた彼、胸元から除く無数の傷跡は生々しいものであった。
「一体あなたは何者なの、この大怪我であの傷で、いやあの時の大量出血では助かるはずはなかった。それにこの人体構造は……」
彼女の呟きに答えは帰ってこなかった。
ベッドの横にパイプ椅子を置き、ゆっくりと腰掛けるアテネ。
そして、時間だけが過ぎていく、一定のリズムを刻む機械音に彼女の意識は深い眠りに落ちていく。
ほんの半日前の新しい記憶、しかしそれは彼女にとって決して思い出したくない出来事であった。
今となっては本当に起きた出来事なのか、それとも白昼夢だったのかもわからない。
もし夢であっても、あのような無残な光景はもう2度と見たくなかった。
背中に痛みを受け、目を覚ました彼女。
どうやら誰かに背負われ、その背中から落ちたようだ。
「あたた、一体何ごとなの、……確か回復魔法の連続使用で意識を。ここはーーーー!!」
ゆっくりと頭を上げ、どうにか意識を失う前のことを思い出したアテネ。
しかし今現在、彼女の目の前の光景はとても信じられないものであった。
血の海となった地面、そこに横たわり口から血を吐き、わずかに呼吸することがやっとのクリス。
いつも血色の良かった顔色は完全に血の気が引いていた。
クリスのすぐ隣には、折れた剣や槍が無数に落ちている、そしていつも彼と一緒にいるモー君が、その白い毛を真っ赤に染め潰れていた。
「あっ、あなたたち、しっかりしなさい、すぐに回復魔法をーーくっ、回数・魔力とも限界制限を超えてる」
意識はなんとか回復したものの、魔力はまったく回復していない。それに彼女の回復魔法は回数制限をすでに越えていたのであった。
マナ薬があったとして魔力を回復させたとしても、今のアテネには意味のないもの、無用の長物である。
さらに彼女に追い討ちをかける光景があった。
あの実戦の後、メル達が帰宅した次の日の早朝のこと。
治療室の最奥、ベッドに寝かされた正体不明の彼。
様々なモニター用コードや点滴の管が彼の体より伸びている。
その室内には、入れ代わり立ち代わり、忙しそうに動き回るQ先生と回復したアテネ。
「学園長、コレで処置ハ完了シマシた、刺青、ヤき……イエ例のアレの処置も終ワりまシタ、しカシそノ人造肌に傷が浮かビ上がっテくるノデすが……」
「……そうですか、それはありませんね、みなさんご苦労様でした、それで彼の意識はまだ回復しないのですか」
モニター前で、自慢のトレードマークの白い顎鬚を指で触りながら、何か別のことを考えているような表情の学園長。
不意に奥の扉が開いた。
「あっ、学園長、仮の機械式手足はとりあえずは問題ないようです、それと他のQ先生達が、わかっている身体データを基に最高の一品を製作するとのことです、ですが今現在は材料待ちといっておりました」
「わかりました、まずは彼の目が覚めるのを待つしかないでしょう、問題は気が付いた時に失った体を見てパニックを起こさないよう注意してください。私は今から軍の上層部とあの大臣達に、口頭での報告と報告書を提出に行かなければなりません」
「ーー!!大臣達というと、教頭も一緒に連れて行くのですか」
そのアテネの言葉に何も答えず、苦虫をつぶしたような表情になる学園長。
しかし口頭での報告をするのなら普通、報告書は必要ないと思うのだが、やはりどこの世界でもお役所というのは無意味なことが好きなようだ。
学園長が去った後、残されたアテネは眠り続ける彼の元へ。
ベッドの周りには、先ほどまで動き回っていたQ先生達は誰もいない、彼から伸びるセンサーコードと点滴の管、そして心電図を測る機械だけである。
静かな室内、時折聞こえる機械の音と心地よいリズムの心電図の音、彼の左目には真新しい眼帯がかけられていた。
白い半そでのシャツを着せられた彼、胸元から除く無数の傷跡は生々しいものであった。
「一体あなたは何者なの、この大怪我であの傷で、いやあの時の大量出血では助かるはずはなかった。それにこの人体構造は……」
彼女の呟きに答えは帰ってこなかった。
ベッドの横にパイプ椅子を置き、ゆっくりと腰掛けるアテネ。
そして、時間だけが過ぎていく、一定のリズムを刻む機械音に彼女の意識は深い眠りに落ちていく。
ほんの半日前の新しい記憶、しかしそれは彼女にとって決して思い出したくない出来事であった。
今となっては本当に起きた出来事なのか、それとも白昼夢だったのかもわからない。
もし夢であっても、あのような無残な光景はもう2度と見たくなかった。
背中に痛みを受け、目を覚ました彼女。
どうやら誰かに背負われ、その背中から落ちたようだ。
「あたた、一体何ごとなの、……確か回復魔法の連続使用で意識を。ここはーーーー!!」
ゆっくりと頭を上げ、どうにか意識を失う前のことを思い出したアテネ。
しかし今現在、彼女の目の前の光景はとても信じられないものであった。
血の海となった地面、そこに横たわり口から血を吐き、わずかに呼吸することがやっとのクリス。
いつも血色の良かった顔色は完全に血の気が引いていた。
クリスのすぐ隣には、折れた剣や槍が無数に落ちている、そしていつも彼と一緒にいるモー君が、その白い毛を真っ赤に染め潰れていた。
「あっ、あなたたち、しっかりしなさい、すぐに回復魔法をーーくっ、回数・魔力とも限界制限を超えてる」
意識はなんとか回復したものの、魔力はまったく回復していない。それに彼女の回復魔法は回数制限をすでに越えていたのであった。
マナ薬があったとして魔力を回復させたとしても、今のアテネには意味のないもの、無用の長物である。
さらに彼女に追い討ちをかける光景があった。
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