R18【同性恋愛】『戻れない僕らの日常』【絆・対・相編】正規ルート編

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────3章『本格始動、宝船』

■3「愛しい君と優しい時間」【R】

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 ****♡Side・葵

「んッ..んんッ」
 ベッドの上、咲夜が葵に啄むようなキスを何度もくれた。一度離れると、お互い見つめ合ってニコッと微笑んだ。けれど葵は、知っている、咲夜の心は不安でいっぱいなことを。
「葵」
 葵はふわりと、咲夜に抱きしめられた。彼は優しい、いつだって。けれど彼は、とても寂しがり屋でもあり、葵に甘えられることで安らぎを感じるのだ。
「サクぅ」
 もっともっとその温もりに触れようと、葵が咲夜にすり寄ると、横抱きにされ、更に体温を分かち合おうと密着して抱きしめられる。
「ふふふッ」
 大好きな人に抱きしめられるのは心地良いい。
「葵、可愛い」

「最近、楽しい。前よりもっと」
 葵がそう気持ちを告げれば、咲夜は暗い顔をする。どうしたのかと思っていると、
「大里くんって、ノリが良くていい人だよね。久隆も、安心して甘えてるみたいだし」
 そう言って彼は俯く。
「なあに?やきもちなの?」
 と、葵が優しく咲夜の頬を両手で包み込み、問い掛けと、
「うーん。やきもちと言うより、憧れ」
 と彼が複雑な表情をし、答えた。

 自分にないものを持っている人に素直に羨望の眼差しを向けることが出来るのは、彼のいいところだ。しかしながら、葵から見ても最近の久隆は大里にべったりな気がする。二人の間に何があったというのか?咲夜を不安にさせることが良いとは思わなかった。今の三人のバランスは死守しなければならない。三人が互いに悩んでたどり着いた幸せの方程式は。

「また三人でエッチしようね」
 咲夜にそう提案すれば、頬を染める。
「三人でしてるときのサク、可愛いよ」
「うぅ」
「前も後ろもぐちょぐちょで、挿れたい、挿れて欲しいってびくびくしちゃってたまんない」

 実際、葵は興奮した。久隆に犯され厭らしく喘ぎながらも、葵の性器を咥える咲夜の姿に。普段は堅物で、葵を甘やかしてばかりいる彼が、二人に甘やかされてどろどろになるのだ。
「思い出したら、興奮しちゃったの?硬くなってる」
「葵もでしょ?」
「ふぁッ」
 咲夜は、葵の胸の飾りを指先で転がしなから、葵自身をパジャマのズボンの上から撫でる。クスクス笑いながら戯れて、それはいつしか互いの愛欲を貪ることに変わってゆく。

「あッ..吸っちゃダメぇッ」
 葵自身を咲夜が手でしごきあげながら、ちゅうッと吸う。
「だめッ..だめなのぉッ..んんッ♡」
 葵は”ネコしか出来ない自分は、彼をちゃんと満足させてあげられているのだろうか”と時々不安に思う。彼の丁寧な愛撫はいつだって自分を満たし、どれだけ大切にされているのか実感しているというのに。
「あッ」
 ジェルでトロッと濡れた咲夜の指がゆっくりと最奥の秘部を拡げ犯してゆくのを感じ、葵は、
「サク、大好きだよ」
 彼の首に腕を絡めそう囁くと、咲夜は嬉しそうに微笑んだ。

 ****

「んッ..そこッ」
 彼のセックスはいつもとても丁寧で、優しい。包まれているような気持ちになる。
「サクぅ..気持ちいのッ」
「ここ?」
 咲夜はゆっくりと奥まで突きながら、抱きしめてくれた。彼は自分よりも、ほんの少し体温が低く感じる。葵は咲夜をポカポカにしてあげたくて、ぎゅっッと抱きしめ返した。
「サクは気持ちい?」
「うん」
 さらさらと、彼の髪が揺れる。それを見るたび葵は、美しい彼を汚したい欲望に駆られた。

 久隆に、犯され厭らしく喘ぐ咲夜のあの姿が忘れられない。仰け反る白い肌、迸る愛欲の雫。それは咲夜の肌を汚し、葵の欲望を満たした。大きく開かれた足に、羞恥を纏い、色づく肌。奥にピンク色の小さな蕾。久隆はそれを開花させ、彼を快楽という名の奈落に落とす。

「さいッこう..」
 愛しい彼にプチゅプチゅと奥を突かれながら、脳裏に浮かぶのは、厭らしい咲夜の姿。思い出すたび、葵は堪らなく興奮する。もし咲夜を無理矢理押さえつけ、久隆にレイプさせたなら、彼はどんな顔をするのだろう?かと。

「サクぅ..ああんッ」
 咲夜は知らない、自分が脳内で彼をどろどろに犯していることを。その妄想で気が変になるくらい自分が興奮していることを。
「葵、大好きだよ」
「可愛いッ」
 葵は彼の頬を両手で包み込んで、唇を奪う。
「んッ」
 舌を絡め、お互いを求め合い、
「サクぅッ。大好きッ」
「好きだよ」
 座った体位で抱き合い、何度も舌を絡めた。
「深ぁいッ」
 葵が上下に腰を振ると、咲夜はその背中に厭らしく手を這わせ、もう片方の手で、葵自身をしごきあげる。

「気持ちいッ..あッ..はあんッ♡」
「葵ッ..」
 彼が、うわごとのように葵の名を呼ぶ。葵は、妄想していた、嫌がる咲夜を久隆が無理矢理押さえつけて犯し、彼が泣きながらイかされる姿を。
「たまんないッ」
 自分はどうかしていると思いながら、彼の肌を自分の欲望の雫で汚した。
「んんッ」
 咲夜は、肩で息をしながら満足そうに微笑む。

 サク、可愛いッ!

 **

「ねぇ、葵」
 一緒にシャワーを浴び、浴室から出ると、咲夜が葵のパジャマのボタンを留めながら疑問を口にする。
「なぁに?」
「今さらなんだけど、葵の好きな人って誰だったの?」
 咲夜のしょぼんりした様子に葵は悶絶した。

 サク、可愛い!
 犯したいッ。
 ネコしか出来ないけどッ。

「そんなの、まだ信じてたの?」
「え?」
 葵の言葉に、咲夜が顔をあげる。
「嘘に決まってるじゃん」
「えぇぇぇぇぇぇえ?!」
「こぉんなに、可愛いサクがいるのに」
 咲夜は、あたふたしていた。
「他の人になんて、目がいくわけないでしょ?」
 言って、首に腕を絡めると引き寄せる。
「サク、可愛すぎッ」
「葵は、小悪魔みたい」
「ふふっ」
 困り顔の咲夜に、葵は口づけた。
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