R18【同性恋愛】『戻れない僕らの日常』【絆・対・相編】正規ルート編

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────2章【久隆と葵】

□4「久隆の兄」

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****♡Side・久隆

逐一!逐一報告しろ、とな?!

久隆は、咲夜がそんなに心配してやきもちを妬いてくれるのかと思ったら、悶絶レベルで嬉しかった。葵から言わせれば、その久隆の感覚は“キチガイ”である。だが久隆は、盲目的に咲夜を愛しすぎているので、その考えには至らず。

恋とはしばしば人をバカにするもので、
「むぅッ」
不満が収まらない咲夜が自身の腕の中でぷくッと膨れているのが可愛くて、ちゅッと口づけると、別方面から苦情が。
「おい、イチャイチャしてないで花火やれよ」
と、大里。
「こっちのが重要」
久隆は、可愛い、可愛い”と咲夜の髪にも口づけ、それを見ていた葵が
「孫を愛でるおじいちゃんみたい」
と、肩を竦めた。

なんだって?!

「夕食はどうなさいます?」
不穏な空気を感じた和が話題を振ってくれる。
「お、久々に多数決いく?」
と、久隆。
「いっちゃう?!」
と葵が乗った。
「まてよ、それ多数決じゃないよな?」
と大里。

「きっと兄さんが出してくれるはず。はい、食べたいもの言って」
と久隆は大里の言葉をスルー。大里は肩を竦めつつも、
「じゃあ、タイ料理とか」
と食べたいものを口にする。
「アラビアン料理とか食べてみたい」
と、葵はスマホの画面を見ながら。
「俺、和食がいいな。咲夜は?」
と久隆は咲夜に視線を投げる。すると、
「イタリアンがいい。お肉とチーズ食べたい」
と珍しく強気の主張。その咲夜の言葉に久隆と葵が顔を見合わせた。

“可愛い!”

「いくよー?イタリアンがいい人ー!」
「はいはーい!」
久隆と葵はピーンと手を上げ、咲夜が遠慮がちに手を上げる。そこまではいつも通りだった。
「おいー!」
と、大里。
「なんです?」
しれっと和。
「ちょっ裏切りだろ、和!」
いつもは傍観者の和が手を上げている。
「私もイタリアンが食べたいです」
大里が文句を言おうとしたところで和の背後から足音がし、大里は黙った。
「和、何してるんだ?」
と、足音の主。
「ちょ..ッ」
慌てる和。何故なら、足音の主である久隆の兄は半分寝ぼけているのか、和を後ろから抱きすくめたからだ。それを見ていた久隆たち四人は固まる。
「みんなが見ていますので」
そっと兄の腕に自分の手を添える和。よく見ればその和の左手薬指には指輪が。


あれ?恋人いないって言ってなかったか?

「ん?ああ」
「兄さん、ちょっといい?」
久隆は、”先週何回か大崎邸に兄が来ている”と料理長の南が言っていたことを思い出す。兄は以前、和を好きだと久隆には打ち明けており、てっきり終わったものだと思っていたのだが。
「ん?」
兄を呼び寄せると、久隆は咲夜たちに花火を任せる。
「兄さん、あのさ...」
そんな二人を心配そうに見ている和の視線に、久隆は気づかなかった。
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