R18【異性恋愛】『猟奇的、美形彼氏は』

crazy’s7@体調不良不定期更新中

文字の大きさ
22 / 47
3話 その男、彼女溺愛につき

5・可愛い彼

しおりを挟む
 あの時のことを思い出すと、今でもドキドキしてしまう。
 誘ったのは自分。
 風呂から上がった蓮は前髪をおろしていて、いつもとは雰囲気が違っていた。あの日初めて悠は、前髪をおろした彼の姿を見たのだ。
 思った以上に幼く見えて……。

──可愛かったの!
 
 悠は傍らに置いてあった大きいクッションを胸に抱えると悶絶した。
 いつもきちっとした格好をし、人の何倍も仕事をする彼をカッコイイとは思っている。言動はちょっとオカシイが。

「悠?」
 風呂から上がった蓮は、麦茶を片手に不思議そうにこちらに視線を向ける。
 風呂上がりの彼はいつものように前髪おろしたまま。
「わたしも頂戴」
「入れるから、ちょっと待ってて」
とキッチンに引き返そうとした彼に、
「それでいいよ?」
と言えば、
「一口飲んじゃったし」
と言われる。

「うん、いい。ちょっと頂戴?」
「え? ああ……うん」
 することはしているのに、いつまでも間接キスを躊躇う彼。
 だが、彼からグラスを受け取ると飲まずにテーブルに置き、彼の袖を掴む。
「何、どうしたの?」
 態勢を崩し、悠の座るソファーの背もたれに手をつく蓮。
 そんな蓮の襟元を掴むと、
「ねえ、危ないって」
と、困った表情でこちらを見つめる彼に口づけた。

「突然どうしたの」
 彼は赤い顔をして口元に手の甲をあてる。
「蓮が可愛いから」
 ”したくなっちゃった”と言えば、蓮はヤレヤレと言うようにため息をつくと悠の隣に腰かけた。
「髪は乾かしたの?」
と彼に問われ、
「うん」
 頷いて彼の前髪に指先を伸ばす。
 サラサラと指の間をすり抜ける髪。

「今日はごめんね」
「うん?」
 謝罪の言葉を述べると彼は首を傾げる。
「ヤキモチ妬かせちゃって」
「あ……うん」
 目を泳がせるのは、ヤキモチを妬くことが良いことだと思っていない証拠。
「でも、嬉しかったの」
 動揺しているのか、麦茶のグラスに手を伸ばす彼。
 しかし悠はその手を掴み、阻んだ。
「悪いことじゃないの」
「でも、雰囲気壊したし」

──社長にはおかしげな下ネタばかり言っているのに、そういうの気にするんだ。

 ”言葉にしてくれないから、行動が嬉しいのにな”と思いながら、蓮の指に自分の指を絡める悠。
「恋人になってから、まだ八か月くらいなんだねえ」
「そうだね」

──蓮が元カノと別れて来月で一年くらいなのか。
 バレンタインどうしようかな。

 やっとリラックスしたのか、彼が悠の背中に腕を回す。
 引き寄せられて、その胸に顔を埋めれば良い匂いがする。

──良い匂いに感じる相手って遺伝子レベルで相性が良いっていうよね。
 蓮の匂い、好き。

 彼は何を考えているのだろう?
 口数が少ない時は、緊張していることが多い。
 そんな彼が悠の髪にちゅっと口づける。
「ねえ」
「んー?」
「そろそろ、あっちに行こうよ」
 素面しらふの時に蓮からお誘いをしてくれることは滅多にない。最初は勇気が必要だったけれど、それも慣れた。二人の間に多くの言葉は必要ないから。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ブラック企業を退職したら、極上マッサージに蕩ける日々が待ってました。

イセヤ レキ
恋愛
ブラック企業に勤める赤羽(あかばね)陽葵(ひまり)は、ある夜、退職を決意する。 きっかけは、雑居ビルのとあるマッサージ店。 そのマッサージ店の恰幅が良く朗らかな女性オーナーに新たな職場を紹介されるが、そこには無口で無表情な男の店長がいて……? ※ストーリー構成上、導入部だけシリアスです。 ※他サイトにも掲載しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...