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2021’6
ふたりぼっちの死霊術師
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水野ぴえろ 様作
【あらすじ引用】
この世にある全てのものは世に出回り、認知されることで初めてその存在意義を得る。誰も見向きしなければ価値はない。誰も見向きしないものには価値はない。そのような考えを持つ中学三年生の少女「足立灯」は常に孤独だった。平凡過ぎて誰も構ってくれない人生を過ごしているが故に、自分の無価値さに苛まれてていた。無価値である故に発生した「価値がないものは存在してはならない」という脅迫概念やかかわりのない人生から生まれた孤独から逃れる為に、灯は自殺の名所から飛び降り自殺を図った。
しかし、すんでの所で彼女を助けたものがいた。
――そんな彼女を助けたのは半透明の幽霊だった。
孤独のまま死んだ幽霊は今まで何度も自殺するものを救おうとしてきたが、実体のない体ではそれは不可能だった。そんな彼が唯一救えたのは足立灯だった。何故灯だけを救えたのか。幽霊はその答えを探し、彼女の孤独を消し去ることを誓い、行動を共にする。
その答えとは、灯たちにかかわりのある「こころ」の問題だった。こころとは何か? 抽象的で答えのない問いに彼女たちは答えを見つけ出せるのか。
この物語は孤独な少女と幽霊が手を取り合って、こころを駆使して戦い、養いながら、それぞれの答えを見つけ出す現代ファンタジーである。
【物語は】
真に人が恐れるものとは何だろうか?
主人公の心情から物語は始まっていく。主人公が抱えるものは孤独。それにより彼女は、死を選ぼうとしていた。人には承認欲求がある。
自ら選んだ死を目の前にして、それでも承認欲求を満たしたい。誰かに自分の存在を知って欲しい。死の間際でさえ、承認欲求に囚われるのが人間なのだろうか?主人公が選んだ未来とは?
存在意義とは何か?
*存在意義とは、率直に言うと、その者が存在していることの意味や価値、重要性のこと。 仕事や人生における存在意義とは「生きていく喜び・生きるための楽しみ」を指します。(web調べ)
【主人公の考え方】
達観していると言える。あらすじからも、かなりクールで合理的な考え方の持ち主であると感じた。それがゆえに、人から認知されない人生が辛いと感じたのだろう。主人公ががけから飛び込むまでに、走馬灯のように流れる言葉たちが印象的。承認について客観的に見ると、”人は興味感心のある話題に流れていくだけであって、誰かを認知している”という意識はないにではないだろうかと思う。
だからこそ、厄介なのかもしれない。承認欲求というのは、自分だけでは満たせない。しかし、相手は無意識。通常は、親などから認知されることによって多少は満たされるものである。しかし、主人公には両親がいない。代わりに育ててくれた人も、主人公を育ててはくれたものの、特別子供が好きというわけでもないようだ。だからと言って主人公は、はじめから受け身であったわけではない。自分から友人を作ろうとしたこともある。
ここで一つ問題だと思うのは、両親などとコミュニケーションを取らない子供、もしくはとれない子供は、他人との接し方や話題作りが苦手であるという事。会話は、おこなって段々となれたり会話の流れを理解したり、相手の気持ちが汲み取れるようになるのではないだろうか。
主人公は、その経験が少ないために、努力が実らなかった可能性もある。人は、自分の利になる人に流れがちだ。それは何も目に見えるものとは限らない。つまりコミュニケーション能力の高い人間に、人は集まるのではないだろうか。
【世界観。・舞台】
話が進むと明かされるのだが、主人公は霊が見えるようである。このことが、今までの生活の中で、良い方向に向かなかったという事は、良い霊には会えなかったのではないかと想像する。(作中でその事について詳しく語られている)
主人公は、自殺の名所に飛び込んでから後悔する。しかし、時すでに遅し。主人公の運命は変えられないのだろうかと思った時、その人生に光が差す。恐らくそれは、真の光だと思われる。
主人公が自分の孤独への想いを告げると、今度は自分を救ってくれた彼が、彼自身の最後の時を語ってくれる。二人が怖がっていたものは、恐らく同じものだとおもう。
戦争で亡くなった彼と、孤独から逃れようとした主人公。二人はともに行くことを決断するのだ。
【物語の魅力】
孤独に苛まれ、自殺を決意した主人公は、崖に飛び降り死を覚悟した瞬間、孤独から逃れた死のその先の、永遠なる孤独に恐怖する。
しかし、それを救った者がいた。彼との出会いをきっかけにして、主人公の運命が少し上向きになる。そして孤独だった主人公にある、転機が訪れた。
この物語は、常に一定方向に流れていくわけではなく、良いことも悪いことも起きていく。ドキドキハラハラする展開が多い。しかし、主人公は命を助けてくれた者と、徐々に絆を築きながら、困難を乗り越えていくのである。
彼女は果たして、孤独から抜け出せるのだろうか。
【物語の見どころ】
一番の見どころは、主人公の考え方の変化や心の変化なのではないかと思われる。初めは誰にも存在を認めて貰えない自分に価値がないと思い、死を選ぼうとした。しかし、自分を救ってくれたものとの出会いが、主人公を少しづつ変えていく。
孤独の感じ方は人それぞれだと思う。一人を楽しむものもいれば、常に誰かに存在を認めて貰えないと不安な人もいる。これは一つの社会問題なのではないだろうか?そして人は意図して相手を認めているわけではないという事。
そして認めなければならない義務もない。だからこそ、自分の存在を認めて貰えないと、孤独を感じるのではないだろうか?
これは一人では解決できないので、とても難しいことだと感じた。
両親を失ったことで、孤独を感じコミュニケーションを上手に取れず、それでも頑張っていた少女。彼女は自分の特殊な能力 (霊が見える)により、頑張って築き上げたものを一度は失ってしまう。一度ついたイメージは払拭するのが難しく、自分から人を遠ざけてしまう。しかし、自分を救ったのも同じく特殊な能力であった。それはきっかけの一つに過ぎないのかも知れない。
だが彼に背中を押され、再び一歩を踏み出すのだ。
あなたもお手に取られてみませんか?
彼女はこの先、友人を作ることは出来るのだろうか?
現在読了部分では(P24)新たなる謎と問題が発生しているようである。簡単に先の展開を想像できない物語です。彼女のこの先の人生を、その目で確かめてみてくださいね。おススメです。
【あらすじ引用】
この世にある全てのものは世に出回り、認知されることで初めてその存在意義を得る。誰も見向きしなければ価値はない。誰も見向きしないものには価値はない。そのような考えを持つ中学三年生の少女「足立灯」は常に孤独だった。平凡過ぎて誰も構ってくれない人生を過ごしているが故に、自分の無価値さに苛まれてていた。無価値である故に発生した「価値がないものは存在してはならない」という脅迫概念やかかわりのない人生から生まれた孤独から逃れる為に、灯は自殺の名所から飛び降り自殺を図った。
しかし、すんでの所で彼女を助けたものがいた。
――そんな彼女を助けたのは半透明の幽霊だった。
孤独のまま死んだ幽霊は今まで何度も自殺するものを救おうとしてきたが、実体のない体ではそれは不可能だった。そんな彼が唯一救えたのは足立灯だった。何故灯だけを救えたのか。幽霊はその答えを探し、彼女の孤独を消し去ることを誓い、行動を共にする。
その答えとは、灯たちにかかわりのある「こころ」の問題だった。こころとは何か? 抽象的で答えのない問いに彼女たちは答えを見つけ出せるのか。
この物語は孤独な少女と幽霊が手を取り合って、こころを駆使して戦い、養いながら、それぞれの答えを見つけ出す現代ファンタジーである。
【物語は】
真に人が恐れるものとは何だろうか?
主人公の心情から物語は始まっていく。主人公が抱えるものは孤独。それにより彼女は、死を選ぼうとしていた。人には承認欲求がある。
自ら選んだ死を目の前にして、それでも承認欲求を満たしたい。誰かに自分の存在を知って欲しい。死の間際でさえ、承認欲求に囚われるのが人間なのだろうか?主人公が選んだ未来とは?
存在意義とは何か?
*存在意義とは、率直に言うと、その者が存在していることの意味や価値、重要性のこと。 仕事や人生における存在意義とは「生きていく喜び・生きるための楽しみ」を指します。(web調べ)
【主人公の考え方】
達観していると言える。あらすじからも、かなりクールで合理的な考え方の持ち主であると感じた。それがゆえに、人から認知されない人生が辛いと感じたのだろう。主人公ががけから飛び込むまでに、走馬灯のように流れる言葉たちが印象的。承認について客観的に見ると、”人は興味感心のある話題に流れていくだけであって、誰かを認知している”という意識はないにではないだろうかと思う。
だからこそ、厄介なのかもしれない。承認欲求というのは、自分だけでは満たせない。しかし、相手は無意識。通常は、親などから認知されることによって多少は満たされるものである。しかし、主人公には両親がいない。代わりに育ててくれた人も、主人公を育ててはくれたものの、特別子供が好きというわけでもないようだ。だからと言って主人公は、はじめから受け身であったわけではない。自分から友人を作ろうとしたこともある。
ここで一つ問題だと思うのは、両親などとコミュニケーションを取らない子供、もしくはとれない子供は、他人との接し方や話題作りが苦手であるという事。会話は、おこなって段々となれたり会話の流れを理解したり、相手の気持ちが汲み取れるようになるのではないだろうか。
主人公は、その経験が少ないために、努力が実らなかった可能性もある。人は、自分の利になる人に流れがちだ。それは何も目に見えるものとは限らない。つまりコミュニケーション能力の高い人間に、人は集まるのではないだろうか。
【世界観。・舞台】
話が進むと明かされるのだが、主人公は霊が見えるようである。このことが、今までの生活の中で、良い方向に向かなかったという事は、良い霊には会えなかったのではないかと想像する。(作中でその事について詳しく語られている)
主人公は、自殺の名所に飛び込んでから後悔する。しかし、時すでに遅し。主人公の運命は変えられないのだろうかと思った時、その人生に光が差す。恐らくそれは、真の光だと思われる。
主人公が自分の孤独への想いを告げると、今度は自分を救ってくれた彼が、彼自身の最後の時を語ってくれる。二人が怖がっていたものは、恐らく同じものだとおもう。
戦争で亡くなった彼と、孤独から逃れようとした主人公。二人はともに行くことを決断するのだ。
【物語の魅力】
孤独に苛まれ、自殺を決意した主人公は、崖に飛び降り死を覚悟した瞬間、孤独から逃れた死のその先の、永遠なる孤独に恐怖する。
しかし、それを救った者がいた。彼との出会いをきっかけにして、主人公の運命が少し上向きになる。そして孤独だった主人公にある、転機が訪れた。
この物語は、常に一定方向に流れていくわけではなく、良いことも悪いことも起きていく。ドキドキハラハラする展開が多い。しかし、主人公は命を助けてくれた者と、徐々に絆を築きながら、困難を乗り越えていくのである。
彼女は果たして、孤独から抜け出せるのだろうか。
【物語の見どころ】
一番の見どころは、主人公の考え方の変化や心の変化なのではないかと思われる。初めは誰にも存在を認めて貰えない自分に価値がないと思い、死を選ぼうとした。しかし、自分を救ってくれたものとの出会いが、主人公を少しづつ変えていく。
孤独の感じ方は人それぞれだと思う。一人を楽しむものもいれば、常に誰かに存在を認めて貰えないと不安な人もいる。これは一つの社会問題なのではないだろうか?そして人は意図して相手を認めているわけではないという事。
そして認めなければならない義務もない。だからこそ、自分の存在を認めて貰えないと、孤独を感じるのではないだろうか?
これは一人では解決できないので、とても難しいことだと感じた。
両親を失ったことで、孤独を感じコミュニケーションを上手に取れず、それでも頑張っていた少女。彼女は自分の特殊な能力 (霊が見える)により、頑張って築き上げたものを一度は失ってしまう。一度ついたイメージは払拭するのが難しく、自分から人を遠ざけてしまう。しかし、自分を救ったのも同じく特殊な能力であった。それはきっかけの一つに過ぎないのかも知れない。
だが彼に背中を押され、再び一歩を踏み出すのだ。
あなたもお手に取られてみませんか?
彼女はこの先、友人を作ることは出来るのだろうか?
現在読了部分では(P24)新たなる謎と問題が発生しているようである。簡単に先の展開を想像できない物語です。彼女のこの先の人生を、その目で確かめてみてくださいね。おススメです。
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