227 / 305
2021’12
用済みヒーロー。その後で
しおりを挟む
ゼフィガルド 様作
【あらすじ引用】
近未来。東の島国『皇』において悪の組織『ジャ・アーク』が誕生した。程なくして、彼らに対抗すべく、企業の科学技術の粋を集めたガジェットと平和と正義を愛する人員達によって『エスポワール戦隊』が設立された。
悪と善の戦いの結末は勧善懲悪の例に漏れず善が打ち勝った。これはそこで締め括られてしまう物語の先にある話。彷徨う正義はいずこに向かう?
【簡単なあらすじ】
ジャンル:ヒューマンドラマ
悪と戦い、平和を取り戻した国。その代償に用済みになったヒーローたちは、何の保証もなく、ゴミのように国に捨てられた。それでも正義といつまでも戦い続ける男がいたのだ。それは『エスポワール戦隊』のリーダーであった。ホームレス生活を余儀なくされていた彼は、ある日『ジャ・アーク』が復活していることを知る。彼の振りかざす正義は本当に正義なのだろうか? 人々を恐怖に陥れる、彼らの第二幕(平和となったその後)がここに始まる!
【物語の始まりは】
15年間悪と戦ったエスポワール戦隊の終わりから始まっていく。悪と戦う使命のなくなった彼らがその後どのように人生を歩き始めたのか。プロの道を歩んだ者と似通った部分もあり、若い時分にその道に進んだ者は他の仕事ができないのと似ている。しかしその上で、彼らには人外の強さが加わっている。そしてそれが有名人であったならなおさら。働き口が見つからず、路頭に迷っていても不思議ではない。主人公はホームレス生活を送っていたのである。
【舞台や世界観、方向性】
〈個人的に調べた用語〉
瑕疵(かし)(コトバンク調べ)
① きず。欠点。また、あやまち。
② 法律で、通常あるべき品質を欠いていること。また、意思表示に詐欺あるいは強迫などの事由があること。
この物語を読んで感じる、全体の方向性は”善とはなにか?”、”悪とは何か?”である。この世に絶対なる善は存在しない。善意=善でも悪=悪意でもないということ。その上、良いと思っていることが必ずしも笑顔や喜びに繋がるとは限らないのだ。かなりテーマの深い物語である。
【主人公と登場人物について】
主人公はエスポワール戦隊であることから抜け出せない青年。彼をそうしてしまったのは社会なのかもしれない。
彼らは五人戦隊であったが、それぞれ道は異なり考え方も違う。
大きく三つに分類され、悪の元で安定した生活を送っていたもの、現実を見ていたもの、そして正義から抜け出せない者がいる。
それに対し、元悪とされていた彼らはもそれぞれ道は異なる。知恵を使いこの国をわが物にしようとした者、自分の悪を貫き人々を幸せにした者なのど。
【物語について】
皮肉なことに、正義とは悪があるからこそ、価値があり認知されるものである。アニメや漫画などのヒーローには終わりがある。大抵は悪を倒し、平和な世の中が訪れるという結末だ。しかしそれがリアルだったなら? 悪を倒したそのあとの人生というものが存在するのである。
この物語でのヒーローに対する着目点は素晴らしいと思う。ヒーローたちが使っている武器は、悪に対して使われるものであるから民衆は安心していられる。しかし悪が倒された時、彼らの手に残るのは”危ない武器”だ。そしてその正義は悪にたいして向いていたものだからだったのだ。だが悪が失われた時、その力が”単なる人殺しの行為”だと思われてしまったならば? 彼らの居場所は何処にあるのだろうか? この物語では、用済みとなってしまったヒーローがどうなっていくのかが描かれている。その人生はそれぞれであり、必ずしも正義=幸せとはならない。
【良い点(箇条書き)】
・これは単なる正義と悪の物語ではない。
・世の中の矛盾についても取り上げられている。
・正義と悪は正義=善であり良いもの。悪は悪いもの。これはイメージでしかなく、その構造は複雑である。簡単に答えを出すことのできないものなのだ。
例えば法のもとに正しいことが、個人として善とは限らないように。そういうことも盛り込まれている物語である。
・読めば読むほど、正義とは何なのか? 考えさせられ、混乱する物語でもある。
・主人公の葛藤が分かりやすく、この世は理不尽な世の中なのだということが伝わって来る。
【備考(補足)】9ページ目まで拝読
【見どころ】
まず第一に、凄い部分にスポットをあてているヒューマンドラマだと感じた。誰しも一度は戦隊モノやヒーローもののアニメを見かけたことがあるだろう。テレビで見かけたことがなくても、街中ですれ違う幼児がそのシャツを着ていることもあるだろうし、CMや玩具売り場で見かけたことがあるかも知れない。彼らは子供もしくは大人たちの絶対的なヒーローの象徴なのではないだろうか? しかしそれは絶対的な悪に対して振りかざされる正義だからこそ支持されるのである。そして悪が蔓延っているからこそ、目を向けられるのだ。
もし、この世の中に善しかなかったなら? その力は何処へ向けられるのだろうか? もしかしたら一般市民に向けられるのでは?
人は恐怖や不安から逃れられない生き物なのだ。
そんな世の中で、何も終わることなく一人正義を振りかざし続ける人間がいた。それが絶対的な正義でないと知らずに。しかしそうなってしまったことには、ちゃんと理由も存在したのである。
必要な時には称えられ、不要になればゴミのように捨てられた彼らの末路とは? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。
【あらすじ引用】
近未来。東の島国『皇』において悪の組織『ジャ・アーク』が誕生した。程なくして、彼らに対抗すべく、企業の科学技術の粋を集めたガジェットと平和と正義を愛する人員達によって『エスポワール戦隊』が設立された。
悪と善の戦いの結末は勧善懲悪の例に漏れず善が打ち勝った。これはそこで締め括られてしまう物語の先にある話。彷徨う正義はいずこに向かう?
【簡単なあらすじ】
ジャンル:ヒューマンドラマ
悪と戦い、平和を取り戻した国。その代償に用済みになったヒーローたちは、何の保証もなく、ゴミのように国に捨てられた。それでも正義といつまでも戦い続ける男がいたのだ。それは『エスポワール戦隊』のリーダーであった。ホームレス生活を余儀なくされていた彼は、ある日『ジャ・アーク』が復活していることを知る。彼の振りかざす正義は本当に正義なのだろうか? 人々を恐怖に陥れる、彼らの第二幕(平和となったその後)がここに始まる!
【物語の始まりは】
15年間悪と戦ったエスポワール戦隊の終わりから始まっていく。悪と戦う使命のなくなった彼らがその後どのように人生を歩き始めたのか。プロの道を歩んだ者と似通った部分もあり、若い時分にその道に進んだ者は他の仕事ができないのと似ている。しかしその上で、彼らには人外の強さが加わっている。そしてそれが有名人であったならなおさら。働き口が見つからず、路頭に迷っていても不思議ではない。主人公はホームレス生活を送っていたのである。
【舞台や世界観、方向性】
〈個人的に調べた用語〉
瑕疵(かし)(コトバンク調べ)
① きず。欠点。また、あやまち。
② 法律で、通常あるべき品質を欠いていること。また、意思表示に詐欺あるいは強迫などの事由があること。
この物語を読んで感じる、全体の方向性は”善とはなにか?”、”悪とは何か?”である。この世に絶対なる善は存在しない。善意=善でも悪=悪意でもないということ。その上、良いと思っていることが必ずしも笑顔や喜びに繋がるとは限らないのだ。かなりテーマの深い物語である。
【主人公と登場人物について】
主人公はエスポワール戦隊であることから抜け出せない青年。彼をそうしてしまったのは社会なのかもしれない。
彼らは五人戦隊であったが、それぞれ道は異なり考え方も違う。
大きく三つに分類され、悪の元で安定した生活を送っていたもの、現実を見ていたもの、そして正義から抜け出せない者がいる。
それに対し、元悪とされていた彼らはもそれぞれ道は異なる。知恵を使いこの国をわが物にしようとした者、自分の悪を貫き人々を幸せにした者なのど。
【物語について】
皮肉なことに、正義とは悪があるからこそ、価値があり認知されるものである。アニメや漫画などのヒーローには終わりがある。大抵は悪を倒し、平和な世の中が訪れるという結末だ。しかしそれがリアルだったなら? 悪を倒したそのあとの人生というものが存在するのである。
この物語でのヒーローに対する着目点は素晴らしいと思う。ヒーローたちが使っている武器は、悪に対して使われるものであるから民衆は安心していられる。しかし悪が倒された時、彼らの手に残るのは”危ない武器”だ。そしてその正義は悪にたいして向いていたものだからだったのだ。だが悪が失われた時、その力が”単なる人殺しの行為”だと思われてしまったならば? 彼らの居場所は何処にあるのだろうか? この物語では、用済みとなってしまったヒーローがどうなっていくのかが描かれている。その人生はそれぞれであり、必ずしも正義=幸せとはならない。
【良い点(箇条書き)】
・これは単なる正義と悪の物語ではない。
・世の中の矛盾についても取り上げられている。
・正義と悪は正義=善であり良いもの。悪は悪いもの。これはイメージでしかなく、その構造は複雑である。簡単に答えを出すことのできないものなのだ。
例えば法のもとに正しいことが、個人として善とは限らないように。そういうことも盛り込まれている物語である。
・読めば読むほど、正義とは何なのか? 考えさせられ、混乱する物語でもある。
・主人公の葛藤が分かりやすく、この世は理不尽な世の中なのだということが伝わって来る。
【備考(補足)】9ページ目まで拝読
【見どころ】
まず第一に、凄い部分にスポットをあてているヒューマンドラマだと感じた。誰しも一度は戦隊モノやヒーローもののアニメを見かけたことがあるだろう。テレビで見かけたことがなくても、街中ですれ違う幼児がそのシャツを着ていることもあるだろうし、CMや玩具売り場で見かけたことがあるかも知れない。彼らは子供もしくは大人たちの絶対的なヒーローの象徴なのではないだろうか? しかしそれは絶対的な悪に対して振りかざされる正義だからこそ支持されるのである。そして悪が蔓延っているからこそ、目を向けられるのだ。
もし、この世の中に善しかなかったなら? その力は何処へ向けられるのだろうか? もしかしたら一般市民に向けられるのでは?
人は恐怖や不安から逃れられない生き物なのだ。
そんな世の中で、何も終わることなく一人正義を振りかざし続ける人間がいた。それが絶対的な正義でないと知らずに。しかしそうなってしまったことには、ちゃんと理由も存在したのである。
必要な時には称えられ、不要になればゴミのように捨てられた彼らの末路とは? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる