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3話 図書館と彼
4 彼女の話から見えてくるもの
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陽菜たちは小学生兄弟と。
テーブルをくっつけ4人席にして貰い楽しくおしゃべりをしながらランチを楽しんでいる。
戀はその兄弟の母とカウンターで話を聞きながらランチを取っていた。
本来ならば立場は逆だろうが、自分では何が必要な情報なのか分からないという陽菜から願いでもある。
「わたしも何度かお会いしたことがあるわ」
彼らの母は自分の分は出すと言っていたが、情報料として出す代わりに知りたいことを教えて欲しいと言えば快諾してくれた。これで聴きやすくもなると思った戀は、予め頭の中で必要だと思ったことを彼女に質問していく。
お昼時とあってか、珈琲店は賑わいを見せていた。もしかしたら陽菜の兄も一度くらいはここに来たことがあるのかもしれないと思う。
平日と土日では当然のごとく常連客も違う。
時間帯でも常連客は違うものだ。
決して客席数が多い方とは言えないこの珈琲店が愛されるのは、居心地が良いからだと思われた。
「曜日と時間帯って覚えておられます?」
「曜日はまちまちだった気がするわ。土日でも会った気がする」
話をしたこともあるが、子供たちがお菓子を貰ったお礼程度。世間話をする関係にはならなかったようだ。
もっとも兼業主婦な上、まだ手がかかる子供が二人もいる。仕事帰りであり、夕飯を作る前に迎えに行っていたということからそのような時間はなかったとも言えるだろう。
「子供の迎えはスーパーで働いている都合上、わたしの役目なの。夕飯の買いだしをしてその帰りに子供たちを迎えに行って、帰宅すると丁度夫が帰ってくる時間になるわ」
彼女の夫の元居た会社はあの感染症による自粛の影響をもろに受けた。あの時、明暗を分けたのはなんだったのか。自粛で操業停止した場所もあれば、その影響でフル稼働して設けた企業もある。
働き方改革により、馬車馬のように働かせられることはなくなった企業はあるだろうが、今残業がないのは余波とも言えるだろう。
再就職できたもののそんな背景があって、彼女の夫は定時あがり。以前であれば、お金のために掛け持ちで働くこともできたろうが、今は働き口を探すもの困難。
そんなことがあって生活は厳しいという。
彼女の家の事情も聴きつつ、知りたい情報を聞き出していく。夫が迎えに行かないということは、彼が陽菜の兄に遭遇したのか聞く必要はないだろう。それでも生活圏を考えると、すれ違った可能性はゼロとは言えない。
そのため、聞くだけ聞いて欲しいと写真を彼女のスマホに送信してもらっている。陽菜によって。警察があてにならないなら、地域の住民に協力してもらう他ないのだ。
「わたしが図書館へ行くのは帰りだけなの。帰り時間が一緒になったことはないけれど、すでに帰った後だったこともあったわね」
図書館の閉館時間は午後8時らしい。その為、彼女のように子供を図書館へ行かせる親は多いという。人の目が多く、安全と考えられるからであろうか。
「日本も決して安全とは言えなくなってきたのに、子供を預ける場所もなければ仕事をしなければ食べていけない。他の国とは違ってその辺で撃たれたりする国ではないけれど、これはこれで生きづらいわね」
彼女はため息をつくと小さく笑う。
彼女の話を聞きながら戀は情報を頭の中でまとめていた。
陽菜の兄はよく図書館へ行っていた。目的は新聞コーナー。彼の性格と目的を鑑みると調べていたのはその地域でしか話題にならないような記事。
地域のニュースの中でもTVで放送されているのかわからないようなものと推定される。人が関心を寄せなければ、その事件や事故について疑問を持ちづらいだろう。
強いては『真実』に辿り着くこともある。
そして陽菜の兄は政治や法律に関心があったと思われた。それは父が店を持っていたから必然的にそうなったともいえる。
だが、まだ彼のいなくなった理由に事件性があるのかそうでないのか分かっていない。
「遭遇しなくなった時期ってわかりますか?」
一番聞きたいのはこれだ。正確な時期が分かれば理由が見えてくると思ったからである。
テーブルをくっつけ4人席にして貰い楽しくおしゃべりをしながらランチを楽しんでいる。
戀はその兄弟の母とカウンターで話を聞きながらランチを取っていた。
本来ならば立場は逆だろうが、自分では何が必要な情報なのか分からないという陽菜から願いでもある。
「わたしも何度かお会いしたことがあるわ」
彼らの母は自分の分は出すと言っていたが、情報料として出す代わりに知りたいことを教えて欲しいと言えば快諾してくれた。これで聴きやすくもなると思った戀は、予め頭の中で必要だと思ったことを彼女に質問していく。
お昼時とあってか、珈琲店は賑わいを見せていた。もしかしたら陽菜の兄も一度くらいはここに来たことがあるのかもしれないと思う。
平日と土日では当然のごとく常連客も違う。
時間帯でも常連客は違うものだ。
決して客席数が多い方とは言えないこの珈琲店が愛されるのは、居心地が良いからだと思われた。
「曜日と時間帯って覚えておられます?」
「曜日はまちまちだった気がするわ。土日でも会った気がする」
話をしたこともあるが、子供たちがお菓子を貰ったお礼程度。世間話をする関係にはならなかったようだ。
もっとも兼業主婦な上、まだ手がかかる子供が二人もいる。仕事帰りであり、夕飯を作る前に迎えに行っていたということからそのような時間はなかったとも言えるだろう。
「子供の迎えはスーパーで働いている都合上、わたしの役目なの。夕飯の買いだしをしてその帰りに子供たちを迎えに行って、帰宅すると丁度夫が帰ってくる時間になるわ」
彼女の夫の元居た会社はあの感染症による自粛の影響をもろに受けた。あの時、明暗を分けたのはなんだったのか。自粛で操業停止した場所もあれば、その影響でフル稼働して設けた企業もある。
働き方改革により、馬車馬のように働かせられることはなくなった企業はあるだろうが、今残業がないのは余波とも言えるだろう。
再就職できたもののそんな背景があって、彼女の夫は定時あがり。以前であれば、お金のために掛け持ちで働くこともできたろうが、今は働き口を探すもの困難。
そんなことがあって生活は厳しいという。
彼女の家の事情も聴きつつ、知りたい情報を聞き出していく。夫が迎えに行かないということは、彼が陽菜の兄に遭遇したのか聞く必要はないだろう。それでも生活圏を考えると、すれ違った可能性はゼロとは言えない。
そのため、聞くだけ聞いて欲しいと写真を彼女のスマホに送信してもらっている。陽菜によって。警察があてにならないなら、地域の住民に協力してもらう他ないのだ。
「わたしが図書館へ行くのは帰りだけなの。帰り時間が一緒になったことはないけれど、すでに帰った後だったこともあったわね」
図書館の閉館時間は午後8時らしい。その為、彼女のように子供を図書館へ行かせる親は多いという。人の目が多く、安全と考えられるからであろうか。
「日本も決して安全とは言えなくなってきたのに、子供を預ける場所もなければ仕事をしなければ食べていけない。他の国とは違ってその辺で撃たれたりする国ではないけれど、これはこれで生きづらいわね」
彼女はため息をつくと小さく笑う。
彼女の話を聞きながら戀は情報を頭の中でまとめていた。
陽菜の兄はよく図書館へ行っていた。目的は新聞コーナー。彼の性格と目的を鑑みると調べていたのはその地域でしか話題にならないような記事。
地域のニュースの中でもTVで放送されているのかわからないようなものと推定される。人が関心を寄せなければ、その事件や事故について疑問を持ちづらいだろう。
強いては『真実』に辿り着くこともある。
そして陽菜の兄は政治や法律に関心があったと思われた。それは父が店を持っていたから必然的にそうなったともいえる。
だが、まだ彼のいなくなった理由に事件性があるのかそうでないのか分かっていない。
「遭遇しなくなった時期ってわかりますか?」
一番聞きたいのはこれだ。正確な時期が分かれば理由が見えてくると思ったからである。
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