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8話 その分岐点
4 心待ちにしていた報告
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陽菜が指しているのは戀のスマホ。
「連絡が来ているみたい」
「ありがとう」
毎回良いところで邪魔をされるなと思いつつ、スマホを手に取る。メッセージアプリのIDを知っている相手なら限られる。電話もしかり。
スマホの契約会社の方のナンバーを知っているのは会社の人間と両親や叔母。しかしながら両親や叔母ならメッセージアプリの方の無料通話を使うだろう。
個人情報が漏洩する事件が多発している為、会社の人間の間ではメッセージアプリは活用していなかった。何かあればセキュリティのしっかりしたところのメールでやりとりすることになっている。
今回の通知はメッセージでも通話でもないようだ。
となるとサイトからのプッシュ通知だろう。現在、戀がプッシュ通知をOKにしているサイトと言えば一か所のみ。
「もしかして、何か分かったのかな」
「え?」
「ほら、例の女子高生グループ」
スマホのロックを解除し、某SNSにINする。すると案の定、DMにマークがついていた。
「もしかしたらあの日、陽菜さんのお兄さんが誰かをつけていたという情報かもしれない」
「だから、そこから離れて」
どうにも捨てきれない推測を即座に否定する陽菜。
「いい? 開くよ」
迷惑メールかもしれないと言う気持ちも捨てきれないし、他のユーザーからの連絡かもしれない。だがほとんどDMをしない戀にとって思い当たる相手は彼女たちだけなのだ。
「ドキドキするわね」
仮に相手が彼女たちだったとしても、何も掴めなかったという残念なお知らせの可能性も否定できない。過度の期待はしない様にしようと頷き合い、DMを開く。
するとそこにはある調査の報告とその経緯が丁寧に書かれていた。
「すごいな。さすがK学生と言うべきか、寮生と言うべきか」
「確かに寮生ならではの調査の仕方よね」
この近辺にあるK学園高等部の女子寮がどの辺りにあるのか知らなかったが、コンビニに寄ると言うことはそこそこ近いところに建っており、他の寮生が活用していてもおかしくはなかった。
そこに着目した彼女たちは事情を寮監、寮母に話し協力して貰ったという。陽菜の兄の写真を見せて回り、まずは見かけたことのある人たちを集める。
2年前のことであるから寮内で知っているのは、恐らく現在の3年生のみであろう。
当時在籍していた多くの先輩たちはK学園大学部へ進学したはず。そこに狙いをつけ、生徒会から学生会へ連絡を取って貰ったようである。そうして当時、この女子寮に在籍していた全員に連絡を取りつけることが出来た。
連絡内容は『2年前の11月22日の21時~数日間にかけて何か気づいたことはなかったか。ダメもとでその頃の日記やブログを調べて欲しい』これである。
何か発見があったら自分たちのところへメッセを送って欲しいという内容を添えて貰ったところ、ある共通点が出てきたのだと言う。
「意外と手書きの日記を書いていた人が多かったらしい。ネットでブログを書いていた人も」
「で、共通点がこれなのね」
その日の夜は珍しく、近くを救急車が通ったと言うのである。
近くに救急病院があれば珍しいことではない。だが遠くから聞こえることはあっても寮のすぐ横を通ったのを見たのは初めてらしい。窓を開けて覗き込むような学生もいたと言う。
「そんな辺鄙《へんぴ》なところに建ってるのかな」
戀の疑問にノートパソコンで立地を検索し始める陽菜。
「すごい立地よ。たぶん女子寮だからだと思う」
不法侵入を防ぐために高い塀が建てられているのは大して不思議には感じなかったが、周りが畑で囲まれている。
どこからでも不審者を発見しやすくするためだろう。
「これだけ見晴らしが良ければ、近づき辛いしな」
「どっちに向かったとか書いてないの?」
「さすがにそれは」
仮に分かったとしても、事件なのか事故なのか分からないだろう。
「戀くん、どうするの?」
「図書館へ行こう」
「今日はもう閉館しているし、後日だね」
陽菜の言葉に頷くが、戀にとって一番考えたくない推理が頭を過っていったのだった。
「連絡が来ているみたい」
「ありがとう」
毎回良いところで邪魔をされるなと思いつつ、スマホを手に取る。メッセージアプリのIDを知っている相手なら限られる。電話もしかり。
スマホの契約会社の方のナンバーを知っているのは会社の人間と両親や叔母。しかしながら両親や叔母ならメッセージアプリの方の無料通話を使うだろう。
個人情報が漏洩する事件が多発している為、会社の人間の間ではメッセージアプリは活用していなかった。何かあればセキュリティのしっかりしたところのメールでやりとりすることになっている。
今回の通知はメッセージでも通話でもないようだ。
となるとサイトからのプッシュ通知だろう。現在、戀がプッシュ通知をOKにしているサイトと言えば一か所のみ。
「もしかして、何か分かったのかな」
「え?」
「ほら、例の女子高生グループ」
スマホのロックを解除し、某SNSにINする。すると案の定、DMにマークがついていた。
「もしかしたらあの日、陽菜さんのお兄さんが誰かをつけていたという情報かもしれない」
「だから、そこから離れて」
どうにも捨てきれない推測を即座に否定する陽菜。
「いい? 開くよ」
迷惑メールかもしれないと言う気持ちも捨てきれないし、他のユーザーからの連絡かもしれない。だがほとんどDMをしない戀にとって思い当たる相手は彼女たちだけなのだ。
「ドキドキするわね」
仮に相手が彼女たちだったとしても、何も掴めなかったという残念なお知らせの可能性も否定できない。過度の期待はしない様にしようと頷き合い、DMを開く。
するとそこにはある調査の報告とその経緯が丁寧に書かれていた。
「すごいな。さすがK学生と言うべきか、寮生と言うべきか」
「確かに寮生ならではの調査の仕方よね」
この近辺にあるK学園高等部の女子寮がどの辺りにあるのか知らなかったが、コンビニに寄ると言うことはそこそこ近いところに建っており、他の寮生が活用していてもおかしくはなかった。
そこに着目した彼女たちは事情を寮監、寮母に話し協力して貰ったという。陽菜の兄の写真を見せて回り、まずは見かけたことのある人たちを集める。
2年前のことであるから寮内で知っているのは、恐らく現在の3年生のみであろう。
当時在籍していた多くの先輩たちはK学園大学部へ進学したはず。そこに狙いをつけ、生徒会から学生会へ連絡を取って貰ったようである。そうして当時、この女子寮に在籍していた全員に連絡を取りつけることが出来た。
連絡内容は『2年前の11月22日の21時~数日間にかけて何か気づいたことはなかったか。ダメもとでその頃の日記やブログを調べて欲しい』これである。
何か発見があったら自分たちのところへメッセを送って欲しいという内容を添えて貰ったところ、ある共通点が出てきたのだと言う。
「意外と手書きの日記を書いていた人が多かったらしい。ネットでブログを書いていた人も」
「で、共通点がこれなのね」
その日の夜は珍しく、近くを救急車が通ったと言うのである。
近くに救急病院があれば珍しいことではない。だが遠くから聞こえることはあっても寮のすぐ横を通ったのを見たのは初めてらしい。窓を開けて覗き込むような学生もいたと言う。
「そんな辺鄙《へんぴ》なところに建ってるのかな」
戀の疑問にノートパソコンで立地を検索し始める陽菜。
「すごい立地よ。たぶん女子寮だからだと思う」
不法侵入を防ぐために高い塀が建てられているのは大して不思議には感じなかったが、周りが畑で囲まれている。
どこからでも不審者を発見しやすくするためだろう。
「これだけ見晴らしが良ければ、近づき辛いしな」
「どっちに向かったとか書いてないの?」
「さすがにそれは」
仮に分かったとしても、事件なのか事故なのか分からないだろう。
「戀くん、どうするの?」
「図書館へ行こう」
「今日はもう閉館しているし、後日だね」
陽菜の言葉に頷くが、戀にとって一番考えたくない推理が頭を過っていったのだった。
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