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最終話 新たなる一歩
5 陽菜の価値観
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「そうだ、初デートどうする?」
咽ていた戀は話を変えることにした。図書館についてしまってはお喋りもできなくなってしまう。
それに、約束しておかないとなんとなく疎遠になってしまいそうで不安に感じたのだ。だが陽菜は驚いた表情をしてこちらを見上げた。
残念なことに彼女が戀の発言の何に驚いたのか、わからない。
「何か変なこと言った? 俺」
「これってデートじゃないのって思って」
”ああ、そういう認識なんだ”と思ったと同時に戀は思わず口元を抑えた。
デートとは日時を表す言葉。日本では恋人たちが一緒に何処かへ行く、ことを指すが待ち合わせ程度の意味合いしか持たない。それと言うのも、日本にはその言葉に適した言語がないからなのかもしれない。
性交に関しては多数の表現があるにも関わず。
そうなってくると、男女の仲を深める手順には動物的なものしかなかったのかもしれないと思う。
男女の恋愛に対しての思想やスタンスは明らかに違う。すべての人がそうとは言えないが、人と好きになりその相手とどうなりたいかではなく単純に相手が欲しいと捉えられる発言をする人は多い。
恋人ができないのは、モテないからではない。誰のことも好きではなく、誰にも興味がないから。単純に『恋人が欲しい』と思っているだけで、相手など自分の基準に達すればいいという考え方だからである。
それはつまり、相手を人間扱いしていないということ。他人を人間扱いしていない者が他人の目に魅力的に映るわけはない。なので結果的にモテないことに繋がる。
恋愛において容姿というのは確かに重要なポイントの一つかもしれない。
だがそれ以上に自分を大切にしてくれる人に惹かれるのではないかと思うのである。
そして『デート』が彼女にとって単なる待ち合わせという意味なら。自分の発言は少しズレているのだろうかと思った。
認識の違いがあるのだろうかと思い陽菜に確認した戀だったが。
「そういうことではなく、なんだろう。特別なところへ行かなくても一緒に約束してお出かけするのはデートなんじゃないかなって思って」
「あ、なるほど」
「戀くんは記念日とか大切にする人?」
「うーん……そこそこ?」
以前のつき合いを思い出してみるが、そんなに頻繫に記念日を祝った記憶はなかった。
「そういうの、大切にしてくれるのは嬉しいけれど。あまり意識すると記念日に追われて疲れちゃうんだって。わたしは戀くんと長く一緒にいたいから、ナチュラルなのがいいな」
言葉を選びながら自分の意見を述べる陽菜。相手を傷つけないようにするってそういうことなんだろうなと思った。
「もちろん、特別なデートも嬉しい。でも初だとか記念日だからって気負わなくていい。行きたくなったら行こうよ」
「そうだね」
陽菜となら肩を張らない穏やかな関係になれるのではないかと感じる。それはとても安らぐ関係。先日一緒にクリスマスツリーを見に行ったことを思い出す。きっとあれも陽菜にとっては理想の形のデートだったに違いない。
「じゃあ、初デートは図書館だね。何を見に行くの?」
「もうすぐクリスマスでしょ。絵本を見に行こうかなって」
クリスマスはいつもの珈琲店でクリスマスパーティーをすることになっていた。
『クリスマスってのは、恋人がイチャイチャする日じゃないの。クリスマスパーティーするわよ。もちろん来るわよね』
叔母から言われた言葉を思い出す。常連客達を招いて料理などを持ち寄ってパーティーをするらしい。今回の捜索に協力してくれた人が多数来ることを知った陽菜は、家族と参加すると言っていた。
「ほら、プレゼント交換しようって言っていたから」
絵本を候補にしているのだと説明する陽菜。
「どんなものがあるのかじっくり眺めるなら、図書館がいいかなって思って。お店だと長居するのも気が引けるし」
いつでも気遣いのできる彼女に、戀が惚れ直したのは言うまでもない。
咽ていた戀は話を変えることにした。図書館についてしまってはお喋りもできなくなってしまう。
それに、約束しておかないとなんとなく疎遠になってしまいそうで不安に感じたのだ。だが陽菜は驚いた表情をしてこちらを見上げた。
残念なことに彼女が戀の発言の何に驚いたのか、わからない。
「何か変なこと言った? 俺」
「これってデートじゃないのって思って」
”ああ、そういう認識なんだ”と思ったと同時に戀は思わず口元を抑えた。
デートとは日時を表す言葉。日本では恋人たちが一緒に何処かへ行く、ことを指すが待ち合わせ程度の意味合いしか持たない。それと言うのも、日本にはその言葉に適した言語がないからなのかもしれない。
性交に関しては多数の表現があるにも関わず。
そうなってくると、男女の仲を深める手順には動物的なものしかなかったのかもしれないと思う。
男女の恋愛に対しての思想やスタンスは明らかに違う。すべての人がそうとは言えないが、人と好きになりその相手とどうなりたいかではなく単純に相手が欲しいと捉えられる発言をする人は多い。
恋人ができないのは、モテないからではない。誰のことも好きではなく、誰にも興味がないから。単純に『恋人が欲しい』と思っているだけで、相手など自分の基準に達すればいいという考え方だからである。
それはつまり、相手を人間扱いしていないということ。他人を人間扱いしていない者が他人の目に魅力的に映るわけはない。なので結果的にモテないことに繋がる。
恋愛において容姿というのは確かに重要なポイントの一つかもしれない。
だがそれ以上に自分を大切にしてくれる人に惹かれるのではないかと思うのである。
そして『デート』が彼女にとって単なる待ち合わせという意味なら。自分の発言は少しズレているのだろうかと思った。
認識の違いがあるのだろうかと思い陽菜に確認した戀だったが。
「そういうことではなく、なんだろう。特別なところへ行かなくても一緒に約束してお出かけするのはデートなんじゃないかなって思って」
「あ、なるほど」
「戀くんは記念日とか大切にする人?」
「うーん……そこそこ?」
以前のつき合いを思い出してみるが、そんなに頻繫に記念日を祝った記憶はなかった。
「そういうの、大切にしてくれるのは嬉しいけれど。あまり意識すると記念日に追われて疲れちゃうんだって。わたしは戀くんと長く一緒にいたいから、ナチュラルなのがいいな」
言葉を選びながら自分の意見を述べる陽菜。相手を傷つけないようにするってそういうことなんだろうなと思った。
「もちろん、特別なデートも嬉しい。でも初だとか記念日だからって気負わなくていい。行きたくなったら行こうよ」
「そうだね」
陽菜となら肩を張らない穏やかな関係になれるのではないかと感じる。それはとても安らぐ関係。先日一緒にクリスマスツリーを見に行ったことを思い出す。きっとあれも陽菜にとっては理想の形のデートだったに違いない。
「じゃあ、初デートは図書館だね。何を見に行くの?」
「もうすぐクリスマスでしょ。絵本を見に行こうかなって」
クリスマスはいつもの珈琲店でクリスマスパーティーをすることになっていた。
『クリスマスってのは、恋人がイチャイチャする日じゃないの。クリスマスパーティーするわよ。もちろん来るわよね』
叔母から言われた言葉を思い出す。常連客達を招いて料理などを持ち寄ってパーティーをするらしい。今回の捜索に協力してくれた人が多数来ることを知った陽菜は、家族と参加すると言っていた。
「ほら、プレゼント交換しようって言っていたから」
絵本を候補にしているのだと説明する陽菜。
「どんなものがあるのかじっくり眺めるなら、図書館がいいかなって思って。お店だと長居するのも気が引けるし」
いつでも気遣いのできる彼女に、戀が惚れ直したのは言うまでもない。
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