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一章:佳奈編
10・虐げられた日
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佳奈はあの日のことを思い出し、ゾッとした。
眠気と戦い、やっとのことで部屋にたどり着いた佳奈。
背後の気配に気づかなかった。
『!』
佳奈は、一志に襲われたのだった。
あれから別れるまでの辛い日々。
どんなに拒絶をしても、
『佳奈とするのは気持ちいい』
と自分勝手なことを言い続けた、一志。
抵抗しても、男の力に適うはずはなかった。好きでもない男との望まない性交は、佳奈の心を蝕む。
友人にも言えずに心に抱え続けた。
────言えばきっと、あの子にも後悔させてしまう。
何も言えないまま、時間ばかりが過ぎていく。
そんな時、友人男性にも問題が発覚した。
『別れさせてやろうか?』
そう、言ってくれた彼。
────いい人だと信じていたのにな。
佳奈は自分が受けた忘れたい日々よりも、友人の起こした問題の方が心に深い傷として残った。
彼は所属する地域のサークルで出逢った、年の離れた女性と不倫をしていたのだ。
佳奈は本人から聞いて、彼が妻帯者であることを知っていたが、相手には秘密にしそういう関係になったとのこと。
それだけならば、佳奈も彼と縁を切ることはなかった。
彼は交際相手にそのことを黙っていた上に、彼女から結婚を迫られその相手との連絡を突然絶ったらしい。
妻に知れたのが原因らしいが、一度や二度ではなかったようだ。
しかも初めに佳奈に近づいた理由もまた同じだった。
ただ、佳奈はまったく彼に興味を示さなかったため、早々に諦めたようだ。その事を知った時、とても残念な気持ちになった。
男女は所詮、友人にはなれないのだろうかと。
息の詰まる毎日にホンの少し差した光は、あっという間に消失したのである。
四人で遊べなくなった理由については、一志にも話す必要があった。
一志は水を得た魚のように、彼を悪く言い始める。
佳奈は友人を失った代わりに、一志と会う機会が少しだけ減ったことに安堵した。だが、監視されていることには変わりない。
唯一会うことの出来ていた彼女も更に仕事が忙しくなった為、息抜きをする機会すら失ったのである。
いろんな理由をつけ、会わないようにしてきたがそれにも限界があった。
しかし、どんな暴言をぶつけようとも、
『佳奈が好き』
の一点張り。
目の前には何処までも深い闇が拡がっているように思えた。
もう、誰にも頼ることはできない。この地獄のような毎日を自分の手で変えなければいけないと思い始めていたのだった。
────どんなに辛くても、必ず光は差す。諦めない限り。
今なら、そう思える。
眠気と戦い、やっとのことで部屋にたどり着いた佳奈。
背後の気配に気づかなかった。
『!』
佳奈は、一志に襲われたのだった。
あれから別れるまでの辛い日々。
どんなに拒絶をしても、
『佳奈とするのは気持ちいい』
と自分勝手なことを言い続けた、一志。
抵抗しても、男の力に適うはずはなかった。好きでもない男との望まない性交は、佳奈の心を蝕む。
友人にも言えずに心に抱え続けた。
────言えばきっと、あの子にも後悔させてしまう。
何も言えないまま、時間ばかりが過ぎていく。
そんな時、友人男性にも問題が発覚した。
『別れさせてやろうか?』
そう、言ってくれた彼。
────いい人だと信じていたのにな。
佳奈は自分が受けた忘れたい日々よりも、友人の起こした問題の方が心に深い傷として残った。
彼は所属する地域のサークルで出逢った、年の離れた女性と不倫をしていたのだ。
佳奈は本人から聞いて、彼が妻帯者であることを知っていたが、相手には秘密にしそういう関係になったとのこと。
それだけならば、佳奈も彼と縁を切ることはなかった。
彼は交際相手にそのことを黙っていた上に、彼女から結婚を迫られその相手との連絡を突然絶ったらしい。
妻に知れたのが原因らしいが、一度や二度ではなかったようだ。
しかも初めに佳奈に近づいた理由もまた同じだった。
ただ、佳奈はまったく彼に興味を示さなかったため、早々に諦めたようだ。その事を知った時、とても残念な気持ちになった。
男女は所詮、友人にはなれないのだろうかと。
息の詰まる毎日にホンの少し差した光は、あっという間に消失したのである。
四人で遊べなくなった理由については、一志にも話す必要があった。
一志は水を得た魚のように、彼を悪く言い始める。
佳奈は友人を失った代わりに、一志と会う機会が少しだけ減ったことに安堵した。だが、監視されていることには変わりない。
唯一会うことの出来ていた彼女も更に仕事が忙しくなった為、息抜きをする機会すら失ったのである。
いろんな理由をつけ、会わないようにしてきたがそれにも限界があった。
しかし、どんな暴言をぶつけようとも、
『佳奈が好き』
の一点張り。
目の前には何処までも深い闇が拡がっているように思えた。
もう、誰にも頼ることはできない。この地獄のような毎日を自分の手で変えなければいけないと思い始めていたのだった。
────どんなに辛くても、必ず光は差す。諦めない限り。
今なら、そう思える。
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