完結【異性恋愛】『世界で一番愛しい君』

crazy’s7@体調不良不定期更新中

文字の大きさ
47 / 60
5【世界で一番愛しい君を】未来編2

6 『相手がわからない問題』

しおりを挟む
「まあ、あれだよね。別れても別れてもくっつくのは、それもまた一つの運命なんじゃないの?」
 平田にそう言われ、一旦そちらに視線を向けたものの再び手元に視線を戻す優人。
 手元のスマホには一通のメッセージ。
 姉からである。
「で? どうすんの?」
 メッセージには『婚約おめでとう』の文字。
 正直、優人は困惑していた。

 ──誰といつ?

「身に覚えがないんだが」
 とため息をつく優人。
 平田は埴輪顔だ。
「ゆあち以外と婚約して、佳奈さんが祝福してくれる確率は?」
 佳奈とは姉の名だ。
「100かな」
「100?! なにそれ。どういうことなの?!」
 平田が驚くのも無理はない。まるで姉が結愛との交際を反対しているように感じてしまう反応だろう。

「姉は基本、俺がなにをしても反対はしないから。ちゃんと責任が持てるなら、自由って考え方」
「なるほど。和宏さんとは真逆?」
 和宏とは兄の名だ。
「兄は過保護なだけだと思う」

 兄も姉も末っ子の優人には昔から甘かった。
 姉には『優人のしたいことをすればいいけれど、転んでケガするのは自分。痛いのも自分。だからよく考えて、後悔しないようにしなさいね』と言われてきた。
 一方兄には、『大人になれば学ぶことも多いし、選択も広がる。だから安易な行動はしてはいけない』と教わったのだ。

 つきあった人数は多いが、性交渉をした相手は結愛のみ。
 それは兄と姉の教えを守った結果でもある。

「問題は相手が誰なのかだけれど」
 と優人。
「また、ゆあちが思い込みで佳奈さんに言ったんじゃないの?」
「それならそれで、いいんだけど」
「いいのかよ!」
 と平田。

「平田が言ったんだろ。どうせ結愛の思い通りにしかならないから、諦めろって」
「それはそうだが。諦めてんの?」
 アイスティーに口をつける優人を眺めながら、平田はチョコを摘まむ。
「どうかな」
 実際のところ、好きというのと相手の思い通りにされるというのは別物だと、思っている。
 どんな相手であれ、許せるものと許せないものはあるはずだ。

「しかし、ゆあちとの交際を和宏さんが容認してるのが意外」
「容認……なのかなあ?」
「どう見ても苦労しそうな相手との交際なんて、許可しそうにないじゃない」
 兄は確かに過保護だし、転ばぬ先の杖をすることは多い。
 けれども、なんでもかんでも反対する人ではないのだ。
 平田はきっと誤解していると思った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

雨はまだ降り続いている…〜秘密の契約結婚〜

和泉 花奈
恋愛
主人公の観月 奈緒(25)は、ある日突然仕事に行けなくなり、ずっとお家の中に引きこもっている。 そんな自分を変えたくて足掻き苦しんでいるが、なかなかあと一歩が踏み出せずにいる。 勇気を出して家から出た奈緒は、たまたまぶつかった須藤 悠翔という男に出会い、運命が大きく揺れ動く。 ※突然で申し訳ないのですが、投稿方式を変えました。 これまで1〜3話をまとめて1話にしておりますが、各話1話ずつそれぞれで公開することにしました。 急な変更に伴い、読者の皆様にご迷惑をお掛けして申し訳ございません。 これからも引き続き作品の応援をよろしくお願い致します。                   2025/10/21 和泉 花奈

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

小野寺社長のお気に入り

茜色
恋愛
朝岡渚(あさおかなぎさ)、28歳。小さなイベント企画会社に転職して以来、社長のアシスタント兼お守り役として振り回される毎日。34歳の社長・小野寺貢(おのでらみつぐ)は、ルックスは良いが生活態度はいい加減、デリカシーに欠ける困った男。 悪天候の夜、残業で家に帰れなくなった渚は小野寺と応接室で仮眠をとることに。思いがけず緊張する渚に、「おまえ、あんまり男を知らないだろう」と小野寺が突然迫ってきて・・・。 ☆全19話です。「オフィスラブ」と謳っていますが、あまりオフィスっぽくありません。 ☆「ムーンライトノベルズ」様にも掲載しています。

降っても晴れても

凛子
恋愛
もう、限界なんです……

憧れの彼は一途で優しくて時々イジワル

RIKA
恋愛
営業課長・永瀬綋司は、その容姿や優秀ぶりから多くの女性社員にとって憧れの的。 久遠香澄もその一人だが、過去の恋愛で負ったトラウマから自分に自信がもてず恋愛を封印して過ごしていた。 ある日、香澄は会社帰りに偶然永瀬と駅で遭遇する。 永瀬に誘われて二人で食事に行くことになり緊張する香澄だが、話しているうちに少しずつ緊張もほぐれてゆく。 話題が恋愛の話になったとき、彼は香澄に向かって突然驚くべき言葉を口にした。 「好き。――俺の彼女になってくれない?」

アダルト漫画家とランジェリー娘

茜色
恋愛
21歳の音原珠里(おとはら・じゅり)は14歳年上のいとこでアダルト漫画家の音原誠也(おとはら・せいや)と二人暮らし。誠也は10年以上前、まだ子供だった珠里を引き取り養い続けてくれた「保護者」だ。 今や社会人となった珠里は、誠也への秘めた想いを胸に、いつまでこの平和な暮らしが許されるのか少し心配な日々を送っていて……。 ☆全22話です。職業等の設定・描写は非常に大雑把で緩いです。ご了承くださいませ。 ☆エピソードによって、ヒロイン視点とヒーロー視点が不定期に入れ替わります。 ☆「ムーンライトノベルズ」様にも投稿しております。

処理中です...