今、君に伝えたいこと

第1章

出会い

「それでは委員会を始めます。皆さん、静かにしてください。」

いつの間にか来ていた保険医の先生がそう言うと、騒がしかった教室が少し静かになりだす。



他の何人かも来てない様子だが、殆ど集まっている状態で、自分のクラスの相方がいない事に少し気まずさを感じていた。



予鈴が鳴るか鳴らないかぐらいの時に扉がガラッと開く。



「すみません、遅れました。」

「はい、大丈夫ですよ。これから始めますのでクラスの番号が書いてある席に座ってくださいね。」


彼女はキョロキョロと辺りを見回しながらテーブルの番号に目をやる。
そして、彼女は自分の隣に座りニコッと笑う。


「遅れてごめんね。迷子になっちゃった。」

「あ…ううん…別に…」

隣に座った彼女はどこか大人っぽく、肌が透き通るような色をしていた。
どちらかと言えば可愛い系より綺麗系で、何より自分の好みだった。

生まれてこの方彼女がいない自分にとっては高校生になったからと言って女性と話すのは容易なことではなく、やっぱり緊張するものだ。

しかしこんな可愛い子がクラスに居たなんて思いもしなかった。
いや、居たのかもしれないがまだ入学して間もないし全員を全員把握していた訳でも無い。

名前だけは見ていたが顔までは一致して居なかったのだろう。


素っ気ない態度を取ってしまい、反省していると彼女はまた話しかけてくる。


「君、名前は？」

「え？俺？」

「そう、君。」

「宗佑そうすけ、佐藤宗佑そうすけ。」

「私は唯ゆい。斎藤唯ゆい、、宜しくね、宗佑君。」

そう言ってまた、ニコッと笑った顔は今でも忘れられない。


これが彼女との初めての出会いだった。