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3)洗い場にて
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「では、お客様、まずお身体をお洗い下さい」
僕は蛇口とシャワーがある、洗い場の前に案内される。そこで身体を綺麗に洗うように言われた。
「は、はい、わかりました」
しかし僕は椅子に座りながら、素直にそう答えたものの、もうここまで来ると、はやる気持ちが抑えられなくなっていた。
さっさと少女風呂に入りたい!
身体を洗うのなんて面倒だ!
少女風呂、それはいったいどんなものなんだ!
早く、その少女風呂を味わいたくて、堪らない気分だったのだ。
少女たちはすぐ傍にいる。少し大股に歩けば、五歩か六歩で到着する距離。それなのに今更、身体を洗えなんて。
番台に座っていたあの女の子は、とても優しい口調で僕にそう言ってきたのだけど、僕はこの言葉にイラッとしてしまった。
少し不機嫌な表情が顔に出てしまったのかもしれない。
「あっ、す、すいません。べ、別にお客様の身体が不潔だから、洗って下さいって言ってるじゃありませんよ」
きっとそのせいであろう、女の子は酷く慌てて口調で言ってきた。「そ、それが決まりなんです。生まれたての赤ちゃんであっても、まずお風呂に入るときは身体を洗いますよね。そういうことなので、お客様がどうとかこうとか、そういうのじゃありません」
「わ、わかってます」
女の子は僕の不機嫌さを機敏に感じ取ったようだ。
その子の神経のこまやかさに驚かされながら僕は言った。
「すいませんね、少し慌てちゃって」
僕はテヘヘと笑う。女の子も同じように微笑み返してきた。
少し大人げなかったかもしれない。こんなことで、この女の子に嫌われたくもないし、見下げられたくもなかった。
もう少女風呂は目の前なのだ。
たった五分かそれくらい、楽しみが引き延ばされただけである。
いきなり大地震でも来ない限り、僕があの少女風呂に身体を沈めることは確実な未来なのである。
僕はタオルに石鹸をこすりつけて泡立てる。
何だか驚くほど泡立った気がする。それにやけに、その石鹸の香りが鼻をくすぐる。とても良い匂いに感じたのだ。
「凄い石鹸ですね。何か特別な石鹸なんですか?」
僕は少し余裕を見せるためにも女の子に尋ねた。
「えっ? 石鹸ですか、いえ、普通の石鹸だと思いますけど・・・」
女の子は僕の言葉に戸惑いながら首を傾げた。
「あれ? ・・・そ、そうですよね」
もしかしたら僕の五感が、やたらと敏感になっているのかもしれない。
僕はもうそれくらいに高ぶっているのだ。
僕は蛇口とシャワーがある、洗い場の前に案内される。そこで身体を綺麗に洗うように言われた。
「は、はい、わかりました」
しかし僕は椅子に座りながら、素直にそう答えたものの、もうここまで来ると、はやる気持ちが抑えられなくなっていた。
さっさと少女風呂に入りたい!
身体を洗うのなんて面倒だ!
少女風呂、それはいったいどんなものなんだ!
早く、その少女風呂を味わいたくて、堪らない気分だったのだ。
少女たちはすぐ傍にいる。少し大股に歩けば、五歩か六歩で到着する距離。それなのに今更、身体を洗えなんて。
番台に座っていたあの女の子は、とても優しい口調で僕にそう言ってきたのだけど、僕はこの言葉にイラッとしてしまった。
少し不機嫌な表情が顔に出てしまったのかもしれない。
「あっ、す、すいません。べ、別にお客様の身体が不潔だから、洗って下さいって言ってるじゃありませんよ」
きっとそのせいであろう、女の子は酷く慌てて口調で言ってきた。「そ、それが決まりなんです。生まれたての赤ちゃんであっても、まずお風呂に入るときは身体を洗いますよね。そういうことなので、お客様がどうとかこうとか、そういうのじゃありません」
「わ、わかってます」
女の子は僕の不機嫌さを機敏に感じ取ったようだ。
その子の神経のこまやかさに驚かされながら僕は言った。
「すいませんね、少し慌てちゃって」
僕はテヘヘと笑う。女の子も同じように微笑み返してきた。
少し大人げなかったかもしれない。こんなことで、この女の子に嫌われたくもないし、見下げられたくもなかった。
もう少女風呂は目の前なのだ。
たった五分かそれくらい、楽しみが引き延ばされただけである。
いきなり大地震でも来ない限り、僕があの少女風呂に身体を沈めることは確実な未来なのである。
僕はタオルに石鹸をこすりつけて泡立てる。
何だか驚くほど泡立った気がする。それにやけに、その石鹸の香りが鼻をくすぐる。とても良い匂いに感じたのだ。
「凄い石鹸ですね。何か特別な石鹸なんですか?」
僕は少し余裕を見せるためにも女の子に尋ねた。
「えっ? 石鹸ですか、いえ、普通の石鹸だと思いますけど・・・」
女の子は僕の言葉に戸惑いながら首を傾げた。
「あれ? ・・・そ、そうですよね」
もしかしたら僕の五感が、やたらと敏感になっているのかもしれない。
僕はもうそれくらいに高ぶっているのだ。
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