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5)とっておきの作戦
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僕はこの仕事において、二つの種類のエッチを求める必要があるのだ。
素晴らしい作品を作って、ユーザーや、スポンサーさんたちを満足させられるような作品、そのためのエロさ。
そしてこの撮影で、僕自身が出来るだけおいしい思いを味わいたいという個人的なエロエロ欲望。
その二つ、重なる部分もあるけれど、完璧に一致はしない。
それは肝に銘じておかなくてはいけない。
もし僕が個人的エロ欲望を追及することに夢中になって、あの二人の女の子にエッチな男性だと軽蔑されてしまったら、絶対に良い作品は撮れない。
ディレクターとしての僕は終わり。完全終了である。
「じゃあ、お尻をこっちに向けて」と僕が指示を出したとしても、女の子は聞こえないふりをしたり、いやいや行動したりとか、そういうことが起きてしまう。
嫌な空気が現場に流れるのだ。
そういうことになると、途中でディレクターを降ろされてしまうことだってあるかもしれない。
彼女たちを買いかぶってはいけない。確かに椎名美咲ちゃんはプロだけど、きっとそれ以上に自分の感情で動く。
女の子なんてそういう生き物。
この人たちは嫌いだけど、仕事のために割り切ろうなんて思ってくれないはず。
女の子は我儘なんだ。しかも彼女はアイドル。可愛く生まれた現代のお姫様。
だから僕は出来るだけ自分のエロさを隠さなくてはいけない。
でも、はっきり言って、僕は二人の女の子の乳首を見たいのだ。彼女たちのおっぱいを触りたいのだ。
だってこんな機会は絶対にないはずで、この機会を逃せば、きっと後悔するはず。
しかし当然のこと、彼女たちの乳首を映すわけにはいかないのである。
ゆかりちゃんなんて、もしかしたら水着パンチラすらNGの可能性もある。
まあ、もちろん、カメラではパンチラを映さないくせに、「現場ではこれ、絶対に見えているよね」という作品は多い。
そういうことが起きているのも、アイドルイメージビデオの現場でもある。
普通の日常とは違う世界であることも事実なのだ。
僕の個人的なエロい欲望が満たされる余地だってきっとあるはず。
実はそれに関しても僕にはとっておきの奥の手があった。
「えーと、わかりました。全て了解です。それでですね、担当さん、僕からも一つ、言っておきたいことがあります。もし僕がディレクターをするならばこうしようって、ずっと前から考えていたことなんです」
僕は少し改まった口調で担当さんに言った。
「はあ、何ですか?」
「僕ですね、ゲイの振りをしようと思うんです。女の子たちの前では。そのほうが多分、彼女たちは僕に気を許してくれると思うんです」
「ゲイですって?」
「もっと正確に言えば、オネエですね」
そう、これが僕のとっておきの作戦だ。
「ああ、なるほど」
「『ちょっとあんたたち、今日のお肌の調子、最高じゃないの』そういう感じで話したいと思っています」
「『女の子として生まれて、あんたたち凄いラッキーでハッピーよね』って感じですか?」
さすが僕の担当さんだ。彼もなかなかオネエ言葉が上手。「いいんじゃないのかしら、そのアイデア」ウフフと言ってくる。
「担当さん、笑わないで下さいね。それもこれも、作品のためですから」
「むしろ僕のほうからも、その噂を積極的に流しましょうか? ディレクターさんは美少年が好きで、男の子のお尻を追いかけているハードゲイだって」
「そ、それはやめて下さいよ。何となくでいいです」
「ああ、そうですか」
素晴らしい作品を作って、ユーザーや、スポンサーさんたちを満足させられるような作品、そのためのエロさ。
そしてこの撮影で、僕自身が出来るだけおいしい思いを味わいたいという個人的なエロエロ欲望。
その二つ、重なる部分もあるけれど、完璧に一致はしない。
それは肝に銘じておかなくてはいけない。
もし僕が個人的エロ欲望を追及することに夢中になって、あの二人の女の子にエッチな男性だと軽蔑されてしまったら、絶対に良い作品は撮れない。
ディレクターとしての僕は終わり。完全終了である。
「じゃあ、お尻をこっちに向けて」と僕が指示を出したとしても、女の子は聞こえないふりをしたり、いやいや行動したりとか、そういうことが起きてしまう。
嫌な空気が現場に流れるのだ。
そういうことになると、途中でディレクターを降ろされてしまうことだってあるかもしれない。
彼女たちを買いかぶってはいけない。確かに椎名美咲ちゃんはプロだけど、きっとそれ以上に自分の感情で動く。
女の子なんてそういう生き物。
この人たちは嫌いだけど、仕事のために割り切ろうなんて思ってくれないはず。
女の子は我儘なんだ。しかも彼女はアイドル。可愛く生まれた現代のお姫様。
だから僕は出来るだけ自分のエロさを隠さなくてはいけない。
でも、はっきり言って、僕は二人の女の子の乳首を見たいのだ。彼女たちのおっぱいを触りたいのだ。
だってこんな機会は絶対にないはずで、この機会を逃せば、きっと後悔するはず。
しかし当然のこと、彼女たちの乳首を映すわけにはいかないのである。
ゆかりちゃんなんて、もしかしたら水着パンチラすらNGの可能性もある。
まあ、もちろん、カメラではパンチラを映さないくせに、「現場ではこれ、絶対に見えているよね」という作品は多い。
そういうことが起きているのも、アイドルイメージビデオの現場でもある。
普通の日常とは違う世界であることも事実なのだ。
僕の個人的なエロい欲望が満たされる余地だってきっとあるはず。
実はそれに関しても僕にはとっておきの奥の手があった。
「えーと、わかりました。全て了解です。それでですね、担当さん、僕からも一つ、言っておきたいことがあります。もし僕がディレクターをするならばこうしようって、ずっと前から考えていたことなんです」
僕は少し改まった口調で担当さんに言った。
「はあ、何ですか?」
「僕ですね、ゲイの振りをしようと思うんです。女の子たちの前では。そのほうが多分、彼女たちは僕に気を許してくれると思うんです」
「ゲイですって?」
「もっと正確に言えば、オネエですね」
そう、これが僕のとっておきの作戦だ。
「ああ、なるほど」
「『ちょっとあんたたち、今日のお肌の調子、最高じゃないの』そういう感じで話したいと思っています」
「『女の子として生まれて、あんたたち凄いラッキーでハッピーよね』って感じですか?」
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「担当さん、笑わないで下さいね。それもこれも、作品のためですから」
「むしろ僕のほうからも、その噂を積極的に流しましょうか? ディレクターさんは美少年が好きで、男の子のお尻を追いかけているハードゲイだって」
「そ、それはやめて下さいよ。何となくでいいです」
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