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8)露出度レベルのランク付け
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天羽ゆかりちゃんのマネージャーは中年の女性だった。きっと僕よりも年上だ。小柄で小太りで、動きもテキパキしていて、やり手の雰囲気が漂っている。
「うちの天羽を採用していただいてありがとうございます。共演する椎名さんはこの業界では有名な子。グラビアデビュー作としては話題性は十分です。しかしこの子にとって水着のお仕事初めて。水着は当然、パラオでお願いします。胸の谷間を強調したカットもNGで」
ゆかりちゃんのマネージャーさんは担当さんにだけ言う。
隣の僕の存在はさりげなく無視だ。新人監督なんてどうでもいい。そういう態度だった。
「天羽は女優として育てていくつもりです。この仕事はあくまで話題作りのため。そちらの方向に積極的に進む気はありませんので」
「はい、わかっています」
それは当然のこと、十分に予測していたことだ。その制限の中でどれだけエロい作品を作ることが出来るか、それが僕たちの仕事。
こっちだって清純派女優としての天羽ちゃんを抜擢したつもりである。
そもそも、露出度の低い天羽ゆかりちゃんと、露出度の高い椎名美咲ちゃんを組み合わせることで、これまでにないイメージビデオを作るというのが僕の方針。
とはいえ、彼女の事務所はかなりの弱小事務所でもある。
そして天羽ゆかりはまだまだ無名。そこはつけ込みどころでもある。
向こうだって迷いが感じられるのだ。僕のような新人ディレクターの仕事に応じたのだってその迷いが原因。
なし崩しに、もう少し露出度のレベルは上げられるはずだ。きっと担当さんなんかは、そういう計算もしている。
ところで、パラオ着用、胸の強調カット無し。
それは僕の区分わけではAタイプに分類される。超売れっ子アイドルの最初の写真集なんか、そのAランク。
一応、僕はイメージビデオマニアである。これまでに数え切れないくらいの作品を見てきて、おおよそのパターンのようなものを見出している。
イメージビデオには露出度によって、明確にランク付けが出来るのだ。ざっと説明するとこういう感じ。
Aランク。パラオ着用。胸の谷間の接写無し。
Bランク。ビキニあり。胸の谷間強調シーンあり。
Cランク。お尻の食い込みあり。横乳や、下乳など、乳房の部分露出。筋ありの場合もあり。
Dランク。水着パンチラシーンあり。後ろ筋あり。自分の手で乳房を揉んだり、胸を強調するシーンあり。ノーブラ風の前屈みシーンも。
Eランク。Tバック。水着ではなくて下着でのパンチラ。
Fランク。ブラを外す。手ブラ。
Gランク。パンツを脱ぐ。お尻を見せる。
Hランク。乳首を見せる。
当然、このランク付けには色々と異論もあるだろう。
もっと正確なランク付けが出来るという批評家さんもいるに違いない。これは議論のたたき台くらいのものだと理解していただきたい。
しかし確実に言えることは、そのランク付けのようなものは作品の中では一貫していること。
胸の谷間も強調しないアイドルは、お尻の接写シーンだってないこと。お尻、下半身のほうがやはり露出度レベルが高いのである。
しかしパンツを脱いで、生尻を曝す女の子であっても、乳首は出さない。乳首を出すのは最終手段だということ。
そこに個人差というものがほとんどないのがこの世界の鉄則である。
憲法のように決まっているのだ。乳首は出すけどお尻は出さないグラビアアイドルは存在しない。
おっと、乳首とかお尻丸出しは、美咲ちゃんやゆかりちゃんには関係ないことだ。彼女たちに関わるのはこれだろうか。水着パンチラありかなしか!
たとえ水着であっても、パンチラシーンというのは滅多にない。
水着パンチラシーンというのは、かなりのエロレベルであることも、ここに強調しておきたい。このランク付けではDランク。ちなみに、椎名ちゃんはここにいます。
Aランクの天羽ゆかりちゃんと、Dランクの椎名美咲ちゃんの競演による秩序壊乱。それがこの作品の狙い。
「うちの天羽を採用していただいてありがとうございます。共演する椎名さんはこの業界では有名な子。グラビアデビュー作としては話題性は十分です。しかしこの子にとって水着のお仕事初めて。水着は当然、パラオでお願いします。胸の谷間を強調したカットもNGで」
ゆかりちゃんのマネージャーさんは担当さんにだけ言う。
隣の僕の存在はさりげなく無視だ。新人監督なんてどうでもいい。そういう態度だった。
「天羽は女優として育てていくつもりです。この仕事はあくまで話題作りのため。そちらの方向に積極的に進む気はありませんので」
「はい、わかっています」
それは当然のこと、十分に予測していたことだ。その制限の中でどれだけエロい作品を作ることが出来るか、それが僕たちの仕事。
こっちだって清純派女優としての天羽ちゃんを抜擢したつもりである。
そもそも、露出度の低い天羽ゆかりちゃんと、露出度の高い椎名美咲ちゃんを組み合わせることで、これまでにないイメージビデオを作るというのが僕の方針。
とはいえ、彼女の事務所はかなりの弱小事務所でもある。
そして天羽ゆかりはまだまだ無名。そこはつけ込みどころでもある。
向こうだって迷いが感じられるのだ。僕のような新人ディレクターの仕事に応じたのだってその迷いが原因。
なし崩しに、もう少し露出度のレベルは上げられるはずだ。きっと担当さんなんかは、そういう計算もしている。
ところで、パラオ着用、胸の強調カット無し。
それは僕の区分わけではAタイプに分類される。超売れっ子アイドルの最初の写真集なんか、そのAランク。
一応、僕はイメージビデオマニアである。これまでに数え切れないくらいの作品を見てきて、おおよそのパターンのようなものを見出している。
イメージビデオには露出度によって、明確にランク付けが出来るのだ。ざっと説明するとこういう感じ。
Aランク。パラオ着用。胸の谷間の接写無し。
Bランク。ビキニあり。胸の谷間強調シーンあり。
Cランク。お尻の食い込みあり。横乳や、下乳など、乳房の部分露出。筋ありの場合もあり。
Dランク。水着パンチラシーンあり。後ろ筋あり。自分の手で乳房を揉んだり、胸を強調するシーンあり。ノーブラ風の前屈みシーンも。
Eランク。Tバック。水着ではなくて下着でのパンチラ。
Fランク。ブラを外す。手ブラ。
Gランク。パンツを脱ぐ。お尻を見せる。
Hランク。乳首を見せる。
当然、このランク付けには色々と異論もあるだろう。
もっと正確なランク付けが出来るという批評家さんもいるに違いない。これは議論のたたき台くらいのものだと理解していただきたい。
しかし確実に言えることは、そのランク付けのようなものは作品の中では一貫していること。
胸の谷間も強調しないアイドルは、お尻の接写シーンだってないこと。お尻、下半身のほうがやはり露出度レベルが高いのである。
しかしパンツを脱いで、生尻を曝す女の子であっても、乳首は出さない。乳首を出すのは最終手段だということ。
そこに個人差というものがほとんどないのがこの世界の鉄則である。
憲法のように決まっているのだ。乳首は出すけどお尻は出さないグラビアアイドルは存在しない。
おっと、乳首とかお尻丸出しは、美咲ちゃんやゆかりちゃんには関係ないことだ。彼女たちに関わるのはこれだろうか。水着パンチラありかなしか!
たとえ水着であっても、パンチラシーンというのは滅多にない。
水着パンチラシーンというのは、かなりのエロレベルであることも、ここに強調しておきたい。このランク付けではDランク。ちなみに、椎名ちゃんはここにいます。
Aランクの天羽ゆかりちゃんと、Dランクの椎名美咲ちゃんの競演による秩序壊乱。それがこの作品の狙い。
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