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28・モテない、過去の思いが吹っ切れない……などから女を殺したいと思う男5
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28・モテない、過去の思いが吹っ切れない……などから女を殺したいと思う男5
休日。実にいい天気だと目に映るのだが、心の中はそれを素直に受け取らない。つい先日、家満登息吹なる年下の男と話をし、よからぬ感情を沸かすのは恥ずかしい事だと思ったばかりの秀樹だというのに、今日はドス黒く重たい感情に満ち溢れていた。
「ちょっと出かけてくる」
家を出て繁華街に向かう。それは危険だとわかっているのに、他にやる事がないから仕方ないとして向かう。青山秀樹は繁華街にたどり着くまでの道中において、当たり前の事だがあっちこっちで他人という女をたくさん見る。年齢、身長、特徴、イメージ、実にさまざまであるし、その多くは別に自分の好みでもない。
だが女であればだれであれ腹が立つ。ムカつく! という憎しみが胸に沸く。ぶっ殺してやりたいという殺意に近い感じも浮かぶ。そしてそれらの悪しき感情の沸きと並行して、実に悲しくなって涙が出そうにもなる。
「クソ、クソ、クソ、クソ!」
どこを見ても女がいる。カップルの女が憎いは当然とし、一人で歩いている女も殺したいと怒りが沸く。地下鉄の駅口内。電車の中。階段。改札口。外へ通じるエレベーター。まぶしい光。道路。繁華街近しの光景。それらのすべてに女という生物の姿あり。
(くそ、人の目に入らない所を歩けっていうんだ)
あっちこっちの女を見渡すくせして、歩く女に無理難題をふっかける。もうバカでしかないと自ら思うのだが、せっかくのエネルギーを明るい方向に使う能力が30歳になっても習得できていなかった。
「ふぅ……」
やっと〇△書店という大型の店に到着。ここは一般からアダルトまでびっしりそろっている店なのであるが、アダルトの色合いがつよいため女性客はとても少ない。よって店内に入った時点では、煩わしいモノから解放されたいと思った。
しかし結局のところ、この男が向かうのはアダルトグッズコーナー。それも購買意欲を満たすためではなく、胸の内に生じるさみしさと怒りの両方を満たすため。息吹が言う狂気であった。
「んぅ……」
コスプレのための衣装とかいうのは、秀樹の感情に問題を起こさない。それを欲しいと思う事もなければやってみたいともならない。何よりそれらを見て女という生き物への焦がれを刺激されたりはしないからだ。
SMの衣装も問題無し。あまりにきわどいパンツのようなモノも問題無し。きれいな水中を泳ぐ魚のようにスイスイ進んでいく。
が、しかし……下着コーナーでたくさん並んでいるブラジャーを見ると心が一瞬で不安定になる。けっこう豊かなサイズが多くすべてフルカップであるが、その中でも大変に豊満なIカップとかいうサイズを目の当たりにすると、記憶から抹消したはずって天野みちるのあのふくらみ具合を思い浮かべてしまう。
「天野なんか知るか」
そう思ったが、ブラジャーなどという女性の象徴と切り離せない下着を見ると、途端に腹が立ち悲しくなり、それでいて性欲が刺激され勃起もする。そしてこれだけ取り乱しているにも関わらず、慰めのために数枚買うのであった。
「リアルおっぱいか」
そういうモノも彼の心を闇方面へ引っ張る。生まれてこのかた一度も彼女を持ったことなし。デートしたことなし、だからセックス経験もなし。ないない、あれもない、これもないと見事にないない尽くし。
「くっそ、胸くそ悪い……女なんか全員死んでしまえ」
こんな事を言いながら数枚のブラジャーとリアルおっぱいを購入。それらをでっかい手提げ袋に入れてもらうと、早く家に帰ろうとまっすぐ外に出る。だが外に出て女って生き物をたくさん目にすると、彼は泣きながら殺人をやりたいと思ってしまうのだった。
休日。実にいい天気だと目に映るのだが、心の中はそれを素直に受け取らない。つい先日、家満登息吹なる年下の男と話をし、よからぬ感情を沸かすのは恥ずかしい事だと思ったばかりの秀樹だというのに、今日はドス黒く重たい感情に満ち溢れていた。
「ちょっと出かけてくる」
家を出て繁華街に向かう。それは危険だとわかっているのに、他にやる事がないから仕方ないとして向かう。青山秀樹は繁華街にたどり着くまでの道中において、当たり前の事だがあっちこっちで他人という女をたくさん見る。年齢、身長、特徴、イメージ、実にさまざまであるし、その多くは別に自分の好みでもない。
だが女であればだれであれ腹が立つ。ムカつく! という憎しみが胸に沸く。ぶっ殺してやりたいという殺意に近い感じも浮かぶ。そしてそれらの悪しき感情の沸きと並行して、実に悲しくなって涙が出そうにもなる。
「クソ、クソ、クソ、クソ!」
どこを見ても女がいる。カップルの女が憎いは当然とし、一人で歩いている女も殺したいと怒りが沸く。地下鉄の駅口内。電車の中。階段。改札口。外へ通じるエレベーター。まぶしい光。道路。繁華街近しの光景。それらのすべてに女という生物の姿あり。
(くそ、人の目に入らない所を歩けっていうんだ)
あっちこっちの女を見渡すくせして、歩く女に無理難題をふっかける。もうバカでしかないと自ら思うのだが、せっかくのエネルギーを明るい方向に使う能力が30歳になっても習得できていなかった。
「ふぅ……」
やっと〇△書店という大型の店に到着。ここは一般からアダルトまでびっしりそろっている店なのであるが、アダルトの色合いがつよいため女性客はとても少ない。よって店内に入った時点では、煩わしいモノから解放されたいと思った。
しかし結局のところ、この男が向かうのはアダルトグッズコーナー。それも購買意欲を満たすためではなく、胸の内に生じるさみしさと怒りの両方を満たすため。息吹が言う狂気であった。
「んぅ……」
コスプレのための衣装とかいうのは、秀樹の感情に問題を起こさない。それを欲しいと思う事もなければやってみたいともならない。何よりそれらを見て女という生き物への焦がれを刺激されたりはしないからだ。
SMの衣装も問題無し。あまりにきわどいパンツのようなモノも問題無し。きれいな水中を泳ぐ魚のようにスイスイ進んでいく。
が、しかし……下着コーナーでたくさん並んでいるブラジャーを見ると心が一瞬で不安定になる。けっこう豊かなサイズが多くすべてフルカップであるが、その中でも大変に豊満なIカップとかいうサイズを目の当たりにすると、記憶から抹消したはずって天野みちるのあのふくらみ具合を思い浮かべてしまう。
「天野なんか知るか」
そう思ったが、ブラジャーなどという女性の象徴と切り離せない下着を見ると、途端に腹が立ち悲しくなり、それでいて性欲が刺激され勃起もする。そしてこれだけ取り乱しているにも関わらず、慰めのために数枚買うのであった。
「リアルおっぱいか」
そういうモノも彼の心を闇方面へ引っ張る。生まれてこのかた一度も彼女を持ったことなし。デートしたことなし、だからセックス経験もなし。ないない、あれもない、これもないと見事にないない尽くし。
「くっそ、胸くそ悪い……女なんか全員死んでしまえ」
こんな事を言いながら数枚のブラジャーとリアルおっぱいを購入。それらをでっかい手提げ袋に入れてもらうと、早く家に帰ろうとまっすぐ外に出る。だが外に出て女って生き物をたくさん目にすると、彼は泣きながら殺人をやりたいと思ってしまうのだった。
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