息吹アシスタント(息吹という名の援護人)

jun( ̄▽ ̄)ノ

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38・先生いっしょに死んでください1

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38・先生いっしょに死んでください1


ー愛し合う2人の絶頂時間ー

 そんな名前のラブホテルから男女が出てきた。太陽の輝きが静かに広がりつつある時間帯において、ロングヘア―がよく似合うスタイルのいい爆乳女子と、不釣り合いにしか見えない50代くらいの男の2人がラブホを出て、ちょっと歩いてから足を止めて向き合う。

「じゃぁ、これ」

 男は財布から取り出した大物5枚を相手に渡す。受け取る女子というのは、見た目20代の前半くらいに見えるモノの、もしかして10代なのでは? なんてフンイキも混じる。

「先生、今日は元気がなかったね? なんか悩みでもあるの?」

 うん? とかわいい笑顔を見せる女子。

「いや、別に問題はないのだけれど……」

 ここで男は声を詰まらせる。できればこの続きを言いたいなぁって内情をチラつかせているつもりらしいが、相手はそういうのに興味がないらしい。

「じゃぁね! また数時間後の学校で!」

 ニコっと笑った女子は自由なウサギが跳ねるかのようにその場から去っていく。後には言いたい事が言えなかったのであろうミジメっぽい男が一人残されるだけ。

「あぁ、今日も言えなかった。でもそろそろ終わりにしたいって言わなきゃ、いつまでもこんな事をやっているわけにはいかないんだ」

 つぶやいた男、それはとある女子高の教師だった。年齢は49歳であるが、ちょっと老けて見えるのが特徴。多くの他人はこの愚香進(おろかすすむ)という男を50代の後半くらいと思う可能性が大。

―そして朝の5時から数えて10時間後―

「ねぇ、遊びに行かない?」

 怪椎霊子(あやしいれいこ)高1は学校が終わると友人を誘う。

「あっと、ごめん……今はお金がなくて……」

 友人は残念プラス気まずいって感じ手を小さく振った。すると学校で一番の美人にして爆乳の持ち主と名高い霊子は、その容姿というかオーラにふさわしい太っ腹を展開。

「いいよ、おごってあげるから行こうよ」

 こう言われたらラッキーってモノであるが、その友人は性格がやさしい部類だったので逆に不安をおぼえた。なぜなら霊子の太っ腹は今回初めてとかではない。むしろよく飛び出すモノだから危険だという気がしていた。

「じゃ、じゃぁ……行こうかな」

 友人は何かをおごってもらうって考えではなく、ちょっと注意した方がいいかなぁと思うので誘いに乗った。

 女子高。ここはほとんどが女という性別の個体で埋まっており、フィールド内は女の匂いが充満している。ごくわずかにいる男の存在感やニオイは無きに等しい。ただし名門学校ってわけではないので、お金持ちが集まる場所ってわけではない。それからすると霊子が見せる羽振りの良さとうのは、チラホラ心よくない者に注目されていたりもする。

 そしてただいま午後4時、繁華街にたどり着いた2人は制服のまま高級志向な喫茶店に入っていた。レモンティーにケーキひとつで1500円となり、2人合わせると3000円だから、おごってもらう友人にすればファミレスのステーキより高いじゃんか! という話だった。

「ねぇ、霊子」

「うん?」

「あの、ちょっと聞いてもいい?」

「なに?」

「えっと……」

 友人、白いテーブルをはさんで座っている霊子を見る。デブでもなければムッチリ度もあまり高くない。それでいて神さまに愛されている女とばかり、大変に豊満な胸のふくらみというのがあり、どうしてもそこに目が行ってしまう。だが今はそんな事をしている場合じゃないとし、霊子の顔をしっかり見ながらかねてより思っている事を口にする。

「霊子ってなんかアルバイトやっている?」

「うん?」

「あ、いや、変な意味はないんだけど……霊子はお金持ちという気がして。いいよ、言わなくていいよ。深入りする気はないから」

 友人は慌てて両手を否定振り。なぜか自分がすごく悪い事をしているような気がして胸が痛む。

「ちょっとね、まぁ……家のお手伝いとかはやっている」

 霊子、甘酸っぱいレモンティーをズズとやりながらウソをかました。というより霊子に言わせれば正当防衛というやつだった。

「そ、そうか……うん、それならいいんだ。ごめんね、余計な事を聞いたりしてしまって」

「いいよ、気にしていないから」

「霊子って美人で爆乳な上に人間ができていてすごいと思うわ」

「そんな事はないよ」

 ほんのり微笑む霊子の顔は表通りでささやかな暮らしを営むたぐいまれな天使みたいに見えなくもない。まさかそんな、同じ学校の先生と定期的に体を求め愛し合い、そこでお金をもらって遊んでいるなんて、だいたいの人間は読み取れないと思われる。

「ありがとう、おいしかった」

 友人は自分が言いたい事を言えたので満足。霊子はどこかで遊ぼうなどというが、それはいけない事と思ったので帰る事を選択。それにより後腐れがなくなる。

「ったく……一人になったらヒマだわ。せっかくおごってあげると言っているのに帰るなんて連れないなぁ。誰か相手が欲しい。先生を呼び出せたらいいんだろうけど、この時間だとまだ仕事中だろうしなぁ」

 ブツブツ言いながら歩いていると、うっかり誰かとぶつかった。あ、ごめんなさい! と言った霊子が相手を見る。それは20代前半くらいの男だった。トップスに黒のウインドブレーカーを着て、ボトムスに黒のデニムを穿いて、シューズにダンロップの黒のスニーカーを履くというダサいという気がしないでもない格好をしている。

 が、しかし……霊子は相手の顔を見たらなぜか豊かな胸のふくらみがキュンっとなった。

「あ、すまなかった」

 男がそう言って立ち去ろうとすれば反射的に霊子は呼び止める。しかしここは繁華街の人の通りが多い道。そこでかわいい笑みでクイクイっと手招きして通りの隅っこに移動。

「なんだ?」

「いや……お兄さんかこういいなぁと思って」

「そうか、じゃぁ」

「待って! どうしてそう素っ気ないの? おかしいでしょう」

「おかしいって?」

「だって、こんな……美人でスタイルがよくて爆乳って女神みたいな女子高生がいるのに、なぜ平然としていられるのかなって。あ、もしかしてお兄さんって同性愛? 男同士の愛し合いに生きる人」

「ちがう。おれは異性愛だし女としかやった事がない」

「だったらどうして……こんないい女に惹かれないの?」

「いい女?」

「そう、わたしいい女でしょう?」

 ここで男はズイっと女に接近。すると迫られた方は顔を赤くし後ずさり。そうして背中が電柱に当たって行き詰る。

「お、お兄さん、こんな場所で……ちょっと大胆過ぎるっていうか」

「おれの名前は家満登息吹。そっちは?」

「わたしは怪椎霊子、学校一の美人で爆乳って女」

「霊子……」

 息吹はかわいく赤らんでいる霊子の顔をジーっと見る。その数秒は霊子に今まで経験した事のない感覚を与えた。まろやかに引き込まれるような感じはちょっとしたファンタスティックと思えてしまう。

「霊子、おまえのどこがいい女なんだ?」

「え、え、え?」

「外観なんて人間にとってはオマケ。重要な中身において言えば、霊子……高校生だろう? その年齢でちょっと腐り始めているのが問題。しかもそれ一度加速すると止められない部類だ。今はかわいくていいとしても、まぁ3年もすれば化けの皮がはがれるという感じになるだろうな」

「な、な、な……」

「そいうわけだ。じゃぁな」

 息吹がクルっと周りこの場を立ち去ろうとする。さすれば当然納得できない霊子は周囲にかまわず大きな声で呼び止める。

「ちょっと待て!」

「うん?」

「うん? じゃない! なんでわたしが腐っていると見えるのか語って聞かせてよ。こんな場所だと無粋だからせめて喫茶店で。もし、あぁなるほど! ってわたしに思わせたら見直してあげる。でもそうならなかったら侮辱罪が成立。お兄さんに犯されたとか世間に言いふらしてやる」

「まったく面倒くさいなぁ、だからおれが見る霊子っていうのは」

「だから喫茶店でって言ってるでしょう。なに、お兄さん女のキモチにうといの? ちがうでしょう? お兄さんは女をよーく知っている人って気がするよ。だから今からわたしとすぐ近くにある喫茶、「語り合いは愛し合い」に行くんだよ。そこでわたしを納得させるように語るんだよ」

「仕方ない、じゃぁ行くか」

 こうして息吹は実に面倒くさいと思いながら、ひとりの女子高生と共に喫茶店に入る事となった。
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