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70・実はずっと前から息吹くんが好きだったんだよ3
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70・実はずっと前から息吹くんが好きだったんだよ3
場の空気が白けモードに入っている。しかしそれを理由にして退散としづらいのは、かな子がこの場の主導権を握っているせいだった。予想外に世話の焼ける女なんだなぁと思った息吹、こんな提案をしてみた。
「人生がつまらないとか言うんだったら、どうせなら思い切った事をして目立ってみたらどうだ? それでブチブチって吹っ切れるかもしれないぞ」
「思い切った事をして目立つ? たとえばどんな?」
「そうだなぁ……たとえば情豚掘川(じょうとんぼりがわ)に飛び込みしてみるとかどうだ? それもただの飛び込みじゃなく、下着姿になってダイブするとか。そうすればまちがいなく伝説になれる」
息吹のこの提案は7割くらいは冗談だった。眼前に座っている田村かな子が惹きつけられるとはあまり思っていなかった。しかし意外にもかな子はこの提案に興味をそそられた。
「あ、それいいかもしれない!」
「え、マジか?」
「息吹くんに相手されず、それを悲しいと思ってダラダラ生きるのは悔しいもん。それならぶっ飛んだ事をして頭をつぶしちゃった方がいいかなって」
かな子はどうやら本気らしい。ここから徒歩で20分くらい歩いた所にある、養豚橋から真下にある情豚掘川へ飛び込む事を前向きに考えている。そして考えれば考えるほど前向きになるらしく、5分後には立ち上がっていた。
「行くよ、息吹くん」
「行くって、ほんとうにやるのか?」
「もちろん。そして息吹くんはわたしの雄姿を見届ける義務がある。なぜならこれは元を辿れば息吹くんが悪い。女のわたしにここまでの事をさせるのだから、ちゃんと見届けて。それくらいの事はできるでしょう?」
かわいくテレて言っているように見えるが、もしかすると怖い目かも……なんていうのを浮かべてかな子は歩き出す。中々に強引でワンマンであるその後姿を見る時、息吹は思わずにいられない。
(高校の時にこの性格が表に出ていたら、けっこうぶっ飛んだ人生を送っていたのかな、田村って)
こうして2人はあまり心が通っていない恋人みたいにして歩きながら、あっという間に養豚橋にたどり着く。
「人が多いね」
かな子はやわらかい前髪を風に愛撫されながら、目立つには絶好だとご満悦。いい子で生きてきた女としてはびっくりするほど、神経の柱は太いって事かもしれない。
「ねぇ、息吹くん。息吹くんも飛び込んでくれない?」
「別にいいけど……ただおれの場合、飛び込んだ後で警察に捕まると面倒くさいからな。飛び込んだらそのまま姿を消すぞ?」
「わかった、それでいいよ。わたしを抱いてくれない息吹くんなんてどうでもいいしね」
こうして少し無言の間が生じた後、かな子はよーし! っと大きな声を出した。それにつられて道行く人間がかな子に目を向ける。
「おっぱいが大きい巨乳になっても、求めてくれる相手がいなきゃただの無価値ディスプレイ。高校時代から密かに思っていた人に出会っても抱いてもらえないみじめな女の裸、しっかり拝むといいよ」
言ったかな子、ゆっくりと……まるで心得ています! と言わんばかり感じに服を脱ぎだした。一番上のモノを脱いだ時点では誰も騒がない。しかしその次を脱いでフルカップ姿になると状況は一変する。
ボワン! っと揺れ動くかな子の豊満フルカップ。それはIカップ、もっと詳しく言えばI90とかいうサイズのふくらみで、ふっくらやわらかそうな谷間と相成りなんともすさまじい見応えをみんなに無料提供。
「さぁ、どんどん行くよ」
こうしてかな子はほんとうにとんでもない姿になってしまったのである。こうなると周りは大騒ぎであり、早く飛び込まないと警察に捕獲される。
「じゃぁな田村、お幸せに」
「うん、バイバイ……わたしの初恋人」
約束通りに息吹が養豚橋から川に向かって飛び込む。そうして全裸となったかな子は、大歓声の周囲にピースをやりながら橋の上に立つ。
「田村かな子、行きまーす!!!」
大きな声で叫んだかな子が青空へ向かってジャンプ! その姿は多くの人間に「女神の大ジャンプ」という名前で記憶され、後々まで伝説として語り継がれる事になる。しかし今ここでのかな子はしばらく川を泳いだ後で警察に連行され、ネットのニュースで痛々しく取り上げられたっぷり恥をかくことになるのだった。
場の空気が白けモードに入っている。しかしそれを理由にして退散としづらいのは、かな子がこの場の主導権を握っているせいだった。予想外に世話の焼ける女なんだなぁと思った息吹、こんな提案をしてみた。
「人生がつまらないとか言うんだったら、どうせなら思い切った事をして目立ってみたらどうだ? それでブチブチって吹っ切れるかもしれないぞ」
「思い切った事をして目立つ? たとえばどんな?」
「そうだなぁ……たとえば情豚掘川(じょうとんぼりがわ)に飛び込みしてみるとかどうだ? それもただの飛び込みじゃなく、下着姿になってダイブするとか。そうすればまちがいなく伝説になれる」
息吹のこの提案は7割くらいは冗談だった。眼前に座っている田村かな子が惹きつけられるとはあまり思っていなかった。しかし意外にもかな子はこの提案に興味をそそられた。
「あ、それいいかもしれない!」
「え、マジか?」
「息吹くんに相手されず、それを悲しいと思ってダラダラ生きるのは悔しいもん。それならぶっ飛んだ事をして頭をつぶしちゃった方がいいかなって」
かな子はどうやら本気らしい。ここから徒歩で20分くらい歩いた所にある、養豚橋から真下にある情豚掘川へ飛び込む事を前向きに考えている。そして考えれば考えるほど前向きになるらしく、5分後には立ち上がっていた。
「行くよ、息吹くん」
「行くって、ほんとうにやるのか?」
「もちろん。そして息吹くんはわたしの雄姿を見届ける義務がある。なぜならこれは元を辿れば息吹くんが悪い。女のわたしにここまでの事をさせるのだから、ちゃんと見届けて。それくらいの事はできるでしょう?」
かわいくテレて言っているように見えるが、もしかすると怖い目かも……なんていうのを浮かべてかな子は歩き出す。中々に強引でワンマンであるその後姿を見る時、息吹は思わずにいられない。
(高校の時にこの性格が表に出ていたら、けっこうぶっ飛んだ人生を送っていたのかな、田村って)
こうして2人はあまり心が通っていない恋人みたいにして歩きながら、あっという間に養豚橋にたどり着く。
「人が多いね」
かな子はやわらかい前髪を風に愛撫されながら、目立つには絶好だとご満悦。いい子で生きてきた女としてはびっくりするほど、神経の柱は太いって事かもしれない。
「ねぇ、息吹くん。息吹くんも飛び込んでくれない?」
「別にいいけど……ただおれの場合、飛び込んだ後で警察に捕まると面倒くさいからな。飛び込んだらそのまま姿を消すぞ?」
「わかった、それでいいよ。わたしを抱いてくれない息吹くんなんてどうでもいいしね」
こうして少し無言の間が生じた後、かな子はよーし! っと大きな声を出した。それにつられて道行く人間がかな子に目を向ける。
「おっぱいが大きい巨乳になっても、求めてくれる相手がいなきゃただの無価値ディスプレイ。高校時代から密かに思っていた人に出会っても抱いてもらえないみじめな女の裸、しっかり拝むといいよ」
言ったかな子、ゆっくりと……まるで心得ています! と言わんばかり感じに服を脱ぎだした。一番上のモノを脱いだ時点では誰も騒がない。しかしその次を脱いでフルカップ姿になると状況は一変する。
ボワン! っと揺れ動くかな子の豊満フルカップ。それはIカップ、もっと詳しく言えばI90とかいうサイズのふくらみで、ふっくらやわらかそうな谷間と相成りなんともすさまじい見応えをみんなに無料提供。
「さぁ、どんどん行くよ」
こうしてかな子はほんとうにとんでもない姿になってしまったのである。こうなると周りは大騒ぎであり、早く飛び込まないと警察に捕獲される。
「じゃぁな田村、お幸せに」
「うん、バイバイ……わたしの初恋人」
約束通りに息吹が養豚橋から川に向かって飛び込む。そうして全裸となったかな子は、大歓声の周囲にピースをやりながら橋の上に立つ。
「田村かな子、行きまーす!!!」
大きな声で叫んだかな子が青空へ向かってジャンプ! その姿は多くの人間に「女神の大ジャンプ」という名前で記憶され、後々まで伝説として語り継がれる事になる。しかし今ここでのかな子はしばらく川を泳いだ後で警察に連行され、ネットのニュースで痛々しく取り上げられたっぷり恥をかくことになるのだった。
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