75 / 223
75・閻美、色気リターンズ5
しおりを挟む
75・閻美、色気リターンズ5
「やっとこさ〇〇山にたどり着いた」
閻美になっているとはいえ、抑え込んでいた感じが吹き上がってきた。先ほどの火事現場においての救出劇により、閻美のすごいグラマーという体にもちょっと慣れてきた。どうせならここでしっかり脳と体のフィット感を充実させねばと、伊吹は前方へ突進のごとくダッシュを開始。
(う……)
いかんせん白い着物に包まれしすごいグラマーなボディーゆえ、不慣れな内は集中するのが大変にむずかしい。どうしても要らぬことに気を奪われてしまう。
「集中あるのみ!」
ジャンプ! 眼前にある大木に両足を当てると、そのまま反動で空高くに舞い上がる。
「閃光一線!」
シュパ! っと刀を振り下ろすと同時に着地。なかなかに重たくも軽快な一撃だったと言えようか。
「おぉ、いいねぇ」
そんな声がしたと同時に、パチパチって拍手も鳴る。だからそっちに顔を向けて見れば、閻美こと伊吹がそこに立っている。
「どうだ伊吹、わたしの体は悩め香しいだろう?」
「たしかにな、あっちこっちに意識を奪われて大変だ。女っていうのはかなり大変なのだなぁと思わずにいられないかな」
「おぉ……伊吹が女を理解し愛する展開の始まりだ」
「いやまぁ、理解でも愛でもいいんだけどな、やっぱり元に戻してくれよ。目の前にいる自分と会話するのは奇妙すぎて気が変になりそうだ」
「戻してもいいけど……それには確約が必要だな」
「確約?」
「わたしを抱く、わたしとセックスをし結ばれるという確約」
「またそれかよ……」
「当然だ、結局生きている喜びは愛し合うに集約されるからな。気に入った者と体を交え結ばれること以上の快楽などない」
今や伊吹の閻美が刀を持って身構える。 それはつまり何がどうあれセックスというカタチに持ち込み、劇的な始まりと同時に双方の中身を元に戻すという作戦。挿入という段階になったところで元に戻せば、伊吹という男が閻美という女に溶け落ちるという算段。
「何がなんでもセックスしたい!」
刀を持った伊吹が閻美に斬りかかる。
「そんなセックスはしたくない!」
閻美の刀が向かってきた相手のモノを受け止める。しかし最初こそギリギリっと互角に押し合っていると思われたが、次第に確実に伊吹の刀が閻美を押していく。
「伊吹、おたがい体が入れ替わってまだ不慣れ。しかし伊吹の体になったわたしの方が有利だ。なぜって? あぁ、わたしは伊吹の体になって感動せざるを得ない。この爽快な身軽さとパワーの融合、たしかにこれは女の体では味わえないモノだ。興奮するねぇ、思いっきりあばれたいと疼くねぇ、大人が子供になったみたいにさ、とてもジッとしていられない。それくらい体が軽く力が湧いてくるんだ」
フフっと笑う伊吹の刀が相手の刀をさらに強く押し込む。それは受ける側の刀身が折れるのではないかと心配になってしまう勢い。よって内側の伊吹が焦り、それは表の閻美って顔に汗を浮かばせる。それを見た伊吹こと閻美がうれしそうにたのしそうに吠える。
「伊吹、おまえはどうだ? わたしの体になってさぞやりにくいだろう? わたしは生まれた時から女だからそれに慣れている。だがいきなりそうなったお前は順応なんかできまいて。男の体なら速く強い者でも、わたしみたいな魅力的な爆乳って女の体になると鈍る。そうだろう? 女の体は重いだろう? 色々とやりにくいだろう? 伊吹、女はそういう中で戦うモノなんだよ!」
勝てる! そう思う閻美に余裕のオーラが立ち始めた。2人が愛し合い結ばれる時間はすぐそこだ! という、ふしだらな感情が戦いって緊張感の中に紛れ込む。
「ふん!」
閻美こと伊吹の気合がふしだらって言葉におぼれた者の刀をつよく押し返す。それは一瞬の油断から生まれた展開であったゆえ、勢いよく押し返された刀が手から離れ宙に舞い上がった。
「チッ!」
伊吹の体で勝利を確信していた閻美、ちょっと油断したとばかり表情をゆがめ、宙に舞い上がった刀を取るため華麗にジャンプ。それはやっている本人に言わせると、女体では味わえない爽快感に満ちるアクション。
「ん!?」
刀をにぎって着地すると……白い着物って女の姿がない。ほんの一瞬目を離した過ぎに見失った。
(後ろか?)
そう思って振り返ろうとしたら、先に声がした。
「遅い」
伊吹の背中に閻美の蹴りが入る。だから食らった男は不本意なダウンに甘んじてしまう。
「おぉ、伊吹……わたしの体になってそんなに時間は経っていないのに速く動けるようになってきたか」
立ち上がる閻美、やはりそう簡単にセックスはできないのかと気合を入れ直す。
「閻美、ひとつ言ってやろうか?」
白い着物の女は立ち上がった男を見ながら、刀を持たない右手の平を前に突き出しつぶやく。
「女は詰めが甘いな」
その皮肉っぽい口調というのは、本来であれば閻美のプライドを刺激し怒りへ誘うモノ。だが言われた者は怒るより先に気になる事を口にする。それは黙っていられない事らしい。
「なぁ伊吹……」
「なんだ?」
「一応聞きたいのだが……」
「だからなんだ?」
「まさかとは思うが……とても魅力的な爆乳女性という、そういうわたしの体になって、男よりこの方が断然いい! とか、この方がたのしめる! とか、このまま女でい続け男に抱かれたいとか……と考えたりはしないよな?」
「するか……おれはそういう話を好まない」
「そうか、よかった……それを聞いてホッと一安心。だったらもう少しこのカタチで戦いを続けよう。そして最後はわたしと結ばれるって物語にしよう」
閻美こと伊吹がニヤッといやらしく微笑むと、天空の空模様も腹黒さを演出するみたいにグレーに染まっていく。ゴロゴロっと小さくうなっているが、それは閻美の情欲を歌っているように聞こえなくもなかった。
「やっとこさ〇〇山にたどり着いた」
閻美になっているとはいえ、抑え込んでいた感じが吹き上がってきた。先ほどの火事現場においての救出劇により、閻美のすごいグラマーという体にもちょっと慣れてきた。どうせならここでしっかり脳と体のフィット感を充実させねばと、伊吹は前方へ突進のごとくダッシュを開始。
(う……)
いかんせん白い着物に包まれしすごいグラマーなボディーゆえ、不慣れな内は集中するのが大変にむずかしい。どうしても要らぬことに気を奪われてしまう。
「集中あるのみ!」
ジャンプ! 眼前にある大木に両足を当てると、そのまま反動で空高くに舞い上がる。
「閃光一線!」
シュパ! っと刀を振り下ろすと同時に着地。なかなかに重たくも軽快な一撃だったと言えようか。
「おぉ、いいねぇ」
そんな声がしたと同時に、パチパチって拍手も鳴る。だからそっちに顔を向けて見れば、閻美こと伊吹がそこに立っている。
「どうだ伊吹、わたしの体は悩め香しいだろう?」
「たしかにな、あっちこっちに意識を奪われて大変だ。女っていうのはかなり大変なのだなぁと思わずにいられないかな」
「おぉ……伊吹が女を理解し愛する展開の始まりだ」
「いやまぁ、理解でも愛でもいいんだけどな、やっぱり元に戻してくれよ。目の前にいる自分と会話するのは奇妙すぎて気が変になりそうだ」
「戻してもいいけど……それには確約が必要だな」
「確約?」
「わたしを抱く、わたしとセックスをし結ばれるという確約」
「またそれかよ……」
「当然だ、結局生きている喜びは愛し合うに集約されるからな。気に入った者と体を交え結ばれること以上の快楽などない」
今や伊吹の閻美が刀を持って身構える。 それはつまり何がどうあれセックスというカタチに持ち込み、劇的な始まりと同時に双方の中身を元に戻すという作戦。挿入という段階になったところで元に戻せば、伊吹という男が閻美という女に溶け落ちるという算段。
「何がなんでもセックスしたい!」
刀を持った伊吹が閻美に斬りかかる。
「そんなセックスはしたくない!」
閻美の刀が向かってきた相手のモノを受け止める。しかし最初こそギリギリっと互角に押し合っていると思われたが、次第に確実に伊吹の刀が閻美を押していく。
「伊吹、おたがい体が入れ替わってまだ不慣れ。しかし伊吹の体になったわたしの方が有利だ。なぜって? あぁ、わたしは伊吹の体になって感動せざるを得ない。この爽快な身軽さとパワーの融合、たしかにこれは女の体では味わえないモノだ。興奮するねぇ、思いっきりあばれたいと疼くねぇ、大人が子供になったみたいにさ、とてもジッとしていられない。それくらい体が軽く力が湧いてくるんだ」
フフっと笑う伊吹の刀が相手の刀をさらに強く押し込む。それは受ける側の刀身が折れるのではないかと心配になってしまう勢い。よって内側の伊吹が焦り、それは表の閻美って顔に汗を浮かばせる。それを見た伊吹こと閻美がうれしそうにたのしそうに吠える。
「伊吹、おまえはどうだ? わたしの体になってさぞやりにくいだろう? わたしは生まれた時から女だからそれに慣れている。だがいきなりそうなったお前は順応なんかできまいて。男の体なら速く強い者でも、わたしみたいな魅力的な爆乳って女の体になると鈍る。そうだろう? 女の体は重いだろう? 色々とやりにくいだろう? 伊吹、女はそういう中で戦うモノなんだよ!」
勝てる! そう思う閻美に余裕のオーラが立ち始めた。2人が愛し合い結ばれる時間はすぐそこだ! という、ふしだらな感情が戦いって緊張感の中に紛れ込む。
「ふん!」
閻美こと伊吹の気合がふしだらって言葉におぼれた者の刀をつよく押し返す。それは一瞬の油断から生まれた展開であったゆえ、勢いよく押し返された刀が手から離れ宙に舞い上がった。
「チッ!」
伊吹の体で勝利を確信していた閻美、ちょっと油断したとばかり表情をゆがめ、宙に舞い上がった刀を取るため華麗にジャンプ。それはやっている本人に言わせると、女体では味わえない爽快感に満ちるアクション。
「ん!?」
刀をにぎって着地すると……白い着物って女の姿がない。ほんの一瞬目を離した過ぎに見失った。
(後ろか?)
そう思って振り返ろうとしたら、先に声がした。
「遅い」
伊吹の背中に閻美の蹴りが入る。だから食らった男は不本意なダウンに甘んじてしまう。
「おぉ、伊吹……わたしの体になってそんなに時間は経っていないのに速く動けるようになってきたか」
立ち上がる閻美、やはりそう簡単にセックスはできないのかと気合を入れ直す。
「閻美、ひとつ言ってやろうか?」
白い着物の女は立ち上がった男を見ながら、刀を持たない右手の平を前に突き出しつぶやく。
「女は詰めが甘いな」
その皮肉っぽい口調というのは、本来であれば閻美のプライドを刺激し怒りへ誘うモノ。だが言われた者は怒るより先に気になる事を口にする。それは黙っていられない事らしい。
「なぁ伊吹……」
「なんだ?」
「一応聞きたいのだが……」
「だからなんだ?」
「まさかとは思うが……とても魅力的な爆乳女性という、そういうわたしの体になって、男よりこの方が断然いい! とか、この方がたのしめる! とか、このまま女でい続け男に抱かれたいとか……と考えたりはしないよな?」
「するか……おれはそういう話を好まない」
「そうか、よかった……それを聞いてホッと一安心。だったらもう少しこのカタチで戦いを続けよう。そして最後はわたしと結ばれるって物語にしよう」
閻美こと伊吹がニヤッといやらしく微笑むと、天空の空模様も腹黒さを演出するみたいにグレーに染まっていく。ゴロゴロっと小さくうなっているが、それは閻美の情欲を歌っているように聞こえなくもなかった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
イケメン御曹司、地味子へのストーカー始めました 〜マイナス余命1日〜
和泉杏咲
恋愛
表紙イラストは「帳カオル」様に描いていただきました……!眼福です(´ω`)
https://twitter.com/tobari_kaoru
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は間も無く死ぬ。だから、彼に別れを告げたいのだ。それなのに……
なぜ、私だけがこんな目に遭うのか。
なぜ、私だけにこんなに執着するのか。
私は間も無く死んでしまう。
どうか、私のことは忘れて……。
だから私は、あえて言うの。
バイバイって。
死を覚悟した少女と、彼女を一途(?)に追いかけた少年の追いかけっこの終わりの始まりのお話。
<登場人物>
矢部雪穂:ガリ勉してエリート中学校に入学した努力少女。小説家志望
悠木 清:雪穂のクラスメイト。金持ち&ギフテッドと呼ばれるほどの天才奇人イケメン御曹司
山田:清に仕えるスーパー執事
【完結/番外追加】サリシャの光 〜憧れの先へ〜
ねるねわかば
恋愛
彼女は進む。過去に囚われた者たちを残して──
大商会の娘サーシャ。
子どもの頃から家業に関わる彼女は、従妹のメリンダと共に商会の看板娘として注目を集めていた。
華々しい活躍の裏で、着実に努力を重ねて夢へと向かうサーシャ。しかし時には心ないことを言う者もいた。
そんな彼女が初めて抱いた淡い恋。
けれどその想いは、メリンダの涙と少年の軽率な一言であっさり踏みにじられてしまう。
サーシャはメリンダたちとは距離をおき、商会の仕事からも離れる。
新たな場所で任される仕事、そして新たな出会い。どこにあっても、彼女が夢を諦めることはない。
一方、光に囚われた者たちは後悔と執着を募らせていき──
夢を諦めない少女が、もがきながら光を紡いでいく軌跡。
※前作「ルースの祈り」と同じ世界観で登場人物も一部かぶりますが、単体でお読みいただけます。
※作中の仕事や制作物、小物の知識などは全てフィクションです。史実や事実に基づいていないことをご理解ください。
俺様御曹司に飼われました
馬村 はくあ
恋愛
新入社員の心海が、与えられた社宅に行くと先住民が!?
「俺に飼われてみる?」
自分の家だと言い張る先住民に出された条件は、カノジョになること。
しぶしぶ受け入れてみるけど、俺様だけど優しいそんな彼にいつしか惹かれていって……
皆さんは呪われました
禰津エソラ
ホラー
あなたは呪いたい相手はいますか?
お勧めの呪いがありますよ。
効果は絶大です。
ぜひ、試してみてください……
その呪いの因果は果てしなく絡みつく。呪いは誰のものになるのか。
最後に残るのは誰だ……
ドリンクバーさえあれば、私たちは無限に語れるのです。
藍沢咲良
恋愛
同じ中学校だった澄麗、英、碧、梨愛はあることがきっかけで再会し、定期的に集まって近況報告をしている。
集まるときには常にドリンクバーがある。飲み物とつまむ物さえあれば、私達は無限に語り合える。
器用に見えて器用じゃない、仕事や恋愛に人付き合いに苦労する私達。
転んでも擦りむいても前を向いて歩けるのは、この時間があるから。
〜main cast〜
・如月 澄麗(Kisaragi Sumire) 表紙右から二番目 age.26
・山吹 英(Yamabuki Hana) 表紙左から二番目 age.26
・葉月 碧(Haduki Midori) 表紙一番右 age.26
・早乙女 梨愛(Saotome Ria) 表紙一番左 age.26
※作中の地名、団体名は架空のものです。
※この作品はエブリスタ、小説家になろうでも連載しています。
恋は襟を正してから-鬼上司の不器用な愛-
プリオネ
恋愛
せっかくホワイト企業に転職したのに、配属先は「漆黒」と噂される第一営業所だった芦尾梨子。待ち受けていたのは、大勢の前で怒鳴りつけてくるような鬼上司、獄谷衿。だが梨子には、前職で培ったパワハラ耐性と、ある"処世術"があった。2つの武器を手に、梨子は彼の厳しい指導にもたくましく食らいついていった。
ある日、梨子は獄谷に叱責された直後に彼自身のミスに気付く。助け舟を出すも、まさかのダブルミスで恥の上塗りをさせてしまう。責任を感じる梨子だったが、獄谷は意外な反応を見せた。そしてそれを境に、彼の態度が柔らかくなり始める。その不器用すぎるアプローチに、梨子も次第に惹かれていくのであった──。
恋心を隠してるけど全部滲み出ちゃってる系鬼上司と、全部気付いてるけど部下として接する新入社員が織りなす、じれじれオフィスラブ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる