息吹アシスタント(息吹という名の援護人)

jun( ̄▽ ̄)ノ

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184・ホレた女のために戦え9

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184・ホレた女のために戦え9


(き、斬られる……ブッた斬られてしまう……)

 エロ魔人は光の速度で流れる高速時間において、息吹が下から刀を振り上げようとする事に青ざめる。そのまま会心の一撃となれば、エロ魔人の胴体は真っ二つにされ上半身が宙に浮くは必然。

「おあぁぁぁ、もらった!」

 勝負あり! 息吹は勝利を確信する。実際刀がすでにわき腹に少し入ったところ、後はズバっとやればまぶしい斬撃となる。

「く……」

 しかしエロ魔人もさすがという動きをして見せた。斬り上げられるとしか思えなかったその中で、おおよそ時間というモノが無いに等しい中で、後ろに下がって見せたのだから。

 シュバ! っと息吹の刀が下から上に振り上げられる。そのとき少量の赤い液体が宙に舞ったりする。

「すごい反射神経だな、今のは賞賛に値する」

 息吹、かなり下がったところに位置するエロ魔人に目を向け、ただいまの出来事をほめる。

「ハァハァハァハァ……ちくしょうめ」

 エロ魔人、顔面にダラダラ汗を流しながら左手を腹に当てている。だがそこは衣服が破れ抑えている手を血が汚している。

「おのれ息吹……」

「エロ魔人、素直に負けを認めろ」

「誰が……ハァハァ……誰がそんな事をするか」

 エロ魔人、持っていた棒を放り投げる。そうして気合の叫びを持って空中へと舞い上がった。

「息吹、男はなぁ魅力的な女を食いたいと思うからこそ男なんだよ。それの何が悪い。おれはお前を倒しておれの正当を証明して見せる!」

 言ったエロ魔人の体からヌボーっと白いオーラが立ちあがる。

「だったらおれはグラディアートルのように、ホレた女にまっすぐな心を向けるこそが、それこそが真の男だって名誉のために受けて立とう」

 空中の敵を見上げる息吹からは青いオーラが立ち上がる。

「食らえ、情熱のセックスドライブ!」

 エロ魔人が叫ぶとボッと白い巨大な生物が出現。それは性欲旺盛なエロ人にふさわしいのであろうウサギという生き物であり、地上へ突進し始める。

「青竜!」

 息吹、刀をグワっと大きく振り上げブルードラゴンを空に放つ。昼間の明るさに一花添えるようなそのうつくしさは、向かってくるウサギととてつもなく激しい衝突を成す。

 ドーン! うさぎとドラゴンが空中で相手を消滅させんとぶつかり押し合う。ビリビリっと電流が空ので散りまくる。

「ば、バカな……お、おれのウサギが……情熱のセックスドライブが!」

 エロ魔人が見下ろす中、はげしい絡み合いの中でドラゴンがウサギを食い殺すって姿がハッキリ見えた。そしてドラゴンがそのまま空中への突進を猛スピードで続ける。

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ」

 絶叫するエロ魔人だったが、もはやグワっと口を開いたドラゴンから逃げる術など持たなかった。さすがに今度はすごい反射神経などで避けるというのがまったくできなかった。

 パーン! 大空でブルードラゴンが砕け散る。するとエロ魔人という者の姿は消えており、どこをどう見渡しても見つからなくなる。

「うっそ、なに息吹のあの技……めっちゃかっこう良いじゃん! 見ていて思わずイキそうだったわ」

 安全なところから隠れて物語を見まくっていたサキュバス、たまらず左右の太ももをこすり合わせブルッと身震い。しかしそもそもこの騒ぎは自分が引き起こしたような……というよりは、完全に自分のせいだという事実があるので、それを知られるのはさすがにマズいよなぁと……反省……というより保身に走ってしまう。

「しーらないっと、わたしは何も知りません……っと」

 コソコソっとゴキブリみたいな素早さで、知られなきゃ罪にはならないんだ! とばかりその場を立ち去るサキュバスだった。

「ふぅ……」

 息吹、きれいな大空から閻美の方へと目線を移動させる。すると閻美がグッと体を起こしちょっとばっかり頭を横に振る。エロ魔人が消滅したことにより、かけられていた拘束も消えたという事だ。

 息吹、まだちょっと動きづらそうなグラディアートルは大丈夫かな? と思ったが、ここは深入りしないでおこうと思った。少なくとも今日におけるこの物語の中では、自分はジャマなんだろうと感じずにいられなかったから。

「閻美、だいじょうぶか?」

「あ、あぁ……だいじょうぶ。息吹、どうもすまない」

「おれは別に何もしてない。それにおれはちょっと用事があってな、悪いがすぐ行かなきゃいけない。閻美、悪いがグラディアートルはおまえに任せる。よろしくたのむ」

 そう言った息吹が姿を消すと、途端に周囲が静かになった。あぁ、息吹……と閻美は豊かな胸の中でちょっとさみしいように思ったものの、いまは何よりこっちに寄り添わないといけないな……と思い直し、ゆっくりと倒れ動けないグラディアートルに歩み寄る。そして横にかがみ込むと、そっと色白のやさしい手を伸ばす。

「だいじょうぶか? グラディアートル」

「え、閻美殿……じ、自分は申し訳ないとか恥ずかしいとかで耐えられない」

「そんなこと言うな。わたしは……グラディアートルの男気に守ってもらった。感謝している、そして……グラディアートルの事をかっこういいとも思ったよ。うん、ほんとうだ、ウソじゃない」

 閻美が恥ずかし気に顔を赤らめて言うと、グラディアートルは嬉し恥ずかし感動と3つの素材が思いっきり混ざってしまった。だから不本意な笑いと同時に不器用な泣き顔が混ざり、自分でもどうしていいかわからないって感じになりながら震えるのだった。 
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