息吹アシスタント(息吹という名の援護人)

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192・息吹争奪戦(巨乳ばっかりのバトル大会)8

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192・息吹争奪戦(巨乳ばっかりのバトル大会)8


「どこかに練習相手はいないかなぁ……」

 午後0時になってにぎやかさが加速し始める繁華街を御手洗団子は歩き回っていた。一見するとやる事のない爆乳女子みたいに見えるが事実はまったくちがう。

「巨乳OR爆乳って女だらけのお相手ゲット大会」(仮名)という大変に金のかかる大会をやるために準備で翻弄している。メジャーはムリでも地方テレビとネットの両方で大会を放映しようと考えるため、おのれを鍛える時間が思うように取れない。よって繁華街で、たとえ投げつけても誰も何も言わないという輩がいないか、空いている時間を利用して探す。

(お、あれは……)

 団子が立ち止まり十字路の右側に目をやる。すると人気少ない裏通りってところを、一人の女性が歩いていて、それにまとわりつくって男の姿あり。女性の嫌がっている反応を見れば、あの男は路上にぶん投げても同情されない類いだと断言ができる。

「なぁ、お姉ちゃん、そんなつめたいこと言わないでさぁ……な? おれってけっこういい男だろう? お姉ちゃんにだって悪い話じゃないだろう?」

「いい男って自分で言うか……」

「おれ身長180cm、顔は21世紀型のイケメン。しかもあれだよぉ、夜はスーパーマンになるだけの体力もある。なんなら試してみない? 天国に連れて行ってあげるよぉ?」

「キモ……」

「キモってなんだよ、っていうかさぁ、おまえさぁ、さっきから何をお高くかまえてやがるんだよ。ちょっと乳がデカいからっていい気になるなよ? そんな巨乳とか言ったってよぉ、相手がいなきゃ何の価値もないだろうによぉ」

 性欲と怒りにまみれる男が女を蹴ったりし始める。それを見てすかさず団子は声を出す。

「ちょっと待ったぁ!」

 柔道家だからなのか、その声はよく通る。

「なんだ?」

 男が声の主方面へ振り返ると、ナンパされていた者がここぞとばかり逃げ去っていく。

「ナンパするだけならまだしも、女を蹴るとかいうのは感心しない。そういう男は絶対にモテない、覚えておくべし!」

 団子はそう言って開けた左手を前に突き出す。しかし男からすると、両目がグイグイ引っ張られるのは女がまとっている白の無地Tシャツにあるふくらみ具合。それは大変に豊満でやわらかそうで、うっすらと浮かぶ谷間に白いフルカップなんていうのが目の保養としては極上レベル。

「おぉ……すげぇやわらかそうな美巨乳……甘えてみたくなっちゃうなぁ」

 男は男らしくデレデレっとなりかける。しかし目線を豊満なるふくらみから顔の方に向けるとテンションがダダっと傾き下がる。

「なんだよ、マジブスかよ……豊満な巨乳がなかったら何の取り柄もないってゲロブスかよ、痛いなぁ、気の毒になぁ……」

 やれやれ……と左手を額に当て落ち込む男。

「誰がマジブスだって? 誰がゲロブスだって?」

 団子、今のは到底聞き捨てならないと怒りのオーラを立ち上がらせる。ギュッと両手をにぎり、こんな男は嫌いだ、こんな男は痛めつけたって誰の不利益にもならないはずだ! という表情を固める。

「おまえに決まってんだろう……っていうかおまえ……着替えのとき自分の巨乳を見て、なんでこんな魅力的な女に彼氏が出来ないのだろう、世の中の男はバカばっかりってひとりで悲劇ぶったりしているんだろう?」

 男は言い終えると、自分の言った事がツボにハマったらしく腹を抱えて笑い出す。おれを殺す気かよ……とか言って大声で笑い続ける。

「おのれ……よくも乙女心を侮辱したな……」

「ぷっ、乙女って、おまえお笑い巨乳かよ」

 ゲハハハハハと笑いが止まらない男を見ながら、グッと戦闘態勢に入る団子。もはや男にはまったくの情けをかけないとする。

「なんだよ、今度は何か捨て身のギャグでもやってくれるのか?」

 いまだにしつこく笑う男であったが、ヘラヘラっとやっているその最中、突然に団子の姿が空気に溶けた。

(え?)
 
 笑いながら焦った次には女の姿が眼前にある。そしてグワっと胸倉をつかまれ引き寄せられる。なんかヤバい! と思ったが、女からいいニオイがフワーっと伝わったこと、近い距離でTシャツのふくらみ具合を見ておぉ! と心奪われたことなどが重なる。よって男は投げられる以外に道はなくなった。

「マジブスとかゲロブスとか、豊満な巨乳がなかったら何の取り柄もないとか、そんな女に投げられるおまえこそ、気の毒以外の何者でもないんだ。あの世を見て来やがれ!」

 叫んだ団子が男を投げ飛ばす。すると哀れな胴体はすぐ近くにあった車のフロントガラスに向かっていき……ガッシャーン! とはげしい音を立てるにいたった。

「ふん、ダサい奴。こんなんじゃぁ何のトレーニングにもならない」

 パンパンと両手を払う団子、もっと投げたい……もっと投げたいぞ! と欲求不満を胸に抱いて歩き出す。

「他にはいないかな、ぶん投げても世間からは一切同情されないってクズなやつ」

 そんな事をブツブツ言いながら裏通りを歩いていたら、神さまが願いを聞いてくれたのか、男が女をナンパしているのであろうって光景に出くわす。

 女、着ているパーカーを前開きとし、内側の白タンクトップを露出。やわらかい弾力がいっぱいであろうその豊満さは団子と同レベルとしか思えないすごい巨乳。そして色白ムッチリなボディーがあっはーん! って声を出しているかのように色っぽい。

(ん……)

 電柱に盾に身を潜めどんな会話なのかと耳を傾ける。もし男が狼で女がおびえる子羊ならいつでも助けに出る! と思いながら聞き耳を立てる。

「ふざけんなよ、おれに付き合うって言っただろうがよ」

「だから付き合ったじゃん、ちゃんとマックで昼ご飯とか付き合ってあげたじゃん、ついさっきの出来事なのに忘れたの?」

「アホか、本命はその次なんだよ、ラブホに行くって事なんだよ」

「あ、それ卑怯。最初からラブホに行きたいて言えば、そういうアタマで動いたけれど、いっしょにマックはどう? としか言わなかったよね。後から言うことを変えるっていうのは、モテない奴がする事だよ?」

「く……し、しかしだなぁ」

「しかし、なにかしらん?」

「男が女に下心なしで飯を食わせるわけないだろう。ベッドタイムがあると思うからやるんだぞ」

「じゃぁ、なんで最初にそれを言わないの?」

「そ、それは……言わなくてもわかると思ったというか……」

「ごめん、わたしってアタマが悪いからさぁ、言われないのにわかるなんて器用じゃないんだわ」

「卑怯者め……」

「言っとくけどさぁ、わたしってセックス大好きな女なんだよ? 人類はセックスさえしておけば平和だという考えすら持っているんだよ。でも物事は最初が肝心。最初に、おれはおまえみたいな女がめっちゃ好みだ、だからセックスしよう! って言えば乗ってたね」

「だ、だったら今からでも」

「ごめん、今日はテンションが上がらないんだわ。だから他の女を探して。巨乳とか爆乳なんて探せばすぐ見つかると思うし」

 女、じゃぁね! と……かわいいとも食えない小悪魔とも言えるような笑みを浮かべ、クルっと回れ右して歩き出す。

「く、調子に乗りやがって……」

 男の全身から腹立ちエネルギーが湧き上がってきた。こうなったら無理やり力ずくであの女を抑え込み、人気のない場所に連れ込んで豊満ボディーを食ってやる! って思いが沸々と温度を上げていく。

(あ、これは危ないかも)

 団子、いつでもあの女を助けに行けるよう身構える。ついでにどの技で投げ飛ばそうかという脳内シュミレーションもやっておく。
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