息吹アシスタント(息吹という名の援護人)

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211・(Σの輝き)身長40mになった爆乳女子、団子を食い止めろ 5

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211・(Σの輝き)身長40mになった爆乳女子、団子を食い止めろ 5


「団子、ちょっと待ちやがれ!」

 息吹のその声を聞くと、シンボルタワーに向かってファイヤーしそうになっていた団子の動きが止まる。

「タワーより先におれだ、おれを先に燃やせ……燃やせるのであればな」

 そう言われた団子、体の向きを息吹いるビル屋上へと向き直す。そして出来れば息吹は攻撃したくないという内情を一瞬目に浮かべる。

「心配するな、おれは心を燃やす事はあっても敵に燃やされはしない」

 どこからともなく刀を取り出した息吹が団子を見ながら構える。

「息吹、そんな事を言って燃え死にしても知らないぞ……焼け焦げて死んでもしらないぞ」

「おまえのネガティブに溺れる小さな心でおれが燃やせるのか?」

「むぅ……」

 団子、息吹に挑発され大きく空気を吸い込む。そしてぐぅーっと上に向けていった下に向けたとき、ぶっ太い炎を息吹に向かって吹き放つ。

「大車輪!」

 向かってくる炎を息吹の回転させる刀の渦が砕いていく。まるで哀れに散っていく夢みたいに炎が飛び散っては消えていく。それは一見すると息吹の圧倒的な勝りに見えた。

(し、しかし……)

 ここで息吹の表情がゆがんだ。なぜならおそろしく熱いからだ。そして強大な炎を砕いているとはいえ、すべてはムリ。よって砕けない炎の一部が衣服に移ってきたりする。

「く……」

 偶然だが息吹がたまらず横に転がって衣服の燃えを消したのと、団子の炎吐きが終わったのは同時だった。

「息吹、すごいよ……と言いたいが、服が燃えたね。肉が焼けたらえらいことだよ。しょせん息吹はわたしを止められないんだよ」

 悪い団子、少しさみしそうな顔をした。それはおそらく、心の奥に押し込めている良い団子のかなしい叫びなのかもしれない。

「いーや、まだだ、おれには策がある。まぁ、たったいま閃いたんだけどな」

「はぁ? 何言ってんの? 服が燃えて焦ったくせに。しかもなに、たったいま閃いた? そんな適当な発想がわたしに通用するもんか」

「何事もやってみなきゃわからない。団子、おまえに挑戦だ。もう一度ファイヤーしてみやがれ」

「息吹……死んでもいいんだね?」

「そういう風におれを気遣うのは、団子がやさしいからだ。ほんとうはやさしくて良い女って事だ。それがほんとうの団子、よってそのほんとうの心を引っ張り出してやる」

「だったら望み通りに焼いてやる」

 団子、今度はフルパワーだと両手をにぎった。しかしこのとき、息吹が空高くに舞い上がったので目を丸くする。

(何をする気?)

 ファイヤーするためのエネルギーチャージをしながら、団子は息吹が何をするのか気にしてしまう。

「青龍!」

 息吹が必殺のブルードラゴンを放つ。しかしそれは明らかにおかしいというか失敗にしか見えなかった。なぜなら団子のいない青天の空に放たれたからだ。

(青いドラゴン!)

 ほんの一瞬、うつくしい……と思って見入った。しかしハッと気がつくと、猛烈なスピードで息吹が向かってくる。どうやらドラゴンを放った時の勢いをジェット噴射にしたらしい。そして刀を振らんとして猛烈なスピードで接近してくる。

(や、やば……)

 団子、少し遅れをとった! と大焦り、すぐさま速攻チャージで顔を口から炎を吐き出さんとする。

(いまだ、いましかない!)

 息吹、ここで先ほど露天商より購入したアイテムΣカプセルを取り出す。団子が炎を吐き出すその瞬間、まさにその瞬間にカップセルを点灯されば強大なエネルギー同士がぶつかり合う。それによって数秒ながら別宇宙への入り口が開く。

 団子が炎を吐いた。しかし同時に息吹がカプセルのボタンを押した。そうすると超小型太陽と表現したくなるようなまぶしさが発生。そしてその輝きの中に空間の割れ目が出た。

「な……」

 ぎょっとした悪い団子、その割れ目に吸い込まれそうになって瞬時に理解する。吸い込まれたが最後……もう二度とこの宇宙や地球に戻れない。別の宇宙で哀れな死体として永遠にさまよう事になると。

「い、いやだ……死にたくないよ……」

 さみしい死への恐怖は悪い心を最前線から最後方へと移動させた。代わりに良い心が生きたいという叫びになる。

「団子」

 ここでグッと息吹が団子の手を取って引き寄せる。別宇宙への入り口、それは数秒で消える。それに飲み込まれさえしなければ助かる。そして不気味な裂け目が閉じられたら、パン! っとまぶしい領域が破裂。その場は元の明るさに戻って、勢いよく飛ばされていた息吹と団子が「あいてて……」 とか言って体を起こす。

「あそこからタワー近くまで飛ばされたか……」

 息吹、裏通りにある電柱に激突して背中が痛いと顔を歪める。

「い、息吹……」

 息吹に抱きしめられていたので衝突などしなかった団子、守ってくれた存在を気遣おうと立ち上がるが何と言っていいかわからなくなる。

「団子、ケガはないか?」

「う、うん……」

「ま、今は世間の注目が巨大女のいた周辺に全力で注がれているからな、ここは別世界みたいに静かになっているな」

「あ、あの……息吹……」

「うん?」

「その……ま、まずはごめんなさい」

「まぁ、気にするな。人間誰しも感情が乱れることはある。大事なのは、いかに早く明るい方向に立ち直るかだしな」

「その……息吹はわたしのこと……嫌いになった?」

「別に、これくらいでは嫌いにならないかな。何だかんだ言ってもおれは女が好きだからな」

 息吹、罪悪感と恥ずかしさで死にたいと顔に書いている団子に歩み寄る。そして真っ赤な顔の頬にソッと右手の平を当てて伝える。

「団子はいい女だって、魅力的だって。たとえ99人がイヤな事を言ったとしても、1人が認めてくれたらそれでいいだろう? おれに言わせりゃぁ団子はかわいいしやさしいと揃ったいい女だ。心配するな、ちゃんと視力のよい奴、見る目のある奴はどこかにいるからさ」

 あぁ……なんて胸キュンな展開。この流れに乗って息吹に抱いて欲しいと言いたくなる団子だった。でも今それを言うと……せっかくのいい感じがつぶれるという気もした。

「腹が減った、マックにでも行かないか?」

「い、行く、息吹とならよろこんで。でも……」

「でも?」

「少しとはいえ……暴れて崩したのはどうしようって」

「ま、気にするな。人間は前を見てしか生きられないんだからな」

「そ、そうだね、終わった事を気にしても仕方がないよね」

「そうそう、だから早く行こうぜ」

 こうして2人は大騒ぎしている世間から隔離されたように静かなところにあるマックで昼食と流れ込むのであった。
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