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第七章 忙しいが、呆気なく都市ルーセントに向かう事になりました。
第五十六幕 海賊退治と今年の夏はリゾートだ!
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「さて、初めてきたダラでゆっくり観光するのも悪くないが、まずは宿屋探しだな」
宿屋探しを開始した千夜たちは。
「湯船に浸かれる宿屋となると、多くはないだろ」
「そうね。この港都市だと、どうしても高級宿になるわね。たまに中級宿にもあるけど、水質があまりよくないし」
「そうなると、やはり高級宿だな。このあたりの質は解らないがどうなんだ?」
「そうね……ガレット獣王国で泊まった黄金の木天蓼亭には遠く及ばないけど、ちゃんとした宿屋よ。たまに貴族たちも泊まりに来ることもあるぐらだしね」
「ほう、それなら安心だな。だがそれだと値段が心配だな」
「確か一番安い部屋でも一人金貨3枚だったはずよ。ま、ここはリゾートじゃないから安いほうよ。リゾートになればもっと高いんだから」
「リゾートなんかあるのか?」
「ええ、このルーセントには無いけど、隣の領地マリーシ領には有名なリゾートがあるわ。夏になれば沢山の観光客で一杯になるわ。有名な高級宿だと今のうちに予約しておかないと無理なほどよ」
「ほう、そこまで凄いのか。なら、今年の夏はそのリゾートでバカンスでもするか」
「本当に!」
「ああ」
「やったわ!」
「楽しみです!」
「遊べるのじゃ!」
「私は何処までもお供します」
「そうなれば水着も買わないとね」
そんなエリーゼの言葉に一瞬千夜の眉が動いたことは言うまでも無い。
「水着……それはなんですか?」
「海で遊ぶときの服装よ。色んな種類があるんだから」
「それは楽しみです!」
「我もなのじゃ」
「……頑張ります」
(エルザよ。何を頑張るんだ)
内心そんな事を思いながら千夜は本題に話を戻す。
「今は宿屋が先だぞ」
「そ、そうね。そうだったわね」
すっかり忘れていたエリーゼたちは笑いで誤魔化す。
その後十数分かけて見つけたお風呂付きの高級宿にチェックインした千夜たちは一日の疲れを飛ばすようにお風呂に直行した。
一足先にお風呂から出た千夜は、自分たちが寝泊りをする寝室に戻ってきていた。
流石に全員で泊まれる一室は無かったので3部屋借りた。
組み合わせで言えば、ミレーネとクロエ、エリーゼとウィル、千夜とエルザである。
一人しかいない部屋で千夜はさっそくスケアクロウに念話を飛ばす。
『はい、なんでしょうか創造主様』
『一応、ダラに到着したことを連絡しておこうと思ってな』
『なんと、そうでしたか。その心遣いに感謝いたします』
『気にするな。それで、追加情報は入ったのか?』
『いえ、これといった情報は掴めておりません』
『そうか』
(やはり、スケアクロウでも難しいか)
『ですが、来週にグレムリン商会が海底遺跡の採掘に船を出すという情報は手に入れました』
(グレムリン商会が? そうか、それでドルンに武器を頼んだのか。てっきり別の領地に品を輸送するものだとばかり思っていたが、海底遺跡での採掘とは)
『なるほど、それで?』
『はい。海賊の襲撃も予測されるので冒険者からも何人か依頼を出すとか。明日にでもギルドに行けば掲示板に貼られているかと』
『解った。明日エリーゼたちと一緒に依頼を引き受けてくるとしよう。その間スケアクロウはグレムリン商会の書斎に忍び込みそれらしい情報が無いか調べておけ』
『畏まりました』
そこで念話が切られた。
「さて、いよいよ海の上での海賊と戦いか。それにしてもダラに来て早々、戦いとか我が人生ながら大量の血が流れているな」
独り言を呟きながら千夜はベットに横になる。
次の日、朝食を終えた千夜たちは早速ギルドに向かった。
今回は既に受けたい依頼が決まっているため、他の者に先をこされないよう少し急ぐ。
ようやくギルドに到着した千夜は掲示板に直行する。
「………これだな」
Bランクのところに張り出されていた船の護衛という内容と依頼主がグレムリン商会と書かれているのを確かめ依頼書を掲示板から剥ぎ取る。
「すまないがこの依頼を受ける」
千夜はソーナの許に向かい依頼書を提出する。
「どれどれ……今日出されたばかりの船の護衛だね。これアンタたちのランクより一つ低いが構わないのかい?」
「ああ、構わない船の上での戦闘経験は無いからこそ、一つ下を選んだんだ」
「なるほどね。ほら、依頼を受理したよ」
「助かる」
「それと、この後用事がないならグレムリン商会に行ってみると良いさね」
「何故だ?」
ソーナの言葉に千夜は首を傾げる。
「アンタこの街では新顔だろ。こういった港街では新顔はあんまり信頼されないのさ。そのせいでもしかすると断られる恐れがあるからね」
「なるほどな。出航直前に断られないようにするためか」
「そうさ。よく解ってるじゃないか」
「助かったこの後にでも行ってみるとしよう」
「そうすると良いさ」
ソーナの助言で最悪の事態は免れそうな千夜たちはギルドを後にしてグレムリン商会へと向かった。
宿屋探しを開始した千夜たちは。
「湯船に浸かれる宿屋となると、多くはないだろ」
「そうね。この港都市だと、どうしても高級宿になるわね。たまに中級宿にもあるけど、水質があまりよくないし」
「そうなると、やはり高級宿だな。このあたりの質は解らないがどうなんだ?」
「そうね……ガレット獣王国で泊まった黄金の木天蓼亭には遠く及ばないけど、ちゃんとした宿屋よ。たまに貴族たちも泊まりに来ることもあるぐらだしね」
「ほう、それなら安心だな。だがそれだと値段が心配だな」
「確か一番安い部屋でも一人金貨3枚だったはずよ。ま、ここはリゾートじゃないから安いほうよ。リゾートになればもっと高いんだから」
「リゾートなんかあるのか?」
「ええ、このルーセントには無いけど、隣の領地マリーシ領には有名なリゾートがあるわ。夏になれば沢山の観光客で一杯になるわ。有名な高級宿だと今のうちに予約しておかないと無理なほどよ」
「ほう、そこまで凄いのか。なら、今年の夏はそのリゾートでバカンスでもするか」
「本当に!」
「ああ」
「やったわ!」
「楽しみです!」
「遊べるのじゃ!」
「私は何処までもお供します」
「そうなれば水着も買わないとね」
そんなエリーゼの言葉に一瞬千夜の眉が動いたことは言うまでも無い。
「水着……それはなんですか?」
「海で遊ぶときの服装よ。色んな種類があるんだから」
「それは楽しみです!」
「我もなのじゃ」
「……頑張ります」
(エルザよ。何を頑張るんだ)
内心そんな事を思いながら千夜は本題に話を戻す。
「今は宿屋が先だぞ」
「そ、そうね。そうだったわね」
すっかり忘れていたエリーゼたちは笑いで誤魔化す。
その後十数分かけて見つけたお風呂付きの高級宿にチェックインした千夜たちは一日の疲れを飛ばすようにお風呂に直行した。
一足先にお風呂から出た千夜は、自分たちが寝泊りをする寝室に戻ってきていた。
流石に全員で泊まれる一室は無かったので3部屋借りた。
組み合わせで言えば、ミレーネとクロエ、エリーゼとウィル、千夜とエルザである。
一人しかいない部屋で千夜はさっそくスケアクロウに念話を飛ばす。
『はい、なんでしょうか創造主様』
『一応、ダラに到着したことを連絡しておこうと思ってな』
『なんと、そうでしたか。その心遣いに感謝いたします』
『気にするな。それで、追加情報は入ったのか?』
『いえ、これといった情報は掴めておりません』
『そうか』
(やはり、スケアクロウでも難しいか)
『ですが、来週にグレムリン商会が海底遺跡の採掘に船を出すという情報は手に入れました』
(グレムリン商会が? そうか、それでドルンに武器を頼んだのか。てっきり別の領地に品を輸送するものだとばかり思っていたが、海底遺跡での採掘とは)
『なるほど、それで?』
『はい。海賊の襲撃も予測されるので冒険者からも何人か依頼を出すとか。明日にでもギルドに行けば掲示板に貼られているかと』
『解った。明日エリーゼたちと一緒に依頼を引き受けてくるとしよう。その間スケアクロウはグレムリン商会の書斎に忍び込みそれらしい情報が無いか調べておけ』
『畏まりました』
そこで念話が切られた。
「さて、いよいよ海の上での海賊と戦いか。それにしてもダラに来て早々、戦いとか我が人生ながら大量の血が流れているな」
独り言を呟きながら千夜はベットに横になる。
次の日、朝食を終えた千夜たちは早速ギルドに向かった。
今回は既に受けたい依頼が決まっているため、他の者に先をこされないよう少し急ぐ。
ようやくギルドに到着した千夜は掲示板に直行する。
「………これだな」
Bランクのところに張り出されていた船の護衛という内容と依頼主がグレムリン商会と書かれているのを確かめ依頼書を掲示板から剥ぎ取る。
「すまないがこの依頼を受ける」
千夜はソーナの許に向かい依頼書を提出する。
「どれどれ……今日出されたばかりの船の護衛だね。これアンタたちのランクより一つ低いが構わないのかい?」
「ああ、構わない船の上での戦闘経験は無いからこそ、一つ下を選んだんだ」
「なるほどね。ほら、依頼を受理したよ」
「助かる」
「それと、この後用事がないならグレムリン商会に行ってみると良いさね」
「何故だ?」
ソーナの言葉に千夜は首を傾げる。
「アンタこの街では新顔だろ。こういった港街では新顔はあんまり信頼されないのさ。そのせいでもしかすると断られる恐れがあるからね」
「なるほどな。出航直前に断られないようにするためか」
「そうさ。よく解ってるじゃないか」
「助かったこの後にでも行ってみるとしよう」
「そうすると良いさ」
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