50 / 61
本編第四部「黄金色の夢の結末」
6 思い出の酒
しおりを挟む
――リヤスーダの葬儀は、彼の遺言に従って簡素な形式で執り行われた。
催場に棺のみが置かれ、死者を冥府へと送り出すための儀式が粛々と進められていく。参列した王の一族や民らの手により供えられた色とりどりの花々が、どんな装飾よりも美しく彼を彩った。
儀式が終わり霊廟へと向かう馬車には、沿道から女子供らの手によって花弁が吹雪のように振り撒かれる。王の名を呼ぶ声が誰からともなく上がり、それはやがてひとつの大きな声となった。
贅など凝らさずとも、彼の葬儀は民に愛された王に相応しい、盛大かつ壮麗なものとなったのだった。
――リヤスーダが身罷ってから暫くの後。
静けさの漂う離れ屋に、イグルシアスが訪れた。
「キュリオ! さっきベルと会ったよ。僕の所で新米侍女の教育係してくれるってさ!」
彼もまた彼なりに年を取り、赤実のある金髪には少しばかり白いものが混じっている。だが、甘く端正な顔立ちは今だ若々しく、その軽く明るい口調も相変わらずだ。
「……って、それ、……どうしちゃったの」
そんな彼が離れ家の居間にいるキュリオの姿を見た途端、驚きに目を見開いた。
「今しがた、ベルセニアに切ってもらったのだよ。あの長さは私ひとりで手入れをするには、持て余す長さだからね。随分と頭が軽くなったよ」
腰に届くほど長く伸ばされていたキュリオの艶やかな黒髪が、ばっさりと肩上で切られていたのだ。
呑気に微笑みながら返された答えに、酷く驚いた顔をしていたイグルシアスが「綺麗だったのに……。うんまあ、でも、その長さも似合うよ」と、苦笑めいたものを声に滲ませながら言った。
「あ! そうそう、君に頼まれてた物を持って来たよ。これで合ってるかな」
居間にあるテーブルの上にイグルシアス置いたのは、大瓶の酒だった。
をれを見たキュリオが「……懐かしい。間違いないよ。私とリヤが初めて一緒に飲んだ酒だ」と、嬉し気に顔を綻ばせて頷く。
「そうなの。思い出の酒だねぇ。兄さんに供えていくつもりかな」
「いや、君と飲みたいと思うんだが、どうかね」
瓶を掲げてキュリオがイグルシアスを誘うと、彼は「えっ?」と、声を上げて意外そうな顔をした。
「それは、嬉しいけれど良いのかい? 思い出の酒なんだから、兄さんに供えてあげた方がいいと思うけれど……」
「酒は供えるよりも、飲む物だ。彼を想いながら飲みたいが、独り酒は寂しい。……イグルシアス、私と一緒にこれを飲んではくれないかね」
「……うん、わかったよ。そういう事なら喜んで付き合うよ」
キュリオ自ら調理場から杯をふたつ持って来て、居間のテーブルに並べる。
「……リヤの行き付けだった酒場で、これで彼と飲み比べをしたのだよ」
封を開け、杯に白濁色の酒を注いでイグルシアスに手渡しながら、キュリオは微笑んだ。
「なかなかに強い酒だ。気を付けて」
「ふうん? 飲み易そうな良い匂いだけど……」
軽く匂いを嗅いでから少しだけ口に含んで味わい、ゴクリと飲み込んだイグルシアスは次の瞬間、ぷはーっと息を吐き出す。
「はぁ、凄いね。喉にカーッとくる感じだ。……うん、でも美味しいよ。悪くない味だね」
「そうかね。気に入ってもらえて、嬉しいよ」
「でもさ、この強いので飲み比べなんて酒豪だねぇ。どっちが勝ったの」
少しずつ酒を味わいながら訊く長年の友人に対して、キュリオがくっと一息で酒を飲み干して、二杯目を手酌で注ぎながら、こう答えた。
「私だ。リヤは酔い潰れたよ」
「あはは! あの兄さんが? 凄いね!」
「店主に言わせると、リヤがそういう酔い方をしたのを見たのは、初めてだったそうだよ」
「へぇ……。その時から、キュリオには気を許していたって事なのかな」
「そうなるのかね。とにかく、その後が大変だったよ。休憩部屋の寝床にどうにか運んで寝かし付けた後に、酔い覚ましに外套を脱いでいたら、リヤがまだ半分起きていてね。隠していた顔を見られてしまって――」
「ちょっとまって!」
イグルシアスはひっぱたく勢いでキュリオの口を塞ぎ、話を遮る。
「む、ぐ……」
「……その先はなんか想像がつくよ」
はあああっと溜息をつきながらキュリオの口から手を離して、彼はチビチビと酒を飲む。少しだけ赤くなった口元をさすりながら、キュリオは「痛い……」と呟いて眉根を寄せた。
「ごめんごめん。でも、生っぽい部分があるなら省いてくれないかい。君は時々恥じらいが足りないよ」
苦笑いをして、イグルシアスがヒラヒラと手を振ると、キュリオは「うむ……」と、頷いた。
「……リヤは結局、朝には何も覚えていなかったが。寝起きにもう一度私の顔を見た時に、また驚いていたからね。私を抱き込んで寝落ちてしまう前、やっと見つけただのと言われたのだが、あれは一体何だったのか」
「うーん。何だろうね。初対面で、やっと見つけたっていうのは妙だね。前世で会ってたとかさ。そういうのだったら面白いけど」
うーんと唸って悩みながら、酒を飲み干したイグルシアスに、キュリオが二杯目の酌をする。
「何せ、兄さんは国を興した始祖の再来だと言われていたし、生まれ変わりはこの国でも割と信じられているんだよねぇ……。黄金色の子供は滅多に生まれないんだ。僕みたいに色混じりがあるのが普通だね」
「若い頃は、兄さんみたいな髪で生まれたかったと思ったりもしたよ」と、やや白髪混じりになっている赤みの強い自らの金髪を触りながら、イグルシアスが笑う。
「再来が事実として起こり得るなら、もしかしたらリヤが戻ってきてくれるだろうかね。それを信じてみたい気もするが……」
三杯目の酒を飲みながら、キュリオは穏やかに微笑んだ。
「……ねぇ、キュリオ。生まれ変わりを信じてみたいのなら、旅に出ずにここで待っいても良いのではないかな。またいつか、兄さんと同じ黄金色の子が生まれてくるかもしれないよ。……皆も、君が居てくれるのを喜ぶよ」
イグルシアスが真剣な顔で言うが、キュリオは顔を俯かせて、ゆるりと首を横に振った。
「すまないね。……見送るのは彼一人だけで、もう十分だ。皆まで見送ることなどとても辛くてできない。……私は、臆病で弱い化け物なのだよ」
「無理にとは言わないよ。僕こそ、ごめん」
もとより、リヤスーダが身罷った後には旅暮らしに戻ると決めていたのだ。
それを承知していても尚、イグルシアスやラフィン達は彼を引き留めたいと願っていたが、彼の気持ちは変わらない。
……誰に頼るでもなく自由に旅を続けていた彼が、籠の鳥のように留まり続けていたのは、リヤスーダの存在が有ればこそ成り立っていたものなのだから。
「君達と離れ難いのも確かだ。ずっとここに居てもいいと言ってくれるのは、とても嬉しい」
「……そう言ってもらえて僕も嬉しいよ。……明日には、旅に出るのだったね」
穏やかな表情でキュリオが頷くと、イグルシアスは涙目になりながら、グイッと一息に酒を飲み干してから、こう叫んだ。
「僕は、見送らないと決めたよ! みっともなく泣きそうだ!」
ぐすぐすと鼻を啜りだした彼に「それで構わないよ」と微笑み、キュリオは自らも杯に残る酒を一気に飲み干したのだった。
催場に棺のみが置かれ、死者を冥府へと送り出すための儀式が粛々と進められていく。参列した王の一族や民らの手により供えられた色とりどりの花々が、どんな装飾よりも美しく彼を彩った。
儀式が終わり霊廟へと向かう馬車には、沿道から女子供らの手によって花弁が吹雪のように振り撒かれる。王の名を呼ぶ声が誰からともなく上がり、それはやがてひとつの大きな声となった。
贅など凝らさずとも、彼の葬儀は民に愛された王に相応しい、盛大かつ壮麗なものとなったのだった。
――リヤスーダが身罷ってから暫くの後。
静けさの漂う離れ屋に、イグルシアスが訪れた。
「キュリオ! さっきベルと会ったよ。僕の所で新米侍女の教育係してくれるってさ!」
彼もまた彼なりに年を取り、赤実のある金髪には少しばかり白いものが混じっている。だが、甘く端正な顔立ちは今だ若々しく、その軽く明るい口調も相変わらずだ。
「……って、それ、……どうしちゃったの」
そんな彼が離れ家の居間にいるキュリオの姿を見た途端、驚きに目を見開いた。
「今しがた、ベルセニアに切ってもらったのだよ。あの長さは私ひとりで手入れをするには、持て余す長さだからね。随分と頭が軽くなったよ」
腰に届くほど長く伸ばされていたキュリオの艶やかな黒髪が、ばっさりと肩上で切られていたのだ。
呑気に微笑みながら返された答えに、酷く驚いた顔をしていたイグルシアスが「綺麗だったのに……。うんまあ、でも、その長さも似合うよ」と、苦笑めいたものを声に滲ませながら言った。
「あ! そうそう、君に頼まれてた物を持って来たよ。これで合ってるかな」
居間にあるテーブルの上にイグルシアス置いたのは、大瓶の酒だった。
をれを見たキュリオが「……懐かしい。間違いないよ。私とリヤが初めて一緒に飲んだ酒だ」と、嬉し気に顔を綻ばせて頷く。
「そうなの。思い出の酒だねぇ。兄さんに供えていくつもりかな」
「いや、君と飲みたいと思うんだが、どうかね」
瓶を掲げてキュリオがイグルシアスを誘うと、彼は「えっ?」と、声を上げて意外そうな顔をした。
「それは、嬉しいけれど良いのかい? 思い出の酒なんだから、兄さんに供えてあげた方がいいと思うけれど……」
「酒は供えるよりも、飲む物だ。彼を想いながら飲みたいが、独り酒は寂しい。……イグルシアス、私と一緒にこれを飲んではくれないかね」
「……うん、わかったよ。そういう事なら喜んで付き合うよ」
キュリオ自ら調理場から杯をふたつ持って来て、居間のテーブルに並べる。
「……リヤの行き付けだった酒場で、これで彼と飲み比べをしたのだよ」
封を開け、杯に白濁色の酒を注いでイグルシアスに手渡しながら、キュリオは微笑んだ。
「なかなかに強い酒だ。気を付けて」
「ふうん? 飲み易そうな良い匂いだけど……」
軽く匂いを嗅いでから少しだけ口に含んで味わい、ゴクリと飲み込んだイグルシアスは次の瞬間、ぷはーっと息を吐き出す。
「はぁ、凄いね。喉にカーッとくる感じだ。……うん、でも美味しいよ。悪くない味だね」
「そうかね。気に入ってもらえて、嬉しいよ」
「でもさ、この強いので飲み比べなんて酒豪だねぇ。どっちが勝ったの」
少しずつ酒を味わいながら訊く長年の友人に対して、キュリオがくっと一息で酒を飲み干して、二杯目を手酌で注ぎながら、こう答えた。
「私だ。リヤは酔い潰れたよ」
「あはは! あの兄さんが? 凄いね!」
「店主に言わせると、リヤがそういう酔い方をしたのを見たのは、初めてだったそうだよ」
「へぇ……。その時から、キュリオには気を許していたって事なのかな」
「そうなるのかね。とにかく、その後が大変だったよ。休憩部屋の寝床にどうにか運んで寝かし付けた後に、酔い覚ましに外套を脱いでいたら、リヤがまだ半分起きていてね。隠していた顔を見られてしまって――」
「ちょっとまって!」
イグルシアスはひっぱたく勢いでキュリオの口を塞ぎ、話を遮る。
「む、ぐ……」
「……その先はなんか想像がつくよ」
はあああっと溜息をつきながらキュリオの口から手を離して、彼はチビチビと酒を飲む。少しだけ赤くなった口元をさすりながら、キュリオは「痛い……」と呟いて眉根を寄せた。
「ごめんごめん。でも、生っぽい部分があるなら省いてくれないかい。君は時々恥じらいが足りないよ」
苦笑いをして、イグルシアスがヒラヒラと手を振ると、キュリオは「うむ……」と、頷いた。
「……リヤは結局、朝には何も覚えていなかったが。寝起きにもう一度私の顔を見た時に、また驚いていたからね。私を抱き込んで寝落ちてしまう前、やっと見つけただのと言われたのだが、あれは一体何だったのか」
「うーん。何だろうね。初対面で、やっと見つけたっていうのは妙だね。前世で会ってたとかさ。そういうのだったら面白いけど」
うーんと唸って悩みながら、酒を飲み干したイグルシアスに、キュリオが二杯目の酌をする。
「何せ、兄さんは国を興した始祖の再来だと言われていたし、生まれ変わりはこの国でも割と信じられているんだよねぇ……。黄金色の子供は滅多に生まれないんだ。僕みたいに色混じりがあるのが普通だね」
「若い頃は、兄さんみたいな髪で生まれたかったと思ったりもしたよ」と、やや白髪混じりになっている赤みの強い自らの金髪を触りながら、イグルシアスが笑う。
「再来が事実として起こり得るなら、もしかしたらリヤが戻ってきてくれるだろうかね。それを信じてみたい気もするが……」
三杯目の酒を飲みながら、キュリオは穏やかに微笑んだ。
「……ねぇ、キュリオ。生まれ変わりを信じてみたいのなら、旅に出ずにここで待っいても良いのではないかな。またいつか、兄さんと同じ黄金色の子が生まれてくるかもしれないよ。……皆も、君が居てくれるのを喜ぶよ」
イグルシアスが真剣な顔で言うが、キュリオは顔を俯かせて、ゆるりと首を横に振った。
「すまないね。……見送るのは彼一人だけで、もう十分だ。皆まで見送ることなどとても辛くてできない。……私は、臆病で弱い化け物なのだよ」
「無理にとは言わないよ。僕こそ、ごめん」
もとより、リヤスーダが身罷った後には旅暮らしに戻ると決めていたのだ。
それを承知していても尚、イグルシアスやラフィン達は彼を引き留めたいと願っていたが、彼の気持ちは変わらない。
……誰に頼るでもなく自由に旅を続けていた彼が、籠の鳥のように留まり続けていたのは、リヤスーダの存在が有ればこそ成り立っていたものなのだから。
「君達と離れ難いのも確かだ。ずっとここに居てもいいと言ってくれるのは、とても嬉しい」
「……そう言ってもらえて僕も嬉しいよ。……明日には、旅に出るのだったね」
穏やかな表情でキュリオが頷くと、イグルシアスは涙目になりながら、グイッと一息に酒を飲み干してから、こう叫んだ。
「僕は、見送らないと決めたよ! みっともなく泣きそうだ!」
ぐすぐすと鼻を啜りだした彼に「それで構わないよ」と微笑み、キュリオは自らも杯に残る酒を一気に飲み干したのだった。
1
あなたにおすすめの小説
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
【bl】砕かれた誇り
perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。
「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」
「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」
「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」
彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。
「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」
「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」
---
いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
【完結】婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる