【完結】騎士団をクビになった俺、美形魔術師に雇われました。運が良いのか? 悪いのか?

ゆらり

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小話的なもの

今日は卵料理デーだ! 色々レクチャーしちゃいますよ!   

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 ※続きです。





 そんなこんなで、『クラさんの胃袋掴もう作戦』が始まった。


 我が家のキッチンで、マンツーマンの料理教室を開始!

 カムロさんは「邪魔してはいけませんから……」と言って、少し不機嫌そうにしていたけれど大人しく書斎に引っ込んでくれた……。うん、ごめんね! カムロさん! 後でイチャイチャしましょう!

「ハス、よろしく頼む」

「あっ、はい!」

 それにしても……エプロン姿のセリド先輩……な、なんだか違和感が酷くて見慣れない絵面だ。騎士服姿できりっとした雰囲気がカッコいい先輩はどこへ……。

 おっと、微妙な空気になっちゃうから気にしないぞ! 

「それじゃあ、簡単なところから始めますね」

「簡単……か。全く覚えがないからな。簡単かどうかは分からないが」

 生粋のお貴族様の先輩は、家事経験がない。つまり超初心者! 

「そうですね。まず簡単なところからってことで、目玉焼き作ってみましょうか」

 卵をいくつかボウルに入れてキッチンのコンロ横に置く。家庭料理の定番。でもこれが意外と簡単でも難関だったりするんだぞ。侮るなかれ!

「フライパンに油を敷いて……と、火を入れときます。で、ここに卵を割って入れてください」

「あ、ああ……」

 まず、卵を割るのが難しい。おっかなびっくりな先輩が、卵をボウルから取り出した。

 力加減を間違えると……ぐちゃって、「あっ」……あー! 早速やっちゃったぞ! 握り潰してくださいましたよ。わ、割り方から教えるべきだった! すみませんごめんなさい!

「す、すまない」

 慌てて俺が出した皿に、割れた卵を避難させる先輩。

「いいえー。あるあるですよ。手、洗いましょうか。あっ、タオルどうぞ。すみません、割り方から俺が見本を見せた方がよかったですね」

「いや、これも経験だな。生卵がこんなに脆いとは思わなかった」

 ざぶさぶっと手を洗ってもらって、再挑戦だ! 

「割らないように加減して持って、こんな感じで……真ん中にヒビを入れてください」

 フライパンの縁で叩いて、卵に割れ目を作ってからカパッと開いて別皿に中身を出して見せると、先輩はちょっと目を丸くした。おお、いつも冷静な先輩のビックリ顔! なんだか貴重だな! 

「凄いな。こんな繊細な作業だとは思わなかった」

「慣れですよ。ヒビ入れるときにやり過ぎると、砕けて殻のかけらが入っちゃったりするんで、そこも要注意です。かけらを取り忘れると当たりクジになっちゃいますし」

 あれだ、「ジャリ」っていうあの噛み応えが、嫌な方の当たりになっちゃうよ!

「ふふ、当たりクジか。それは当たりたくないな……。気を付けよう。ハス、ナイブレイド様は……どんな卵料理が好きなんだ?」

「なんでも喜んで食べてくれますけど、挽肉入りのキッシュとか、エッグタルトとかは特に喜んでくれますね」

「む、難しそうだな」

「いやー、分量と手順を間違えなければできますよ。先輩なら大丈夫そうです」

「そ、そうか」

 先輩は慎重な手つきで何度か軽くフライパンの縁に殻を打ち付けて、卵を割ることに成功。卵が火を入れたフライパンに落ちて、じゅわっと良い音を立てた。

「成功ですね! 薄っすら白く焼けるまで焼いてください。焼けてきたら水を少し入れて蓋をします」

「ああ、わかった」

「焦がさない程度に蒸します。目を離さない方がいいですよ」 

 うっかり焦がしちゃうのは、焼けるまでに何かしよう! なんて目を離すからなんで、タイマーをセットしておこう。ディザート社製の魔道具だぞ! しかもうちの旦那様の設計品! 

 3分とか5分とか10分とか時間を計れるから便利! 

 
 先輩が握り潰した卵に入り込んだかけらを取り出したりしているうちに、チリチリと小さな音がしてタイマーが終わった。

「よし、完璧です!」

 フライパンの蓋を開けると、ふわっと湯気が上がる。ツヤツヤでぷるっとした目玉焼きがフライパンの中からこっちを見てる! うん、美味そう!

 皿によそって塩コショウを振って……完成だ!



 ということで、試食タイムだぞ!



 先輩は目玉焼きをナイフとフォークで綺麗に切り分けて、優雅に口に運んだ。さすがお貴族様だ。上品にもぐもぐして、「焼いただけなのに、とても美味しい……。不思議だ」とか言って微笑んだ!

「自分で作ったからだろうか。なんというか、感慨深いな。……私にもできる気がしてきた」

 人に作ってもらうのとはまた違った美味しさがあるんだよな! 俺の場合は、料理は作って食べるまでがセットだ。作る楽しさと、食べる楽しさで二倍美味しい!

「手順を踏めば、割と失敗しないもんですよ」

「そうだな。何事も手順が大切だ」

「先輩は細かい所に目が行き届く人ですし、俺は先輩のそういうところ料理に向いてると思います。絶対に美味しい物、いっぱい作れるようになりますって」

「……なんだか照れるな。ありがとうハス。これからもよろしく頼むぞ」

「はい! 了解です。試食が終わったら、卵料理を色々作ってみましょう」

 先輩は、ちょっぴりだけど自信を持てたみたいだ。

 残りの目玉焼きを食べ始めた先輩の顔はすごく嬉しそうで、俺まで嬉しくなっちゃったぞ! 





 今日は卵料理デーだ! 色々レクチャーしちゃいますよ!  






※爆速で打った前話が、いつもにも増して酷い誤字脱字と違和感だらけで修正しました。展開に支障はありません。お目汚し失礼致しました。
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