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15 神様みたいな裸※
しおりを挟む領主は重さなどものともせずに、シタンを横抱きし軽々と階段を上って寝室へ入った。そうして、壊れ物でも扱うようにそっと寝台へと横たえたかと思うと、次々と靴や服を脱がせていく。
「うっ、ううっ……」
馬から引きずり降ろされた驚きからか、腹の淫らな熱のせいか……、ろくな抵抗もできないまま素っ裸にされて哀れな獲物と化したシタンの眼前で、領主も手早く服を脱いで肌を露わにする。
ためらいもなく晒された一物に、「うわぁ」と、小さく声を上げてしまった。
色は淡いが大きさも長さも男として申し分のない物が、すでにそそり勃っている。あんなものが尻の穴に突っ込まれていたのか。恐ろしいと縮み上がるどころか、腹が余計に熱く疼いた。
「なんで、勃ってるんだよぉ……おかしいだろ。俺のどこが良いんだよ。男なんてつまんないだろ……」
気まずさから詰るように言葉をぶつけるが、自分のそれもすでに兆している。きっと、さっき領主が腹に触れたせいだろう。そうでなければこんな、体が脱力するほど熱くなるなんておかしいのだから。
「答える義理などない」
「なんだよそれぇ……っ」
上等な服の下に隠れていた領主の肌は、顔や手と同じで白くきめ細やかだったが軟弱さはない。腕や脚はすらりと長くて腰は細く引き締まっているし、薄からず厚からずまんべんなく全身に筋肉が付いていて腹筋は見事に割れている。同じ男としてこうありたいと理想とするような、惚れ惚れとする姿だった。
――男の神様がいたなら、こんな姿かもしれない。
そう思えてしまうくらい歪みのない綺麗な体だ。そんな神様みたいな凛々しい裸をした若い男が、しがない狩人の男を真顔で見下ろしているなんて滑稽過ぎる。笑い話にもできないくらい滑稽だ。
「……あ、あんまり見るなよ……っ」
「恥じらう必要などない。貴様の体はもう、隅々まで見ている」
「関係あるかっ! 俺が恥ずかしいって思ったら恥ずかしいんだよ!」
顔を熱くしながら思わず叫んでしまう。
シタンの体は、獣を追って広い森を歩き弓矢を引く手前、足腰や腕の使う部分はしっかりと引き締まっている。それなのに腹筋は、残念なくらい割れていない。太ってはいないが、お情けくらいに筋があるだけだ。背丈は領主より少し低いにしても男としては高い方ではあっても、普段の粗食が祟って肉付きが悪くひょろっとして見える。
男らしく神々しい裸を前にして、シタンは心がぽきりと折れる音を聞いた気がした。
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