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26 お前が欲しい※
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与えられる口付けを無心に味わうシタンの背中を撫でていた手が、尻の方へと下りていく。
「ん……あっ……」
谷間に滑り込んだ指先が探り当てたのは孔の窄まりだ。布越しに指の腹が孔をさすり、尻も掴まれて緩く揉みしだかれる。
「ひいっ! んあっ!」
尻に力が入って、孔をさする指を挟み込んでしまう。恥ずかしさに身悶えしながら、逃れようと身を捻るがやっぱり逃げられない。腕の力がおかしい。シタンだって男だ。それなりに力があるはずだが、この男はどういう腕力をしているのか。
「ううっ……、や、やらしいっ、触り方、するなよぉ……」
「これ以上のことされているくせに、随分と初心なことだ」
「だっ、誰がっ、う、初心って、あうっ!」
忍び笑いを漏らしながら、領主はお構いなしに体を弄ってくる。なにも知らない童でもあるまいし、初心というには少し違う気がするが、受け身になったことのないシタンからすれば恥ずかしさを煽られるのに十分な行為だ。
「うっ、あぁっ……! 」
口付けだけでとっくに硬くなっていた一物に、同じように硬くなったそれが擦り付けられる。前も後ろも中途半端に刺激されて、もどかしい。こんなに焦れったい真似をされては、体が切ないばかりで拷問のようだ。
「んあ、も、やめろよぉ」と、シタンは涙目で訴えた。
「……私が欲しいか」
明らかに欲を含んだ眼差しをした領主が、低く甘い声で問いかけてくる。
「んっ、あ……っ、そ、そんな……っ」
元々、好きで抱かれている訳ではない。
わざわざ欲しいかと聞くなんてどういうつもりなのか。こちらが欲しいと望んだところで、飽きれば二度と抱かないだろう。
領主自らが迎えに来て、初めて乗った馬はなかなか楽しかった。好物だと察して振る舞ってくれたらしい上物の蜜酒だって美味かった。
横暴な態度をとる割に、端々で単なる慰みの相手に対するものとは思えない扱いをしてくるのはなぜなのか。
「欲しくはないか」
「はっ、あぁ……っ」
耳元で低く囁かれただけで、体が震える。男のシタンでさえ見惚れるほどの、凄まじい美丈夫だ。わざわざしがない狩人の男なんて抱かなくても、喜んで相手をする見目良く抱き心地の良い者は男女問わずいるはずだ。
どうしてか、ちくりと胸が痛んだ。
生じた痛みの意味がシタンには分からなかった。こんな痛みは、知らない。いや、ずっと昔に、たった一度だけ……これよりももっと、強い痛みを感じたことがある。
どうすることもできない悲しみ中で感じた、張り裂けそうな痛み。
「あ……」
それは、ラズに別れを告げられた日だ。どうして今、こんなときに思い出したのか。痛みに戸惑うシタンをよそに赤い唇が耳元に寄せられて、こう囁かれた。
「私は……、『お前』が欲しい」
横暴さが鳴りを潜めた、切なげな声。そして、唇ではなく頬に口付けをされる。
「ひ、うっ……!」
頬に押し付けられた柔らかい感触は、指先の淫らさとは対照的に親愛に近いものだった。その口付けを受けた瞬間に、どこからともなく喜びが湧き立って体の芯を突き抜けていく。今までにない感覚に驚き絶叫を上げそうになって、歯を食いしばった。
心臓が熱く脈打って、居ても立っても居られないほどに苦しい。こんな、苦しくて、嬉しいなんて。酔いが回り過ぎたのかもしれない。そうとしか思えない。
「う、あ……、お、俺……っ」
それでも、訳の分からないこの嬉しさを、ろくでもないが綺麗で甘い男に返したくてたまらなくなった。じっと紫紺の瞳に見詰められると、なんとも言えない感覚に胸を締め付けられる。
肩で大きく息をして、何とか声を絞り出す。
「俺も……」
欲しいと言い切る前に、骨が軋みそうなほど強く抱き締められた。
そこから先は、もう止まらなかった。
「ん……あっ……」
谷間に滑り込んだ指先が探り当てたのは孔の窄まりだ。布越しに指の腹が孔をさすり、尻も掴まれて緩く揉みしだかれる。
「ひいっ! んあっ!」
尻に力が入って、孔をさする指を挟み込んでしまう。恥ずかしさに身悶えしながら、逃れようと身を捻るがやっぱり逃げられない。腕の力がおかしい。シタンだって男だ。それなりに力があるはずだが、この男はどういう腕力をしているのか。
「ううっ……、や、やらしいっ、触り方、するなよぉ……」
「これ以上のことされているくせに、随分と初心なことだ」
「だっ、誰がっ、う、初心って、あうっ!」
忍び笑いを漏らしながら、領主はお構いなしに体を弄ってくる。なにも知らない童でもあるまいし、初心というには少し違う気がするが、受け身になったことのないシタンからすれば恥ずかしさを煽られるのに十分な行為だ。
「うっ、あぁっ……! 」
口付けだけでとっくに硬くなっていた一物に、同じように硬くなったそれが擦り付けられる。前も後ろも中途半端に刺激されて、もどかしい。こんなに焦れったい真似をされては、体が切ないばかりで拷問のようだ。
「んあ、も、やめろよぉ」と、シタンは涙目で訴えた。
「……私が欲しいか」
明らかに欲を含んだ眼差しをした領主が、低く甘い声で問いかけてくる。
「んっ、あ……っ、そ、そんな……っ」
元々、好きで抱かれている訳ではない。
わざわざ欲しいかと聞くなんてどういうつもりなのか。こちらが欲しいと望んだところで、飽きれば二度と抱かないだろう。
領主自らが迎えに来て、初めて乗った馬はなかなか楽しかった。好物だと察して振る舞ってくれたらしい上物の蜜酒だって美味かった。
横暴な態度をとる割に、端々で単なる慰みの相手に対するものとは思えない扱いをしてくるのはなぜなのか。
「欲しくはないか」
「はっ、あぁ……っ」
耳元で低く囁かれただけで、体が震える。男のシタンでさえ見惚れるほどの、凄まじい美丈夫だ。わざわざしがない狩人の男なんて抱かなくても、喜んで相手をする見目良く抱き心地の良い者は男女問わずいるはずだ。
どうしてか、ちくりと胸が痛んだ。
生じた痛みの意味がシタンには分からなかった。こんな痛みは、知らない。いや、ずっと昔に、たった一度だけ……これよりももっと、強い痛みを感じたことがある。
どうすることもできない悲しみ中で感じた、張り裂けそうな痛み。
「あ……」
それは、ラズに別れを告げられた日だ。どうして今、こんなときに思い出したのか。痛みに戸惑うシタンをよそに赤い唇が耳元に寄せられて、こう囁かれた。
「私は……、『お前』が欲しい」
横暴さが鳴りを潜めた、切なげな声。そして、唇ではなく頬に口付けをされる。
「ひ、うっ……!」
頬に押し付けられた柔らかい感触は、指先の淫らさとは対照的に親愛に近いものだった。その口付けを受けた瞬間に、どこからともなく喜びが湧き立って体の芯を突き抜けていく。今までにない感覚に驚き絶叫を上げそうになって、歯を食いしばった。
心臓が熱く脈打って、居ても立っても居られないほどに苦しい。こんな、苦しくて、嬉しいなんて。酔いが回り過ぎたのかもしれない。そうとしか思えない。
「う、あ……、お、俺……っ」
それでも、訳の分からないこの嬉しさを、ろくでもないが綺麗で甘い男に返したくてたまらなくなった。じっと紫紺の瞳に見詰められると、なんとも言えない感覚に胸を締め付けられる。
肩で大きく息をして、何とか声を絞り出す。
「俺も……」
欲しいと言い切る前に、骨が軋みそうなほど強く抱き締められた。
そこから先は、もう止まらなかった。
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