【完結】赤痣の闘士は、好きになった彼が王弟殿下だと知らなかった

ゆらり

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本編

49 あの綺麗な手が触れてくれたら ※

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「――シアも、俺のことが好き……、だったのか」

 静寂が戻った部屋で寝床の上に身を投げ出したまま、リィはぽつりと呟いた。

「嘘みてぇだ……」

 都合のいい夢でも見ているのだろうか。

 そうと決めつけるのには、あまりにも甘く生々しい感触が唇と舌に残っている。

 夢だなんて思いたくない。

 身体が熱くてたまらない。吐く息も熱い。口付けの熱は消えるどころか、もっと強く燃え上がりそうだ。下腹の圧迫感に気付いてそろりと手をやると、布越しに自身が硬さを持って勃ち上がりかけているのが分かった。

「あっ……」

 指先でなぞって確かめただけでも、じんとした深い痺れが襲ってきて腰が跳ねる。

 触れ合った唇の柔らかさや温かさ、口の中をゆったりと愛撫してくる舌によって引き出された快感を思い出すと、一段と高ぶって圧迫がきつくなってしまう。

 もう一度……いや、何度でもいい。口付けて欲しい。

 強く抱き締めて、優しく撫でて欲しい。

 与えられたことが呼び水となって湧き上がった欲望が、熱を高める燃料になってしまう。

「うっ……、くそっ……!」

 耐えられず身を勢い良く起こし、前をくつろげて自身を引き出す。肌の色と同じく色味が薄く淡い色をしたそれは、完全に勃ち上がり既に先走りが滲んでいた。

「んっ!」

 張り詰めた自身から精を出してしまいたくて乱雑に慰めてみたが、かさついた指で酷くしてしまったために擦れて痛みが走るばかりで、達するまでにはまるで足りない。

「ちくしょ……」

 こんな鍛錬で荒れて硬くなった手でなく、イグルシアスのように柔らかい肌をした手なら……と、考えた途端に滑りのある先走りが多くあふれて痛みが生じなくなっていく。

 ……あの綺麗な手が触れてくれたら、どんなに気持ちが良いか。

「んっ……!」

 爪先まで整っていて美しい褐色の長い指が、ぬれそぼる自身に這わされる。それを思い描くだけで、体がますます熱くなり欲が高ぶっていく。

 粘ついた水音が耳に響く。想像の中とはいえ彼を穢している気がして罪悪感に駆られたが、得られる快感の強さに手を止められなかった。

「はぁっ……。んっ、く……」

 甘く切なく、焼けるような熱に追い立てられて限界に近付いていく。

「はぁっ、あぁっ……」
 
 瞳を潤ませ低い天井を仰いで背中を反らし、小さく喘いで達した。
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