断罪上等!悪役令嬢代理人

蔵崎とら

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代理人、ボロを出す

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 城に連れてこられて王子殿下に会って挨拶をするだけで済むのかと思いきや、そうでもなかった。
 詳しい説明もしてくれない両親に連行されたもんだから、現状を大して理解出来ていないのだが「お嬢様はこちらへどうぞ」と執事風の男性に声をかけられたので、私は素直について行く。王子殿下も一緒に来るようだ。
 ちなみに父親は仕事へ、母親はお茶会へと行ってしまっていた。

「ここはね、僕たちの遊び部屋だよ」

 と、王子殿下が言う。
 私が連れてこられたのは王子殿下と同じくらいの年頃の子たちが遊ぶ部屋だという。
 ここに連れてこられたってことは私も王子殿下の遊び相手と認定されたのだろう。どこの誰から認定されたのかは知らないけれど。……ああ、あの両親がゴリ押ししてねじ込むように仕向けた可能性もあるな。
 王子殿下は部屋につくなり既に中で遊んでいた子どもたちに駆け寄っていく。どうしたもんかと考えていたせいで、私は見事に置き去りにされていた。
 帰りてえなという気持ちでここまで連れてきてくれた執事風の男性の顔を見上げると、彼はにこりと笑ってしゃがみ込み、私と視線を合わせてくれる。

「あちらがランス公爵家の三兄弟です」

 ここにいる子どもたちの詳細を教えてくれるらしい。ありがたい。
 彼の説明によるとあれが……なんとか公爵家……とりあえず公爵家1としよう。そこの三兄弟で、こっちがどこぞの公爵家2の兄弟、さらにあちらがどこぞの侯爵家の双子の兄弟、そしてあっちが騎士団長の息子……だそうだ。
 これだけの人数、一度には覚えられない。……いや、まぁ正直あんまり覚える気もないんだけど。関わり合いになりたくないし。なんせ面倒臭そう。

「教えてくださってありがとう」

「いえいえ。では私はこれで」

 素敵な執事風のおじさまだった。ずっと側にいてくれればいいのに。なんでこんなところで私を一人にするの。
 めちゃくちゃ男所帯な時点で居心地が悪いというのに、全員の視線がこっちを向いていて完全に「誰だあれ」みたいな顔をされているじゃないか。
 帰りてえな。

「失礼いたします。初めまして、トリーナ・キキョウ・ブラットフォーゲルと申します」

 ぺこりと頭を下げてそう言うと、全員の視線が散った。

「適当に座っていいよ」

 そんな王子殿下の声がする。
 適当に座っていいのなら、どこか隅っこのほうにでも座っておこう。そう思ったところで初めて部屋の中をぐるっと見渡した。
 子どもの遊び部屋とはいえ王族が使うものだからなのか、結構な広さがある。
 王子殿下がいるところにはボードゲームのようなものがあるようだ。彼らが今使っているのはガラスだかクリスタルだかで出来たチェスのようなゲーム。
 駒が勝手に動いてるみたいだし、クリスタルで出来た魔法のチェスなのかもしれない。きっと高価なんだろうなぁ。
 部屋の中央には大きなテーブルがあって、そこにはお茶やお菓子が置いてある。おそらく自由に食べていいのだろう。
 そして王子殿下たちがいる場所とは真逆の方向に目を向けると、そこには大きな本棚とおしゃれなアップライトピアノがあった。
 本棚もピアノも壁に沿って置いてあるので、私が目指す場所はあそこしかない。部屋の隅の隅だし。
 ということで、私は迷わず本棚に近付いた。ピアノは弾いてもいいのなら弾きたいけれど、他の人たちにうるさいと言われたら面倒なので現時点では諦めたほうがいいかもしれない。
 ここにいるのは王族だの公爵家の人間だの、身分の高い奴らばかりだと執事風のおじさまが教えてくれたことだし、問題は起こさないに越したことはない。
 最終的に断罪されるのは受け入れているけれど、今のこの段階で問題児になりたいわけではないのだ。
 いくつか本を手に取って、一度中央のテーブルをチラ見した後、私はアップライトピアノの椅子に座ることにした。
 よく考えたらテーブルは中央にあるので、あの場所にいれば視界に人が入る。アップライトピアノは壁に沿って置いてあるのでそこに座れば全てに背を向けることが出来るのだ。
 この状態で背中から近付くなオーラでも出しておけば平和に過ごせる。

「ねえ」

 ……はずだった。
 私の近付くなオーラを物ともせずに近付いてきたのは、ふわふわ金髪にきらきら碧眼の男の子だった。身長は私よりも少し低いくらいだろうか。この子は確か……騎士団長の息子だったかな?
 しかし綺麗で可愛い顔立ちをしている。金髪碧眼っていうカラーリングも綺麗だし。私もパステルカラーの髪の毛とかが良かったな。私の髪、アッシュグリーンなんだよな。瞳は紫で気に入ってるけど。

「ねえ」

「あ、はい。なんでしょう?」

「弾くの?」

 ああ、私がピアノの前に座ったから弾くと思われたのか。

「いえ。ご迷惑かもしれませんし弾きません」

「……そう」

 ちょっと残念そうにされてしまった。好きなのかな、ピアノ。

「あ、申し遅れました、俺はノアベルト・ティールです」

「私はトリーナ・キキョウ・ブラットフォーゲルです」

 彼は私の名を聞いた後、いそいそとテーブルの側から椅子を持ってきて、そのまま私の隣に座ってしまった。
 私の近付くなオーラが一瞬で台無し。

「実はここ、高位貴族の人たちばっかりで居心地が悪かったんだ」

 声を潜めながらそう言う彼が気付いているのかいないのかは分からないけれど、私も一応高位貴族です。侯爵家の娘なんで。
 まぁ評判の悪い侯爵家(推定)だし、高位貴族扱いされても困るからいいけれども。

「……まぁ、確かに、言いたいことはよく分かります」

 気高い人間が集まると面倒だよね。という意味で。
 王子殿下はこちらを完全スルーするつもりらしいのでまぁいいとして、他の奴らの歓迎してませんオーラが激しい。この部屋に足を踏み入れた瞬間、話しかけようものなら噛みついてくるんじゃないかってくらい嫌そうな顔をしていた気がするし。

「本、読むの?」

「そのつもりですけど」

 私が短く答えると、彼は私の手元の本を覗き込んでくる。

「魔法!」

 彼は魔法の文字に目を輝かせた。好きなのだろうか、魔法。

「母に勉強しなさいね、と言われたもので」

「勉強かぁ。じゃあ家庭教師が付いているの?」

「いえ。付けてくれませんでしたね。唯一付けてくれたのはよく怒鳴る変なマナー指導みたいな人だけ」

「よく怒鳴る?」

「そう。クルナ……? クンナ? エウレなんとかみたいな名前の」

「……ヨンナ・エウレニウス」

「あぁ、そうそう。そんな名前でした」

「エウレニウス家の人たちは皆ほぼ詐欺師だよ」

 急に声を潜めたと思えばまさかの事実を教えてくれた。
 アイツ詐欺師だったのかよ。追い出しておいて良かった。
 まともなこと教えてくれないから変だなとは思っていたんだけど。

「じゃあ魔法は独学で?」

「一応。まだ本を読む程度ですけど」

「そっかぁ。俺も魔法の家庭教師は付けてもらえてなくて」

 魔法の家庭教師って付けてもらいにくいのかな。
 数が少ないとか金がかかるとか?

「ご両親に相談はしたのですか?」

「一応ね。でも騎士に魔法は必要ないって言われて」

 普通に家庭事情的な話だった。

「騎士様だって魔法は使えたほうが便利では?」

「……いや、まあ、そうなんだけど」

 私の質問に、彼は言葉を詰まらせる。
 そんな時だった。私と彼の背後に誰かがやってきた。

「おお? やっぱりお前たちは話が合うんだな?」

「合うんだな?」

 どこぞの侯爵家の双子とやらだ。一卵性の双子らしく同じ顔をしている。ピンクの髪に緑の瞳も全く同じ。そんなコピペのような二人は、同じようなにたにたした笑顔を二つ並べてあからさまに性格が悪そうな絡み方をしてきやがった。

「いやぁ、だってお前たちは元を辿れば平民だもんなぁ!」

「平民だもんなぁ!」

 何が楽しいのかは分からないが、双子は揃ってげらげらと笑っている。同じような顔で。
 元を辿れば平民、というのは、ブラットフォーゲル家は確か先祖が武功を立てて賜った爵位だって話だったからその前は平民だったんだろう。
 騎士団長さんのとこもそうだったのだろうか、と思いちらりと視線を送ると、彼はとんでもなく悲しそうな顔をしていた。
 これはいけない。さっさと話を終わらせなければ。
 そんなわけで私はにっこりと笑顔を作る。鏡がないので確認は出来ないけれどそれはそれは見事な作り笑顔だったに違いない。

「な、なんだよ」

「なんだよ」

 私の貼り付けたような不気味な作り笑顔に怯んだ双子はほんの少しだけ後ずさりする。

「お話は、それだけでしょうか?」

 にっっっこりと作った笑顔は絶対に崩さない。
 すると双子は後ずさりしたままの位置で、むすっと唇を尖らせる。

「なんだよ! わざわざ俺たちが話しかけてやったっていうのに!」

「なんだよ!」

 話しかけてくれなんて頼んでないし頼めるもんなら関わり合いにならないでくださいって頼みたいくらいだけどな!

「あら、私なんかにわざわざ話しかけてくださってありがとうございます」
 
 うふふ、と笑って見せれば、怒りで顔面を真っ赤にしながら王子殿下たちがいるところへと退散していった。

「よし。で、お話の途中でしたね」

 双子から視線を外し、にっっっっっこりとした作り笑顔を消してから隣の彼に視線を戻す。
 彼はあからさまにドン引きしていた。

「いいの? あんなことして……」

「知らない。……あ、いや、まぁ、大丈夫なんじゃないでしょうか」

 売られた喧嘩を普通に買ってしまおうとしたわけだからな。大丈夫か大丈夫じゃないかで言えばギリ大丈夫じゃない可能性もあるけれど。

「も、もし大丈夫じゃなかったら俺も」

「いやでも私はただ笑顔でありがとうございますって言っただけだし大丈夫じゃないですかね?」

「……確かに。笑顔の圧が強かっただけだもんな……」

 簡単に丸め込めたけど君こそ大丈夫なのか。ギリ大丈夫じゃない可能性もあるぞ。

「そんなことより。なぜ魔法は必要ないと言われてしまったのですか? 使えないより使えたほうが便利なのでは?」

 笑顔の圧に関してはスルーさせてもらって、双子に邪魔される前の話題に戻す。
 すると彼の表情が少しだけ曇る。

「それは……その、俺が剣術の稽古を怠ったからなんだ」

「じゃあ真面目にお稽古をすれば魔法も教えてもらえるってことなのでは?」

「まあ……そういうことになるんじゃないかな。でも俺、剣術の稽古が嫌で」

「嫌?」

 騎士団長の息子なのに?

「馬鹿にされるかもしれないけれど、嫌なんだ。その、痛いから」

 彼はそう零し、俯いてしまった。
 なるほどねぇ、痛いからやりたくないのかぁ。そりゃ誰しも痛いのは嫌だよなぁ。

「痛みなんてのは慣れですからねぇ」

 そんな私の呟きに、彼ははじかれたように顔を上げた。

「慣れ……?」

「慣れ。怪我の痛みは別として、お稽古だとかそういうのの痛みは場数を踏んで慣れていくしかないかと」

「……慣れ」

「そもそもお稽古ですし、殺してこようとする奴はいないだろうし、よほど力加減が分からない奴が相手じゃない限り受ける痛みには限度があると思うんですよ。だからその痛みの最大値に慣れればやり過ごすことは可能と言えば可能だと思います」

「……はい」

「痛みに慣れてくれば受け流せるようにもなります。あとは痛い思いをする前に相手を倒せばいいだけのことですが、ただそうなるまでにはやっぱり場数を踏まないと」

 そう簡単に喧嘩には勝てない。
 ……と、言おうとしてしまいましたが、今私は侯爵令嬢でした。

「……君、侯爵令嬢だよね?」

「はい」

 彼からも確認が入りましたが、私は侯爵令嬢でした。忘れないように二度言いますけれども。

「やけに詳しいみたいだけど」

「ちょっと何言ってるか分かりませんわね」

 うふふ、と笑って誤魔化してみたけれど、彼は完全にドン引きしたままだった。

「でも、今の話を聞いて少し頑張ってみようかなって思えたよ。慣れてしまえばいいんだね」

「はい。慣れてしまえばこっちのもんです」

 おっといけね、断言してしまった。
 もう喋るまいとそっと口元に手を添えたところ、それを見た彼がくすりと笑う。

「もしも俺が稽古を頑張って強くなって、魔法を習えることになったら一緒に勉強しない?」

「いいんですか? あなたさえいいのなら、ぜひ」

「もちろん。あ、俺のことはノアって呼んでよ。あとそんなに畏まらなくていいよ。そもそもうちは騎士団長とはいえ爵位で言えば伯爵家で君の家は侯爵家なわけだし」

 じゃあお前こそ畏まりたまえよ。お前、初手タメ口じゃなかったか?

「……いや、でも畏まっていないとボロが出そうですし」

「……ボロならさっきから出っ放しだよ? 痛みに慣れるとか、慣れてしまえばこっちのもんとか」

 まさかの出っ放し。

「それでは私のことはトリーナと」

「よろしくね、トリーナ」

「こちらこそよろしく、ノア」

 友人を作る気なんてさらさらなかったけれど、そのうち魔法の勉強が出来るのであれば問題ないだろう。
 簡単な魔法なら今後入学するであろう学園で習うけど、特殊魔法となると学園では習えないみたいだもの。

「ところでノア。剣って重いの?」

「まぁまぁ重いけど。もしかして剣術の稽古に興味があったり……?」

「ちょっとだけ」

「……君、侯爵令嬢だよね?」

「はい」

「普通令嬢は剣術の稽古になんか興味持たないと思うよ」

 ……そっか。そういうもんか。




 
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