Seed of truth《真実の種》

赤井ちひろ

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4 レイとヨハス

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「お前は勝ったら何を叶えたい?」
 ヨハスがレイに声をかけると相変わらず欲のない返事が帰ってきた。
「俺は皆が普通に食えればいいよ」
「欲がねーなー。俺はカジノで遊びまくれる金が欲しいなぁ」
「うわっ欲張りだね」

 物色した30個のオレンジを紙袋に沢山詰め、レンガの小道を歩きだした。パタパタと追いかけてくるヨハスに紙袋を押し付けると、レイはパン屋に入りバケットとブリオッシュ、クルミパンをゲットした。パン屋にあるサービスコーヒーを2杯受けとると、表で待ってるヨハスにティーブレイクを誘った。
「休憩するぞ」
「ラッキィ」
「パン食うか?」
「うん、クルミパン半分コしねぇ?」
「なぁヨハスこのクルミパン赤ワインで作るって知ってたか?だから仄かにピンクなんだってさ」
「マジぃ、すげーうめーよぉ」
 レイもすかさず口に入れ「ほんとだ」と言った。
「なあレイ、あの種どういう判断基準で配られるんだろう」
「さあな。てきとうなんじゃねーの?」
「クリスマスに撒かれる種なんだぜ!神秘的だと思わねー?」 
 レイはヨハスがあまりにも嬉しそうニコニコするもんだから、つい口元が緩むのを感じた。
「レイ――嬉しそう」
「うるせー」
「あの種が手に入ったら何を作りたい?そいつの1番願ってる事が叶う実なんだよね」
「例えばお前なら?」
 レイはヨハスに聞いた。さしずめこいつなら何を願うのか……。
「うーん、最高の塩の実かな」レイは?
「この実ってそもそも食いもんだけなのかな」 
「どうゆうこと?」
「国営放送では養分は心っていってなかったか?」
 2人は昨夜の事を思い出していたが、レイの一言で考えるのをやめた。
「やめたやめた!俺はリアリストだ。出来てもない種が何かを推測するのは時間の無駄だ」
「そうだね、まずはマリアさまにお告げが来たみたいに僕にも種のお告げを待つよ」
「相変わらずロマンチストだな。ヨハス」
 ヨハスの頬は薄紅色のコスモスの様で、今日のヨハスは一段と綺麗だった。
 アイツの薄茶の髪の毛は肩まであってサラサラだった。いつもはアップにしてる髪の毛も今日はオフモードなのかさらりと流していた。
 俺より4つ年上のヨハスは甘えん坊でとてもアラサーにも年上にも見えないが、元来素直で感情的なその性格が可愛くてしょうがない。
「クッション」
 ヨハスが鼻水を啜り、両方の袖を引っ張り、女子のように手を袖の中に入れている。
「寒いのか?」
「んちょっと……」
 俺は自分の真っ白いマフラーをヨハスに巻き付けた。
 ――
 
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