鬼に連れられ異世界へ〜基本俺はついでです〜

流れ華

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プロローグ

整理

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 昨日は何とか、バレずに部屋に戻ることが出来た。

 朝、ご機嫌で家を出る両親を見送り、早速部屋の片付けに取り掛かる。
幸いにも、両親の結婚記念日は祝日と重なっているため、学校は休みだ。

「まずは、勉強机の周りから・・・」


・あまり良くなかった数学のテスト(九十二点)
・あまり良くなかった理科のテスト(九十点)
・あまり良くなかった歴史のテスト(九十四点)
・あまり良くなかった外国語のテスト(九十点)
・あまり良くなかったその他の副科目のテスト(八十点代)


「・・・七実は常に満点だから、恥ずかしくて出せたもんじゃなかったんだよな。
父さんも母さんも、《蓮也は頭いいよ、大丈夫!》って言うけど、絶対お世辞だよな。」

親に常に見せれたのは、国語のテストくらいである。
 蓮也の中学校は私立の進学校で、平均点が三十点以下になることもあるほどテストが難しい。
だが、蓮也の周りには百点ばかりとる連中しかいなかったために、自分の点数を良いと思わなかった。
蓮也は自分を過小評価しすぎなのだが、蓮也は全く気づいていない。

「勉強はちゃんとしてるのにな・・・」

宿題は勉強とは言わない。
それも答えをみていた。
ちゃんと勉強してる人に一回怒られた方がいい。
やりたいことはちゃんとやり続けるが、それ以外は面倒くさがる。


「本棚も片付けるか。」


・異世界転生モノの小説×20
・異世界転移モノの小説×13
・その他ファンタジーの小説×20
・無人島で生きていくためのサバイバル術
・食べられる植物の見分け方
・田舎での素晴らしきスローライフ


「・・・趣味がバレるな。」

異世界でスローライフをおくるのに、ちょっとした憧れがある。
が、それも決して叶うことは無いだろう。

「田舎の山奥で、スローライフおくってみたかったな。」

ボヤきながら手早くまとめる。
捨てるのはもったいないから、○ックオフに持っていこう。

本棚に残ったのは、少年漫画。ワン○ースとか、○リーチとか。

「後はオンラインゲームのデータか。」

剣と魔法の世界を舞台とした、アクションゲーム。ソロプレイも、チームプレイもでき、主にモンスター討伐がメインだが、他のプレイヤーと競技場で闘えたり、課金すれば賭けもできたりする自由度の高さが売りのゲームで、蓮也もハマっていた。

「俺は人里から離れた場所で畑をずっと耕してたけどね。高レベルモンスターがいっぱい居たからレベルは結構高いけど。」

アカウントにロックを掛け、パスワードも複雑化する。
データを消して、複数のバックアップも消す。パソコン自体にも(自作の)ウィルスを感染させて、立ち上げることも出来なくする。

「これでよっぽど、アカウントの乗っ取りとかは出来ないよな。」


他にも、周りにいる友達にもらったものの、開いてすらいないピンクの表紙の薄い本などを捨てる。
ゴミ袋にまとめ、本はビニールの紐で結び、自転車の荷台に括り付ける。

「明日はゴミの日じゃないし、隣町の処分場に行くか。」

ブッ○オフも隣町だし、と自転車を走らせる。



帰ってきたのは、丁度昼だった。

「後は、用意するだけだな。」

テキパキと支度を進める。
リビングのテーブルにテーブルクロスをひいて、真ん中に紫のヒヤシンスとキンセンカを生けた花瓶を置く。他にも可愛らしい花はいくつか入れたが、意味を持たせたのはこの二つだ。

「花言葉なんて、気づくほどロマンチックな家族でもないしな。」

ほんの少しの遊び心と意思表示だ。
調べたらすぐに出てくるはず。

「・・・ちょっとカッコつけかも・・・。
まぁ、気づかなければ綺麗なだけだし。」

料理を始める。
没頭していると、両親が帰ってきた。

「「ただいま」」
「おかえりなさい。あとは仕上げだけだから、待っててよ。」


「蓮也、ただいま。」

その声に手を止める。

「おかえり、七実。七実の好きなジュースも買ってあるよ。」

七実が喜んでいるのを見て、蓮也も嬉しくなった。

ケーキのトッピングをあらかた完成させ、七実を呼ぶ。

「七実、手を洗ってこっち来て。」

手招きをすれば素直に寄ってくる。

「これ、仕上げだから七実がやって?」

板チョコにチョコペンで文字を書いたものを指さす。

「えっ、いいの?」
「これで、七実も一緒に作ったってことになるからね。」

そーっと、ケーキのの真ん中にチョコレートをのせると、全ての料理が完成した。

「父さん、母さん、お待たせ。さ、パーティーを始めようか。」


思い切り楽しんだ。
これ以上ないほど笑って、
これ以上ないほど楽しんだ。

これが最後だということを忘れないようにして。


強くもないのにお酒を飲んで、案の定潰れた両親に毛布を掛け、七実にも無理せず部屋で休むように言う。

「・・・蓮也、何隠してるの?」

突然問い詰められ、戸惑う。

「隠すって、何を?俺は何も嘘はついてない。」
「とぼけたって無駄だから。父さんとか母さんを誤魔化せても、私は誤魔化されないよ。」

じりじりと詰め寄られる。

「嘘はついてなくても、隠してることがあるでしょ?」

グッ、と言葉につまる。

「・・・やっぱりね。蓮也は昔から嘘がつけないから、図星の時は黙っちゃうのよ。」
「いつ気づいた?」
「病院で精密検査したあと。確信したのはついさっき。・・・花言葉くらい分かるわよ。

紫のヒヤシンスは、西洋だと“ごめんなさい”とか、“許してください”
キンセンカは“別れの悲しみ”

蓮也は国語得意だから、意味がないわけないと思ったの。」

蓮也はそっと、時計を見る。
約束の、十五分前だ。

「・・・ごめん、行かなきゃ。」

部屋に向かう蓮也を七実は黙って見つめ、自分自身の部屋に行く。


(俺の扱いって、行方不明になるんだろうな。なら、少しでも家出に見えた方がいいか。)

大きめのリュックサックに貯金箱と財布を放り込み、下着も入れる。

ふと視界の端に、通学カバンがうつる。
少しくたびれた小さめのお守りが揺れている。

「あ、母さんがくれたお守り・・・。」

幼い頃から、大切にしてきた。

「持っていったら、紅月さんの迷惑になるかな・・・」

厄除けだと言っていたから、鬼である紅月は嫌がるかもしれない。
(邪魔だって言われたら、近くに置いておけばいいか。)
それでも置いていきたくなくて、ポケットに入れる。

支度をすると、あと十分になってしまった。

「五分で行けるからいいか。」
「蓮也、私もついて行く。」

振り返ると、七実が立っている。
ショルダーバッグを掛けていて、ついてくる気満々だ。

「ダメだ。」
「邪魔はしない。」
「危ないかもしれないから。」
「なら、尚更一人では行かせられない。」
「病み上がりでしょ?」
「これくらい、大したことない。」

引こうとしない七実にため息をつく。
こうなったらテコでも動かないことは、昔から変わらない。。

「分かった。病み上がりなんだから、無理するなよ。」
「分かってる。」




To Be Continued・・・・・・
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