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#17 邂逅
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穏やかな時間が流れている。
お酒を飲んで、身分関係なく笑い合い料理を楽しむ。
クロードさんは意外とお酒に弱いみたいで一杯飲んだら真っ赤になってテーブルに突っ伏してる。
レイト様とレヴィンさんとジェイクさんの三人は私が特注したコンロを前にあれこれ話している。
どうやら軍の遠征の時に使う事が決まったらしい。
今は仕様やら商談やらと話をまとめている。
リリーさんはお疲れとの事で早めに就寝した。広場横の家の一階に泊まってもらっている。
ルナはグラスに注いだお酒を持って、コッソリとその場を抜け出した。
第六感というのだろうか?彼が居ると思ったから。
初めて遭遇した木の下に魔王は座っていた。相変わらず空を見上げている。
ルナはそっと隣に座ると、お酒の入ったグラスを差し出した。
「いつももらってばかりですから。よかったらどうぞ」
「ありがとう」
魔王はグラスを口につけると、ほんの少しお酒を喉に流し込む。お酒で濡れた唇がやけに艶かしくて、ルナはそっと視線を外した。
「私は…何処かで貴方と逢った事がありますか?」
それ何てナンパ?と一瞬思ったが、言った手前発言を取り消すのもなんだと思い答えを待つ。
「遠い…遠い昔に」
「そうなんですか…」
分からない。あっちの世界に居た時でも無さそうだ。詳しく聞いたら…答えてくれるのだろうか?
「古よりずっと待っていた。勇者も私も…そなたの魂がこちらに戻ってくるのを」
艶かしい唇から紡がれる魔王の言葉にルナは耳を傾ける。まるで旋律のように囁かれる言葉はルナの中へ溶け込んでいくようだ。
「…勇者から何も聞いていないのか?」
あれって多分レイト様の事だよね。
「はい。何も聞いていないです」
「そうか…そなたが大事だから話さないのだな…」
「あの、色々聞いてばかりで申し訳ないんですが、もう1つだけ。貴方は魔王だと聞いたのですが、世界征服とか企んだりしないんですか?」
ルナの言葉に魔王は驚いたように目を見開き、そして笑う。
「く…くくっ。そなたは生まれ変わっても…あの時のままだな。」
初めて見せる笑顔にルナの心臓がドキリと跳ねる。
何処かで見た事があるような、そんな気がした。
「や、世界征服されても困るので、のんびりとお過ごし下さい。」
ブンブンと手を振り誤魔化すルナ。
「そろそろ戻らないと勇者が心配する。相変わらずの執着心だ…殺気がここまで届いている。ルナ、もう戻れ…」
魔王は優しくルナの頭を撫でると立ち上がる。
「あっ!待って…名前を…」
「それはそなたが思い出してくれ」
ザアッと風が吹き魔王は消える。取り残されたルナは皆の元へと戻るのだった。
広場へ戻ると死屍累々とした光景が広がっていた。ジェイクとレヴィンは折り重なるようにして地面で眠りこけ、クロードはテーブルに突っ伏したままピクリとも動かない。
そんな中レイトだけはグラスをクルクルと回し、不規則にグラスの中で動くワインを見つめている。
…こうして見ると超絶イケメンなんだよなぁ
そんな事を考えながらレイトを見ていると、不意に視線がぶつかった。
「ルナ…こっちへ」
切な気に呼ばれルナの心臓が跳ね上がる。絡み合う視線。逸らそうとしても何故か顔が動かない。
「ルナ…」
再び呼ばれてフラフラとした足取りでレイトに近寄る。何故だかレイトを拒めない。ルナがレイトの元へと辿り着くと両腕の中へと閉じ込められた。
「ダメじゃないかルナ。一人で出歩いたら危険だ」
「…ごめんなさい」
レイトは優しくルナの頬に手を添え、ルナの大きな瞳を至近距離で見つめる。
「そう言えばいつまで髪の毛の色と瞳の色を変えているんだ?俺はルナの黒髪が好きだ」
レイトがそう言った瞬間、ルナの容姿はこちらに来た時と同じ、黒髪に黒曜石の色をした瞳に戻る。
「やっぱりこっちの方が断然いいな」
レイトはふんわりと笑うとルナの髪の毛に口付けた。
闇魔法を無効化され姿を元に戻されたのに、ルナの思考回路はそれを認識していない。ぼんやりとした意識の中、レイトの存在だけを認識していた。
「愛しいルナ…もう離さない」
レイトはルナを優しく抱き上げて家へと向かう。2階に上がり一番奥、レイト専用の部屋へと入る。先程レヴィンから案内された部屋だ。
他の部屋より広く、ベッドも特別仕様になっているらしい。
このベッドはルナの発案で、それをレヴィンが何とか形にしたそうだ。ベッドと同じサイズの袋がおいてある。特殊な加工を施した魔物の皮で作られているそうだ。
袋より一回り大きい専用のシーツで覆われていて手触りも良い。寝る前に水魔法でその袋に水を入れる。水の量で固さを調整出来る。
ウォーターベッドと言うらしい。夏は冷たい水を、冬は少し暖かい水を入れれば快適に寝れる。
レイトはほんの少しだけ温かくした水を魔法で入れていく。時折固さを確認して、丁度良い固さになった時にルナをそっとベッドへと下ろした。
「ルナ、一緒に寝よう」
レイトに手を差し出され、ルナは自らの手をレイトの手へと重ねる。グイっと力強く引き込まれ、あっという間に胸の中へと囲われた。
まるで水の中を漂っているような寝心地にルナの意識は少しずつ夢の中へと落ちていく。
レイトに抱き締められながらルナは深い眠りへと落ちていくのだった。
どうしてこうなった!?
こっちの世界に来て何度目かのセリフを心の中で叫ぶ。息苦しくて目を醒ますと何故かレイト様に抱き締められながら寝ていた。
昨日の事を思い出せない。魔王と話した所までは記憶がちゃんとある。問題はその後だ。スッパリと記憶が抜け落ちている。
いやいやいや、記憶が無くて朝チュンとか…漫画の世界じゃあるまいし…って朝チュン!?
ルナはハッとして身体を確認する。服はちゃんと着ている。下半身に違和感は…
「ない!!!」
嬉しさのあまり口に出すルナ。
「何か探し物?」
レイトに抱き締められているのをすっかり失念していた。
「な…ななな…」
「ん?」
「何でこういう状況になっているんでしょうか?」
「昨日の事を覚えていないのか?ルナからベッドに入って来たんだが」
「ひぁっ!?」
耳朶を軽く甘咬みされルナは驚き身を捩る。レイトはグッと抱き締めたままルナの耳朶を唇で攻め続ける。
「ちょ…レイトさ…ま…やだっ…」
「可愛いルナ。残念だけどここまでだ。そろそろ誰か来る」
レイトはそう言うとルナを解放してベッドから起き上がる。するとタイミングを見計らったかのようにドアがノックされた。
「レイト様、そろそろ起きて下さい。城に戻るお支度をさせて頂きます」
どうやらノックの相手はクロードだ。
「分かった。今行くから下がれ」
「分かりました」
レイトはルナの唇にキスを落とすと、先に行くと言い頭を撫でて部屋を出ていった。
残されたルナは顔を真っ赤にしながらベッドの中でのた打ち回って身悶えしていたのだった。
広場は綺麗に片付けられている。どうやらクロードが朝早く起きて片付けたらしい。ご丁寧に全員分の食事まで用意されていた。
おかんか!?おかん属性なのか!?クロードさんは。
思わず心の中で呟くルナ。
何だかんだ面倒見いいんだよねぇ。クロードさんは。ツンデレ?ツンデレなのか?いやでもどちらかというと、おかん属性だよね。
ツンデレはジェイクさんだな。
あれ?でもジェイクさんとはサース火山以来結構気さくに話せてるからツンデレとは違うな。
あ、猫か!猫なのか!最初は威嚇して慣れたらゴロニャーンってなついてくれる…
ジェイクが猫になった所を想像して思わず笑うルナ。
「おい、何か今俺の事バカにしなかったか?」
「あ、ジェイクさんおはようございます!中々鋭いですね…あいたっ!!」
ルナがそう言った瞬間、ジェイクの拳骨がルナの頭に落ちた。
こうしてみるとお兄ちゃんみたいだな、そう思ってこっそり笑うルナだった。
皆で朝食を食べて、食後のお茶をしてから帰路へ。
リリーさんはクロードさんが送る。
レヴィンさんは後程国王騎士団のお偉いさんと話し合いの場が設けられたらしく、急いで店へと戻って行った。
私はレイト様と、ジェイクさんと町までご一緒している。レイト様の馬に乗せてもらい…また後ろから抱き締められる格好で物凄く恥ずかしい。
「ルナ、明日時間があるならリリーを連れて城へ来てくれないか?大事な話がある」
「構いませんが…何時頃伺えば?」
「そうだな…昼過ぎに頼む」
「分かりました」
レイトにギルド前まで送ってもらい馬から降りる。
「ルナ、昨日は楽しかった。ありがとう」
「いえ、こちらこそ。また良ければ来て下さいね」
「ああ、必ず」
そう言うとレイトは城へ、ルナはギルドへと向かうのだった。
お酒を飲んで、身分関係なく笑い合い料理を楽しむ。
クロードさんは意外とお酒に弱いみたいで一杯飲んだら真っ赤になってテーブルに突っ伏してる。
レイト様とレヴィンさんとジェイクさんの三人は私が特注したコンロを前にあれこれ話している。
どうやら軍の遠征の時に使う事が決まったらしい。
今は仕様やら商談やらと話をまとめている。
リリーさんはお疲れとの事で早めに就寝した。広場横の家の一階に泊まってもらっている。
ルナはグラスに注いだお酒を持って、コッソリとその場を抜け出した。
第六感というのだろうか?彼が居ると思ったから。
初めて遭遇した木の下に魔王は座っていた。相変わらず空を見上げている。
ルナはそっと隣に座ると、お酒の入ったグラスを差し出した。
「いつももらってばかりですから。よかったらどうぞ」
「ありがとう」
魔王はグラスを口につけると、ほんの少しお酒を喉に流し込む。お酒で濡れた唇がやけに艶かしくて、ルナはそっと視線を外した。
「私は…何処かで貴方と逢った事がありますか?」
それ何てナンパ?と一瞬思ったが、言った手前発言を取り消すのもなんだと思い答えを待つ。
「遠い…遠い昔に」
「そうなんですか…」
分からない。あっちの世界に居た時でも無さそうだ。詳しく聞いたら…答えてくれるのだろうか?
「古よりずっと待っていた。勇者も私も…そなたの魂がこちらに戻ってくるのを」
艶かしい唇から紡がれる魔王の言葉にルナは耳を傾ける。まるで旋律のように囁かれる言葉はルナの中へ溶け込んでいくようだ。
「…勇者から何も聞いていないのか?」
あれって多分レイト様の事だよね。
「はい。何も聞いていないです」
「そうか…そなたが大事だから話さないのだな…」
「あの、色々聞いてばかりで申し訳ないんですが、もう1つだけ。貴方は魔王だと聞いたのですが、世界征服とか企んだりしないんですか?」
ルナの言葉に魔王は驚いたように目を見開き、そして笑う。
「く…くくっ。そなたは生まれ変わっても…あの時のままだな。」
初めて見せる笑顔にルナの心臓がドキリと跳ねる。
何処かで見た事があるような、そんな気がした。
「や、世界征服されても困るので、のんびりとお過ごし下さい。」
ブンブンと手を振り誤魔化すルナ。
「そろそろ戻らないと勇者が心配する。相変わらずの執着心だ…殺気がここまで届いている。ルナ、もう戻れ…」
魔王は優しくルナの頭を撫でると立ち上がる。
「あっ!待って…名前を…」
「それはそなたが思い出してくれ」
ザアッと風が吹き魔王は消える。取り残されたルナは皆の元へと戻るのだった。
広場へ戻ると死屍累々とした光景が広がっていた。ジェイクとレヴィンは折り重なるようにして地面で眠りこけ、クロードはテーブルに突っ伏したままピクリとも動かない。
そんな中レイトだけはグラスをクルクルと回し、不規則にグラスの中で動くワインを見つめている。
…こうして見ると超絶イケメンなんだよなぁ
そんな事を考えながらレイトを見ていると、不意に視線がぶつかった。
「ルナ…こっちへ」
切な気に呼ばれルナの心臓が跳ね上がる。絡み合う視線。逸らそうとしても何故か顔が動かない。
「ルナ…」
再び呼ばれてフラフラとした足取りでレイトに近寄る。何故だかレイトを拒めない。ルナがレイトの元へと辿り着くと両腕の中へと閉じ込められた。
「ダメじゃないかルナ。一人で出歩いたら危険だ」
「…ごめんなさい」
レイトは優しくルナの頬に手を添え、ルナの大きな瞳を至近距離で見つめる。
「そう言えばいつまで髪の毛の色と瞳の色を変えているんだ?俺はルナの黒髪が好きだ」
レイトがそう言った瞬間、ルナの容姿はこちらに来た時と同じ、黒髪に黒曜石の色をした瞳に戻る。
「やっぱりこっちの方が断然いいな」
レイトはふんわりと笑うとルナの髪の毛に口付けた。
闇魔法を無効化され姿を元に戻されたのに、ルナの思考回路はそれを認識していない。ぼんやりとした意識の中、レイトの存在だけを認識していた。
「愛しいルナ…もう離さない」
レイトはルナを優しく抱き上げて家へと向かう。2階に上がり一番奥、レイト専用の部屋へと入る。先程レヴィンから案内された部屋だ。
他の部屋より広く、ベッドも特別仕様になっているらしい。
このベッドはルナの発案で、それをレヴィンが何とか形にしたそうだ。ベッドと同じサイズの袋がおいてある。特殊な加工を施した魔物の皮で作られているそうだ。
袋より一回り大きい専用のシーツで覆われていて手触りも良い。寝る前に水魔法でその袋に水を入れる。水の量で固さを調整出来る。
ウォーターベッドと言うらしい。夏は冷たい水を、冬は少し暖かい水を入れれば快適に寝れる。
レイトはほんの少しだけ温かくした水を魔法で入れていく。時折固さを確認して、丁度良い固さになった時にルナをそっとベッドへと下ろした。
「ルナ、一緒に寝よう」
レイトに手を差し出され、ルナは自らの手をレイトの手へと重ねる。グイっと力強く引き込まれ、あっという間に胸の中へと囲われた。
まるで水の中を漂っているような寝心地にルナの意識は少しずつ夢の中へと落ちていく。
レイトに抱き締められながらルナは深い眠りへと落ちていくのだった。
どうしてこうなった!?
こっちの世界に来て何度目かのセリフを心の中で叫ぶ。息苦しくて目を醒ますと何故かレイト様に抱き締められながら寝ていた。
昨日の事を思い出せない。魔王と話した所までは記憶がちゃんとある。問題はその後だ。スッパリと記憶が抜け落ちている。
いやいやいや、記憶が無くて朝チュンとか…漫画の世界じゃあるまいし…って朝チュン!?
ルナはハッとして身体を確認する。服はちゃんと着ている。下半身に違和感は…
「ない!!!」
嬉しさのあまり口に出すルナ。
「何か探し物?」
レイトに抱き締められているのをすっかり失念していた。
「な…ななな…」
「ん?」
「何でこういう状況になっているんでしょうか?」
「昨日の事を覚えていないのか?ルナからベッドに入って来たんだが」
「ひぁっ!?」
耳朶を軽く甘咬みされルナは驚き身を捩る。レイトはグッと抱き締めたままルナの耳朶を唇で攻め続ける。
「ちょ…レイトさ…ま…やだっ…」
「可愛いルナ。残念だけどここまでだ。そろそろ誰か来る」
レイトはそう言うとルナを解放してベッドから起き上がる。するとタイミングを見計らったかのようにドアがノックされた。
「レイト様、そろそろ起きて下さい。城に戻るお支度をさせて頂きます」
どうやらノックの相手はクロードだ。
「分かった。今行くから下がれ」
「分かりました」
レイトはルナの唇にキスを落とすと、先に行くと言い頭を撫でて部屋を出ていった。
残されたルナは顔を真っ赤にしながらベッドの中でのた打ち回って身悶えしていたのだった。
広場は綺麗に片付けられている。どうやらクロードが朝早く起きて片付けたらしい。ご丁寧に全員分の食事まで用意されていた。
おかんか!?おかん属性なのか!?クロードさんは。
思わず心の中で呟くルナ。
何だかんだ面倒見いいんだよねぇ。クロードさんは。ツンデレ?ツンデレなのか?いやでもどちらかというと、おかん属性だよね。
ツンデレはジェイクさんだな。
あれ?でもジェイクさんとはサース火山以来結構気さくに話せてるからツンデレとは違うな。
あ、猫か!猫なのか!最初は威嚇して慣れたらゴロニャーンってなついてくれる…
ジェイクが猫になった所を想像して思わず笑うルナ。
「おい、何か今俺の事バカにしなかったか?」
「あ、ジェイクさんおはようございます!中々鋭いですね…あいたっ!!」
ルナがそう言った瞬間、ジェイクの拳骨がルナの頭に落ちた。
こうしてみるとお兄ちゃんみたいだな、そう思ってこっそり笑うルナだった。
皆で朝食を食べて、食後のお茶をしてから帰路へ。
リリーさんはクロードさんが送る。
レヴィンさんは後程国王騎士団のお偉いさんと話し合いの場が設けられたらしく、急いで店へと戻って行った。
私はレイト様と、ジェイクさんと町までご一緒している。レイト様の馬に乗せてもらい…また後ろから抱き締められる格好で物凄く恥ずかしい。
「ルナ、明日時間があるならリリーを連れて城へ来てくれないか?大事な話がある」
「構いませんが…何時頃伺えば?」
「そうだな…昼過ぎに頼む」
「分かりました」
レイトにギルド前まで送ってもらい馬から降りる。
「ルナ、昨日は楽しかった。ありがとう」
「いえ、こちらこそ。また良ければ来て下さいね」
「ああ、必ず」
そう言うとレイトは城へ、ルナはギルドへと向かうのだった。
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