【毎日連載】古魔道具屋『レリックハート』の女房と猫

丁銀 導

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054 悲しい人【ジュナイ】

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「リアム、今日は遺物横丁のお祭りがあるぞ」
「おまつり、ですか?」
「ああ。綿みたいな甘い菓子や
クラーケン焼きの屋台が出たり、キンギョすくいもあるそうだ」
「あまいおかし…くらーけんやき…」
「行こうか」
「い、いきたいです!!」

早くも興奮気味のリアムに、エイデンさんは優しく微笑んだ。
この二人のやり取りは本当に可愛いので、仕事の疲れも吹き飛ぶってもんだ。

「先に行っててよ。俺は祭りに魔法衣じゃなんだし、着替えるから」
「そうか。ではまた後でな」
チュッとエイデンさんと軽くキスをすると、
リアムが両手で顔を隠した。面白いやつ…。

「いってまいります」
「行ってきます」
「はいはい。いってらっしゃい」

手を繋いで仲良く歩き出す
エイデンさんとリアムの後ろ姿を、俺は店先から見送った。


…リアムが初めてこの家にやって来た日から、二ヶ月。
最初の一ヶ月は孤児院とこの家を行ったり来たりの生活が続いたが、
今はほぼ毎日、ここで過ごしている。
現在はリアムを里子として預かっているが、
ゆくゆくは養子縁組を申請して、俺かエイデンさんのどちらかが
親権を得てはどうかと、孤児院の職員であるマリアさんから勧められている。
リアムを引き取るために、俺とエイデンさんは籍を入れた。
独身では里親として認められないからだ。とは言え、
書類の上以外での変化は特にない。
同性婚も夫婦別姓も商業都市シナノワでは珍しくもないことだからだ。
どこの誰でもどんな形でも、きちんと子供を守って
養えるならそれでいいんだ。

俺とリュウとエイデンさん。この二人と一匹の静かな生活が、老いぼれるまで続くと思ったのに、
あれよあれよと子供を育てる事になってしまった。人生ってのは本当に分からない。
…まだ子供のリアムには気付かれないように、俺もエイデンさんも細心の注意を払ったが、
この二ヶ月の間には…本当に本当に色々な事があった。


まず、リアムがこの家に来たその翌日。
さっそくエイデンさんは、本に仕込まれていた麻薬の事を
グラディウスにタレ込んだ。
店に遊びに来ていたヴィクターさんが置いていった
名刺の魔導フォン番号に掛けると、
電話に出たのはグラディウスの顧問弁護士・オズワルド先生だった。

なんでも、ヴィクターさん・ドミニオ会計士・マーズの三人は
王都に『商談』に出ているらしい。
その間の組の全権を預かっているのがオズワルド先生なんだそうだ。

俺とエイデンさんは『本』を持って
オズワルド先生の法律事務所を、指定された時間に訪れた。
シナノワ駅から徒歩5分ほどの立地に居を構えたそこは
、暖かみのある品の良い内装と調度で小綺麗にまとまっていて、
出迎えてくれた紳士とぴったりの雰囲気だった。

『エイデン…!久しぶりじゃないか!』
『ああ、不義理をしてすまんな…オズワルド。ポオは元気かな?』
『奴は相変わらずさ。グラディウスをたまに恋しがってるよ』

どうも、エイデンさんとオズワルド先生は旧知の仲だったらしい。
そんな話、初耳なんだけど?俺は先生とは初対面だ。
オズワルド先生は俺にも丁寧に挨拶してくれて、ちょっと恐縮した。

『初めまして。グラディウス顧問弁護士ベン・オズワルドと申します』
『あ、どうも。ジュナイ・サザランドと申します』
『それでは、早速ですが…本題に入りましょうか』

旧交を温めるのもそこそこに、
オズワルド先生は『本』とその中身を検分し始めた。

『なるほどね…出回ってるヤクと同じ物に間違いないだろう』
『…やはりそうか』
『これを持っていたという、子供の名前は?』
『「リアモルド・ネス」です…俺達は「リアム」と呼んでいますが』
『「ネス」ね…「ネス」…』

銀縁眼鏡の奥で眉を寄せ、深緑がかった
前髪を掻き上げたオズワルド先生は棚から一冊のファイルを取り出した。
開いたページには、しけたチンピラの写真が何枚か貼られている。

『こいつが「ネス」…?』
『いや、こいつは「ミケロ」苗字なしだ。
…二年前、グラディウスを破門された三下だ。
 ヤクをこっそり仕入れて捌いていたが、ドミニオさんにバレて…コレだ』

オズワルド先生は、手で首をチョンとはねる仕草をしてみせた。

『さすがドミニオさん…』
『で、このミケロの女が『リリィ・ネス』。市民病院の看護士だった』

写真を見る。女の繊細そうな顔立ちに、リアムの面影がかすかに見える。
この女がリアムの母親か…となると、父親はこのミケロって奴なのか?
そう尋ねると、オズワルドさんは首を横に振った。

『いや。リアムくんの父親は、リアムくんが一歳の時、事故で死んでいる』
『となると、ミケロは赤の他人?』
『そうなるな。よく聞く『母親の彼氏』って奴だ。おぞましい』
『なるほど…』

ずっと黙っていたエイデンさんが、ようやく口を開いた。

『リアムの母親は…「リリィ・ネス」さんは今、どこに?』
『…死んだ。入院先で、自殺したそうだ』
『……そうか』

ずんと空気が重くなった。
リアムは、母の死を知っているんだろうか。
そして自分を虐げていた男が、実の父親ではないという事も…。

『煙草、吸っても?』
『ええ、どうぞ』

オズワルドさんは懐から煙草を取り出すと、銀色の魔石で火を点けた。
空気清浄機の魔石ランプが淡く点滅している。
ふぅっと紫煙を吹くと、甘く苦い香りが広がった。

『…で、どうするエイデン?』

くだけた様子でオズワルド先生がエイデンさんに問う。
これがこの人の「素」なんだろう。

『…どう、とは?』
エイデンさんはさっきから、普段よりももっと口数が少ない。
どうしてなどと、野暮な事だ。
優しいこの人が、あの痩せこけた小さな子供の背負う不幸に
心を痛めないはずがない。

『若…ヴィクターさんからは、ヤクのバイニン(密売人)は
見つけ次第消せと言われている。全員な』
『そうか…』
『ミケロを締め上げて、他のバイニンの居場所を吐かせる仕事…
お前やるか?』
『……』

エイデンさんは黙っている。
なんとなく俺は、隣に座っているエイデンさんを遠く感じていた。
正確に言うと、この事務所に入った時からずっとだ。
少しの沈黙のあと、エイデンさんは再び重い口を開いた。

『…一本、くれないか』
『ん?』
『煙草』
『…ああ、どうぞ』

手渡された紺色の紙箱から煙草を一本取り出すと、
エイデンさんはオズワルド先生の差し出す魔石で火を点けた。
…エイデンさんが煙草を吸うところを、初めて見る。
いつもなら「セクシーだな」とか暢気に喜ぶんだろうが、
今はそんな気には全然なれない。
なんだか背中がチリチリする。嫌な感じだ。

『ミケロの件だが…』
『ああ』
『俺は降りる』
『そうかい』

オズワルドさんは、どこか残念そうだ。
この人も、現役だった頃のエイデンさんをよく知っているんだろう。

『もう忘れちまったか?現役を退いて久しいからなぁ』
『ああ、もう忘れたよ』

エイデンさんの唇から、ふぅっと紫煙が吐き出される。

『…手加減の仕方など』

背中に冷たい汗が流れる。
俺はその時、ようやくひとつの事実に気付いた。
…俺の隣に座っているこの人は、エイデンさんではなく
『黒き刃のバルヴァロス』だったんだ…。

***

その後、ミケロやその一味がどうなったのか
知らないし、知る気もない。
いや…グラディウスという大蛇に睨まれた鼠の行く末なんざ
『知るまでもない』と言った方が正しいか。

とにかく、これでリアムを縛るものはなくなった。
後はいかにしてこの子を幸せにするかだ。
それについては俺は、もう腹は決まっていた。
それはもちろんエイデンさんと籍を入れ、
名実ともに『夫婦』となり、リアムを養子として引き取る方向にだ。

俺もリアムを可愛いと思っているが、
とにかくエイデンさんは、それ以上にリアムを可愛がっていた。

ただ甘やかすのではなく、カトラリーの正しい持ち方、
近所の人への挨拶の仕方、乗り合い馬車の乗り方…
色々な事をリアムに教え、身だしなみを整え、
遊びに付き合い、栄養のある食事を与えた。
特に最後は、全然料理のできない彼が『育ち盛りのリアムの為だから』と
俺に教えを請うまでして料理に挑戦する様は、本当に涙ぐましいものがあった。
オムレツを作ろうと、せっせと台所に向かう広い背中を
何度も抱きしめたくなったもんだ。

リアムも当然のように、そんなエイデンさんによく懐いた。
痩せこけていた体は少しずつだがふっくらと色つやが良くなり、
よく笑うようになった。
仕入れた古い魔道具を二人で仲良く磨く姿は
本当の親子以上に親子らしく見えた。

…だから、俺にはどうしても分からなかった。

エイデンさんが、リアムを引き取らないと言い出すなんて。


***

「エイデンさん!!どういう事だよ!!」

職場から帰るなり喚く俺を、
エイデンさんは黙って見て、そっと目を逸らした。

「…何がだ」
「マリアさんから電話で聞いたよ…!」

リアムを、と口に出しかけてハッとする。
子供に修羅場を見せる訳にはいかない。
一階の作業場にいるのはエイデンさんだけで、リアムの姿はなかった。

「リアムは…レオくんとイーサンくんが公園に連れて行った。
…当分帰らん」
「…そう」

レオとイーサンは、自分たちとよく似た身の上のリアムを
弟のように可愛がっている。
あの二人といるなら安心だな。とことん言い合える。

発端はその日の昼休みだった。
同僚とのんびりメシを食べていると、突然魔導フォンが鳴った。
孤児院の職員、マリアさんからだった。

「ああ、マリアさん。どうしました?」
『あのね、今日エイデンさんが孤児院に来てくれたんだけど…』
「え、そうなんですか?一人で?」
『うん…それでねぇ』

マリアさんは、困った様子だった。
彼はリアムの親父…ミケロが『事故死』する前から
近所からの通報などでリアムの身を案じ、
何度も家庭訪問するなど手を尽くしてくれたベテラン職員だ。
それでもミケロが拒否したので、リアムを保護するには至らなかったらしい。
…なので、俺とエイデンさんがリアムを保護し、
一時預かりを申し出た事を喜んでくれていた。

『私ゃ、てっきりエイデンさんは
リアムくんを引き取るもんだと思ってたんだけど…』
「え?」
『エイデンさんね、『リアムは、もっときちんとした家庭に
引き取られるべきです』って』
「それって…」
『うん。自分はリアムくんを引き取らないって言うんだよ…。
 これね、ジュナイさんも同じ意見なのかい?』
「そ、そんな訳ないです!!」

つい大声が出て同僚が驚いているが、構っている暇はない。

…きちんとした家庭?なんだそれ?!

そして俺は挨拶もそこそこに通話を切り、
同僚達に「ごめん!!早退!!」と言い残し、
飛んで家に帰ったって訳だ。


「なぁ、なんで?」
「……」
「あんた、リアムをあんなに可愛がってたじゃないか」
「…だからだ」

エイデンさんの口調は重い。…そうだ。
オズワルド先生の事務所に行ったあの日から、エイデンさんは
どこか様子がおかしかった。
俺やリアムには常と変わらず優しく暖かだけど、
一人きりになると、ふと暗い表情を見せるようになっていた。

「…ジュナイ」
「うん」
「養子縁組や里親制度の講習会で、聞いただろう。
他人の子を引き取る為には、保護者となる大人の収入・年齢…
家庭環境など細かく審査されると」
「…そうだったね…でも、うちは全然大丈夫だよ!心配ないって」
「違う。…リアムには、もっと良い保護者と巡り会う権利がある。
 それを、俺たちが邪魔していい権利はない」
「邪魔って…」
「…あの子には、もっときちんとした家庭が必要なんだ」
「その『きちんとした家庭』って何!!」

さっきから度々登場する、その癪に障る言葉に
俺はとうとう激昂した。

「良い保護者?!きちんとした家庭?!それ何だよ!!
金持ち?教育者?そんなのに比べて、
この家の…俺達の何が駄目だってんだよ?!」

すっかり頭に血が上った俺は、エイデンさんの
上衣の襟元を掴んでガクガク揺さぶった。
エイデンさんの表情は、苦しそうだった。
もちろん襟首を引っ掴まれているからじゃない。
言葉に出来ない苦しみを、噛み締めているように見えた。

「…なぁ、なんで?」
「……」
「俺の眼を見て言って」
「……」

じっと覗き込むと、深い琥珀の眼に怯えの色が見えた。
初めてだ。エイデンさんのこんな表情は。

「…俺に、」
「……」
「俺に、そんな資格はない」

その言葉に、なんとなく続きの予想がついたが、俺は黙って聞いた。
…そうだったこの人は。


「…俺は、人殺しだ」


悲痛なその声を、俺はやはり黙って聞いた。
いつか布団の中で話してくれた事。エイデンさんは子供を作れない。
そのせいで、結婚を考えるまで愛していた女の人と別れた。
けれど別れた理由はそれだけじゃなかったんだろう。

殺し屋として、十五歳から殺しに手を染めていたエイデンさん。
何の罪悪感もなく、ただ当然のこととして…。
その事実がたとえ絶対に公にならないにしても、
そんな自分が人並みの夢を見る事なんか、許される訳がない。

彼女にも、そしておそらく俺にも…
誰にも真に理解できない苦しみを、
この人は独りで抱えていたんだ。

そんな彼に、俺はどんな言葉を掛けられるだろう。
もっと迷うかと思ったが、意外にもそれはすんなりと零れ落ちた。

「エイデンさん…」
「……」
「俺の両親はね…すごく金持ちで、由緒正しい家柄の…
 それはもう『きちんとした家庭』の人間だったよ」
「……」
「そしてそのきちんとした両親は、俺を捨てたよ」

エイデンさんは俯いていた顔を上げた。俺はそのまま話を続けた。

「打算だけの結婚をして、離婚して、
もっといい条件の相手と再婚して…
その為には、俺は邪魔だったって訳」
「……ジュナイ」
「エイデンさんのお父さんは殺し屋だったけど、
いい人だったんだよね?」

こくり。
小さく、だが確かにエイデンさん頷く。

「会ったことないけど…エイデンさんを見ていれば分かるよ」

腕を伸べて、その逞しい背中に廻す。
かすかな震えを感じる。

「あの子の周りで…俺達以上にあの子の事を思う大人はいないよ」
「……」
「俺達の都合より、今はリアムの事だけを考えようよ」
「…ジュナイ」
「本当にあの子の事を思うなら、自分に負けないで」

幸せになる事から逃げないで。

硬くて太い腕に、胸板に、ぎゅっと強く抱きしめられる。
涙も見えず、泣き声が聞こえた訳じゃないけれど、
エイデンさんは泣いていた。
どうして俺は今まで、この人の限りのないような
優しさの源に気付かなかったんだろう。
他の誰にも話せない罪が、大き過ぎる欠落が、
この人を誰よりも強く優しい男にした。
ただ強く、ただ優しいだけの人間なんか、この世にいる訳がないのに。

「リアムが大人になって、もし俺達の素性を知って軽蔑したら…
その時は一緒に軽蔑されようよ」

気付くのが遅くなってしまった事が悔しい。
でももう、俺はこの人を独りにはしない。…絶対に。


***

…それで、話は冒頭に戻る。
俺がここまで熱く説得したにも関わらず、
最終的にエイデンさんの心を動かしたのは
リアムの涙だったんだけどな。
ちょっとシャクだが結果オーライだろう。

「引き取りたいという人がいる」とウソをついて
リアムの本心を聞き出してみろ、
それでも気が変わらなければ養子縁組は無しだ。

そう、エイデンさんに持ちかけたのは俺だ。

優しくて誠実なエイデンさんが、
大切なリアムにそんなウソをつけるはずがない。

とりあえずエイデンさんが幸せで、
リアムが幸せで、
リュウが幸せなら、
俺も自動的に幸せになれる。

だからこれでいいんだ。
靴を脱いで居間を上がり、奥の部屋に進む。
その隅にレリックハート家の小さな祭壇がある。
季節の花々が活けられたそこには、
エイデンさんのお父さんの写真と、
リュウ…
俺の弟の方のリュウの写真が飾られている。

…見ていてくれたか?リュウ。
俺も言うようになっただろ?

祭壇に飾られた写真の中のリュウは、微笑んでいる。
眩しいくらいに。
ロビンくんが手紙と共に届けてくれた本に挟まっていた写真だ。

以前は、思い出せるリュウの顔は白い死に顔だけだった。
けれどいつの間にか、リュウの色々な顔を思い出せるようになっていた。

俺はもう逃げないよ。
幸せになる事からも。愛される事からも。
リュウ…
愛してくれて、愛されてくれて、ありがとう。


……さて!
俺もさっさと着替えて祭りに行くか!
東洋のユカタも買ってはあるが、張り切り過ぎかなぁ?
たかが地元の祭りだし…普段着でいいか。

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