見切り教育

始まっちゃった

スイの心境

え？なんか今耳を疑うような言葉が聞こえたような気がする。

「ごめん、今よく聞こえなかったんだけど。」

「だからー！俺と一緒に政府にこの情報を提出しに行くんだよ！」

命の危険を感じる。てか行ったとしても絶対足を引っ張る。なんとしてでも上手く逃げなきゃ！！

「で、でもさー！私みたいな女子高生が
言ったら逆に足手まといじゃないの？」

「えーでもー、あんな国家レベルの情報教えといて逃す訳には行かねーんだわ。一人じゃ心細いし！」

よし、父さんと母さんに遺書書こう。もうダメだ私。

「あとさー！」

まだ言うかこいつ！！

「なによ！！」

「山口にあんな酷い事した奴らの元にお前一人で置いて行けねーんだわ。」


え？

「だから俺が連れ出してお前を守ってやる！」

・・・。

物好きな奴。こんな私の事、庇おうとするなんて。

「あと一人じゃ心細いし！」

「結局それかよ！！」

「でも、お前だって生きたい未来があるんだろ？」

・・・え？

「将来なりたいものとか無いの？」

将来なりたいもの？・・・そんなもの！

「ないよ。なんにもない。」

「そっか・・・。」

「だから私は別にヤクザに殺されようがどうなってもいいよ。」

これで良かったんだ。国の中でも身分が低い存在。学校の中でも身分が低い、悲しい存在。それからどの道、数ヶ月後に私は見切り教育で死んでるし。

さあ、私の人生はこれで終了だ。あとはヤクザに打ち殺されて・・・

「でもお前ここに残ったら残ったで虐められるぞ？」

・・・嫌だ。

「やっぱり私もついて行く！」

「アザース！心細いし！！」

あーあ、何を考えているんだ私は。でも虐められるの嫌だし・・・。

でも、今なら何故か潔くついて行ってもいいような気がする。分からないけど。

「おーし！じゃあ早速日本政府までの道のりを紹介するぜ！」

なんでこんなにノリノリなんだよ。

でも・・・。

「ふふっ。」

「あれ？山口今笑った！？やっぱり俺と一緒にいきたかったんだろ！」

「うるさい！」