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始まっちゃった
拉致
しおりを挟む一刻も早く国会に向かわなきゃいけないのに出て行けない?馬鹿なのこいつ!
「出て行けないってなんで!?」
「俺はな・・・闇野を攻略しなきゃいけないんだ!!」
・・・・・・。
「頭おかしいんじゃね?」
「いやいや違う!そうじゃなくて、あいつを今すぐ更正させるんだ!」
闇野を更正・・・?
「なんでそう思ったの?」
「まず俺らが黙って寮を出て行ったら騒ぎになるし絶対チクられる!そしたらお前は間違いなく退学になっちまうぜ。」
退学!?それはかなりまずい。見切り教育が行われている中そうなったら私はもうお終い。後、確かにこのまま黙って出て行けば原の言う通り誰かしらに報告される。だから出て行く前に誰かを味方につけないといけない。
でも!!
「本気で味方につけられると思ってる?」
あんなガラの悪い連中を味方につけるのはみんなに好かれるタイプの体育教師でも至難の技。しかもその中でも一番タチの悪い闇野を選ぶなんて何考えてんのこいつ!
「だってさ!クラスのリーダー格の女子を味方につければ後はクラスの全員に説明すればいいだけだから楽だろ?」
「そんな事言ったって・・・。」
「大丈夫!俺を信じろ!だって俺もアウトローなんだぜ?しかもプロ!」
そんなの自慢になるのかよ。まあでも原が言うんだから間違いないかな。ヤクザだし。よくよく考えたらその辺のヤンキーとは比べ物にならない。
「分かったよ。やってみよう。でもその後どうなっても知らないからね?」
「オッケー!じゃあ早速闇野のとこに行こう!」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「はい、着いたよ。どうすんのこれで。」
「大丈夫!この大型バイクの五右衛門丸がいれば!」
ブロロンブロロン!!
もうイヤな予感しかしない!
「おし、闇野を呼ぼうぜ!」
ここまで来たら後は部屋をノックすればいいだけ。
それだけなのに身体が竦んで足が痛くなる。手の震えが止まらない。
やっぱり無理かもしれない!どうしよう!
「お前このままじゃやられっぱなしだぞ?」
はっ。
確かに、身分や学歴の事もあるけれど、やるかやらないかは私次第だ。
「大丈夫、俺がどうにかする。お前の事は絶対痛い目に遭わせない。でも実現するにはお前の力が必要なんだ。後はちょっとの勇気だぞ!」
あとはちょっとの勇気・・・このままずっとやられっぱなしは
い や だ 。
コンコン
ドアをノックする音が響く。もう頭の中は真っ白だった。すると次の瞬間ガチャリ、とドアが開いた。
「はいはーいだれー?ユッピー?
・・・何?人の部屋に急に押しかけて来て気味が悪いんだけど。」
友達のあだ名であろう事を呟きながら出て来るなり、闇野は予想通り私にキツい事を言ってきた。でも予想通りだから。
「あの・・・実は闇野さんと話がしたくて・・・。」
「話しぃー?テメェみてえな幽霊地味女と話なんかしたくねぇんだけど?早くあの世に帰ってくださーい♪ぎゃははははは!!」
く・・・くそおっ!
「続けろ」
・・・え?
「つ・づ・け・ろ!」
「で・・・でも!どうしても話がしたいんだ!これはすっごく大事な話なんだよ!人の話はちゃんと聞けよ!」
「は?オメェみたいなんに人権なんか適応されないんだけど?てかウチに口答えしたね?貧乏の癖に悪い奴だな。今すぐここで躾直してやるよ!」
チャッ!
「うわああっ!!」
闇野は私の顔をとっつかんでカッターナイフで口を切ろうとした。
もうだめ・・・!
「ぎゃああっ!何すんだ!離せっ!!」
あれっ?闇野?
「・・・うわあっ!」
「んー!!んー!!」
ギチッギチッ!!
なんと原が闇野の頭に麻袋のようなものを被せ、手足をロープでぎっちり固定してしまった。
「何してんだよ!?」
「あーあ、素直に聞いてりゃここまでしなかったのに。」
「いや普通はしないから!どうすんだよこれ!?」
「はい、ここ乗れ。闇野はこっちに縛り付けてと!」
ブロロンブロロン!!
「おし!行くか!」
「行くかってどこにいいいいいいいいいいい!!!」
バイクが凄い勢いで走り出した。階段をそのままのスピードで駆け下りて行く。
「ああああああああああああ!!!」
異常に気付いた闇野が叫ぶ。私も叫ぶ。
「うわっ!何だ何だ!?」
「ええ!?」
生徒が私たちを次々と目で追っていく。
この学校ではよくあるのだろうか。もはや先生はツッコまない。
気がつくともう寮の外にいた。
「うっし!このまま通りに出るぜ!」
「もうやめてえええええええ!!!」
「いやあああああああああああ!!」
『3時になりました。外出時間です。』
寮のアナウンスが虚しく近隣に響き渡った。
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