見切り教育

ラッキーセヴァン

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9月3日

ドーナツ

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「おし!じゃあみんな手を合わせて

いただきます!!」

「「「いただきまああああす!!」」」

原の音頭で私達は目の前に並べられた軽食を勢い良く食べ始めた。コンビニで買った様な簡単な物でも頭をたくさん使った私達にはとっておきのご馳走だ。

「うーん・・・美味しい!!」

私はドーナツを素手で持ち、ガツガツと頬張った。チョコレートの風味と砂糖のチャリチャリした感じがクセになる。

「美味しいですわね!」

「こんなにみんなで団らんしていたら、普段はなかなか話せない事も話せそうだよな。」

「うん、普段は話せない事・・・

そうだ!!」

河野の一言で私はある事を思い出した。ずっと原に対して大きな疑問を抱いていた事だ。

よし、この際だから聞いてみよう。

「ねえ原、どうしてわざわざ私を連れて行こうと思ったの?見切り教育を止める重要な任務なのに。」

すると原は食べている手をピタッと止めた。

「山口、後で一緒に来れるか?」

「えっ?別にいいけどここじゃ駄目なの?」

「・・・まあ、とにかく来いよ。聞きたいんだったら聞かせてやるぜ。」

えっ?ここで話すのじゃダメなの・・・?

「俺と山口ちょっとトイレ行ってくる!」

「そうですか!お気をつけて!」

「いってらっしゃーいぃ。」




私は原と共に図書館の庭に出て、隅にあるベンチに座った。辺りはもうすっかり暗くなっており、暗闇の中で大きな噴水がキラキラと光っている。

「山口、正直な事を言うぜ。」

原は真剣な表情で言った。私は無言で深く頷く。

「実はな山口、お前は俺のーーーー

人質なんだ。」

・・・人質?

「俺の所属してる龍頭組はただのヤクザの組織じゃなくて、俺みたいに家が貧乏で人生のチャンスを掴めなかった奴らが運営している組織なんだ。でも最近、そんな俺達にとんでもないチャンスが舞い込んできた。それが見切り教育。」

え?ヤクザじゃないの?

「見切り教育が締結されてから日本の政府は国民から一気に信用を失った。見切り教育が廃止されたら今の内閣は総辞職に追い込まれるだろう。

だから世界に匹敵する力を持っている俺達、龍頭組が見切り教育を廃止し、政治家達の代わりに日本を引っ張っていく作戦を立てたんだ。それで幹部の俺がその任務に選ばれたんだけど、普通に惑星の事を伝えても簡単に譲ってくれるわけが無いだろ?だから一人女子高生の人質を取って国を譲って貰うというわけだ。」

私・・・人質だったんだ。利用されたんだ。ショックだな。

「ごめんな。傷付くよな。でも俺はお前の事、良い仲間だと思ってるぜ。そろそろ中に戻ろう。」

わたしは原に連れられてふらふらとした足取りでさっきの二階のロビーに戻っていった。






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