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9月4日
成功
しおりを挟む私はただひたすらにSNSの画面を覗き込んでいた。
『9月2日に原達が旅立った時にフラスコを爆発させちゃった事があったでしょ?実はあの時、ノートで手を切っちゃった部分に中の薬品が一滴跳ねちゃったの。もうチョー焦っちゃって^^;でもね、良く見てみたら、なんとその切り傷が少し治ってたの!
だからその後に今日までの3日間色々研究して、遂にその薬が出来上がったの。失敗は成功のもとって奴だね☆』
「軽っ!!こんなにあっさり!?」
「ああ、可愛いな。」
「関係無くね!?てか男子にとってはこれが可愛いの部類に入るのか!?」
失敗は成功のもと。まさかここまで分かりやすい例があるとは。私は更に続きを読み進めた。
『これは世紀の大発見だという事で、国に伝えに行く事になりました。勿論、イコーリーの事も一緒にね。その時に校長先生が明日車で国会まで連れて行ってくれる事になったよ!だからその時にちょっとでもこの薬が役に立つといいな。じゃーまた明日国会でね!検討を祈る。』
「す・・・すごーい!!」
メイド喫茶にいる一同から拍手喝采が起こった。
「これなら原さんの任務も楽になるんじゃないかしら?」
「ああ、そうだな。まさかこんな助け舟が出るなんて・・・。」
ユリさんと原が会話する様子を見て、若いメイド達は、うー、と言いたげにあからさまに不満な顔をした。
「安心しろ。」
「ん?」
「さっきのキスだけど、
・・・じゃじゃーん!」
ん?何だそれ。ガムの・・・包み紙?
「これをお互いの口と口の間に挟んでたんだぜ!まさか本当にする訳ねーだろ!」
「「「ゆ・・・悠たまああああああ!!」」」
「おーよしよしよし!そう焦るなよ!焦んなくても俺は減らねーぜ!」
若いメイド達は目に涙を浮かべ、原に抱き付いた。
畜生、どこまでこいつは気が回るんだ。テレパシストなんじゃね?
私は心からそう思った。それと同時に、明日への不安がしんしんと降り注ぐ雪の様に募っていく。
ここまで徹底したんだ。
きっと大丈夫。
成功する。
失敗は許されない。
何が何でもやり遂げてみせる。
私は無理矢理自分にそう言い聞かせた。
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