見切り教育

ラッキーセヴァン

文字の大きさ
73 / 93
終わらせない

黒幕

しおりを挟む

やばい。バレた。

「ねえねえ!どうしよう!!」

「いやあ・・・もうどうしようもねえな。」

「肝心なところで諦めないで!!さっきまであんなに熱い感じだったのに!!」

『君達は普通に殺すんじゃつまらないな。こうなったら・・・

見せしめにしてやる!!』

すると・・・

「うわっ!!」

「何!?」

突然、私と原の身体がふわりと宙に浮かんだ。そしてそのままどんどん浮上していき、あっという間に声の主の頭上にまで到着してしまった。

『やあ!よくここまで辿り着いたね!

この反逆者共が!!』

どさっ!!

そのまま私達は声の主の足元に落とされてしまった。背中を強く打った。

「いってえな!!乱暴にするんじゃねえよ!!」

「ううう・・・」

わたしは痛みに耐えながら改めて声の主の顔を見た。

「あなた、鈍倉高校の送迎バスの運転手ですよね!?」

そして一気に指摘した。

『あれっ、やっぱり気付いた?いかにも。僕は・・・

鈍倉高校の送迎バスの運転手だああああああ!!』

「鈍倉高校!?」

「あのバカ学校の!?」

周りの人達が一気にざわつく。

『僕も君の事覚えてるよ。あれだよね、家族三人で途方に暮れてた鈍倉高校の生徒だよね!!』

キーーーーーーーーーーン!!

マイクが鳴った。

「えー!やばくね?」

「何だあいつ馬鹿じゃん!」

私は顔がバーッと熱くなって行くのが分かった。

『ねえ!あってるでしょ!?そうだよね!!』

「合ってるけどあんまり大きい声で言わないで!」

「おい。」

原が運転手を睨みつけた。

「そんな事はどうでも良いんだよ。総理大臣は?天皇陛下は?何でお前みたいな偉くもねえ奴がこんな事してるんだよ。」

『ふふん!実はこの「見切り教育」を提案したのは、国の偉い人じゃなくて僕なんだ。』

こいつが・・・見切り教育の発案者?

『かつて、僕は誰にも評価されない落ちぶれ科学者だった。周りからは笑われて、蔑まれ・・・それでも僕は諦めずに沢山のウイルスを開発していったよ。さっきの身体を宙に浮かせるウイルスだってそう。頭を破裂させるウイルスも。

でもある日、転機が訪れたんだ。国にウイルスを提出する為に国会に来たんだけど、その時に日本の人口が増え過ぎちゃって資金がとうとう足りなくなったっていう話を一足先に総理大臣から聞いたんだ。その時僕は・・・ピーンと来たよ!!』

運転手の形相が狂った様な顔に変わった。背筋がゾクッと凍る。

『この状況を上手く使えば僕はこの国で一番偉くなれる!!このウイルスだって有効活用する事が出来る!!それで僕は研究所に帰った後必死に寝ないで考えたよ。それで思い付いたんだ。

「見切り教育」をね!!』

見切り・・・教育。

原と私はそのまま押し黙っていた。

『従わなきゃお前達の首を飛ばすぞって脅した瞬間、天皇も総理大臣も身震いさせながらあっさりとオッケーしてくれたよ。やっぱり僕の科学は本物だったんだね』

「なあ。」

『何?君も首を消されたいの?』

「お前、そんな事の為だけにこの法律を作ったのか。」

『・・・勿論さ。そうに決まってるだろ?どっちにしろ人口が増え過ぎて困ってたんだからそんな事は関係な・・・ぐふっ!!』ドガッ!!

原は思いっきり科学者の顔を蹴っ飛ばした。

「てめえ・・・絶対許さねえ。」

すると原はおもむろにポケットからワックスを取り出した。そして前に突き出た前髪を後ろに伸ばしてオールバックにしていく。

あっ。

私は息を呑んだ。

『ひいいいいいい!!』

運転手も鼻血を出しながらビビりまくる。

この人、何度もテレビで見た事がある。

日本を代表する超巨大組織、龍頭組の幹部

原 悠介だ。

「てめえただじゃおかねえ。」

彼は指をバキボキと鳴らす。

『か・・・構うもんか!!こっちにはウイルスが、ウイルスが沢山あるから勝てっこ無いんだ!!』

「ほーお。・・・山口。」

「はいっ!!」

「二人でこいつの事、倒すぜ。もう好き勝手にはさせねえ!!」

「う・・・うん!!」

『ヘ・・・へえ!やれるもんならやってみろよ!!

くらえええええええ!!』




















しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

処理中です...